デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

明治22年6月15日（1889年）

是ヨリ先、第三十三国立銀行函館支店ヨリ函館水道起業費公借金ニ応募シタルニ付テハ帳簿上別ニ公借金ノ科目ヲ設クベキヤニ付キ照会アリ。ヨツテ本会ヨリ当局ヘ稟候ス。是日公借金勘定ハ貸付金口座ニ記入スベシトノ指令アリタル旨ヲ報告シ、目下ノ処該指令ニ従フベキコトヲ決議ス。

会議録事　自明治二十二年一月至明治二十三年十二月　（東京銀行集会所所蔵）
　　　　○第九十四回定式集会録事　○明治二二年五月一五日
一這回同盟第三十三国立銀行函館支店ニ於テ函館水道起業費公借金ニ応募シタルヲ以テ、其帳簿ノ記入ハ人民勘定中別ニ公借金ノ科目ヲ設クヘキヤノ件ハ、各銀行ニ於テモ宜シク予定シ置ヘキ事項ナルニ付、当集会所ノ名印ヲ以テ大蔵大臣閣下ヘ稟候シ、其指令ヲ得テ回答スヘキ事ニ議決セリ
　　　　○第九十五回定式集会録事　○明治二二年六月一五日
一前会ノ議決ニヨリ五月十六日、大蔵大臣ヘ稟候セシ同盟第三十三国立銀行函館支店ニ於テ函館水道起業費ニ対シ放債シタル公借金勘定ナルモノハ、貸付金ノ口取ニ記入スヘキ旨ヲ指令シ、且国立銀行ニシテ右等永年賦ノ起業費ニ資本ヲ投シ、況ヤ其期限銀行営業満期後
 - 第6巻 p.185 -ページ画像 
ニ渉リ、不都合ニ付、第三十三国立銀行ヘ諭達シタル旨ラ達セラレタリ、今此諭達ニ依リ国立銀行ハ此等地方公共ノ起業費ニ応スルコト能ハサルモノトセハ、或ハ経済上阻碍ナキヲ保ツヘカラスト雖トモ、今ヤ地方自治ノ制漸次実施スルニ至リ、府県債条例ノ如キモ随テ頒布セラルヘキモノト信スレハ、其時ヲ俟チ更ニ討議スル所有ルヘキモノトシ、目下其指合ニ従フヘキ事ニ議決セリ