デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

明治29年3月16日（1896年）

第二国立銀行ヨリ取締役再選重任ノ際ニ於ケル登記ノ必要有無ニ付キ照会アリ。右ハ必要ナク而シテ若シ止ムヲ得ザレバ抗告シテソノ条理ヲ貫徹セザル可カラザル旨ノ決議ヲナス。後右ハ不必要ト決定シタル旨同行ヨリ通知アリタリ。

集会録事　自明治二十六年一月　　（東京銀行集会所所蔵）
　　　　○第百五十九回定式集会録事○明治二九年三月一六日
次ニ横浜第二国立銀行ハ其前橋支店ニ於テ頃日取締役更迭アリテ其登記ヲ求メタリシニ、同区裁判所ハ他取締役ニシテ再選重任ノ場合ト雖亦登記スヘキモノナリト云ヲ以テ、同行ハ商法第百九十条取締役ノ更迭ハ其度毎ニ登記ヲ受クヘシトアリテ、重任ノ場合ニハ登記ノ必要ナキモノト思惟スル旨ヲ答ヘタリシニ、其後同区裁判所ハ登記違反ノ旨ヲ以テ召喚状ヲ送付セラレタルニ付テハ、東京ノ如キハ其振合如何ナリヤトノ質問ヲ為セリ、然ルニ東京ハ勿論、大坂、横浜等ニ於テモ再選重任ノ場合ニ於テ曾テ登記シタル例ナシ、此ノ如キ不法ノ命令ヲ受クルニ於テハ止ヲ得ス抗告シテ其条理ヲ貫徹セサルヘカラス、此外策ナキ者ト議決セリ
　　　　○第百六十一回定式集会録事○明治二九年五月一五日
渋沢会長ハ協議ニ先タチ○中略前会協議シタル第二国立銀行前橋支店取
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締役登記ノ件ハ、今回前橋地方裁判所ニ於テ登記違反ニアラスト決定シタル旨、同行ヨリ通知ノ事○中略等ヲ報道シ衆皆之ヲ承認セリ