デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

1章 金融
4節 保険
1款 東京海上保険株式会社
■綱文

第7巻 p.584-594(DK070075k) ページ画像

明治11年7月19日(1878年)

栄一去六月十八日会議ニ於テ委嘱サレタル海上保険会社創立願書及鉄道払下代価既納金環付願書ノ草案ヲ起シ衆ノ輪議ニ付シ、是日久松定謨外二十四名連署ヲ以テ創立願書ヲ東京府知事楠本正隆ニ、翌二十日既納金環付願書ヲ大蔵卿大隈重信ニ提出ス。


■資料

海上保険会社創立関係書類(DK070075k-0001)
第7巻 p.584-585 ページ画像

海上保険会社創立関係書類 (株式会社第一銀行所蔵)
以輪札啓申仕候、黴雨陰鬱之候、各位御起居勝常奉万福候、陳者去ル十八日之御会議ニ於テ御委嘱御座候保険会社開設ニ付、内務卿閣下ヘ之御上申書、及ヒ既納金御回収ニ付大蔵卿閣下ヘ之御上申書共、別紙之通草案相認メ供御廻覧候間、各位御査閲之上、別段御異案モ有之候ハヽ、其趣下ケ札ヲ以テ御申述ヘ、順次御回達、周尾ヨリ御返却可被下候 已上
  明治十一年六月二十九日 渋沢栄一
          (加筆)
    伊達宗城様     家扶拝承、此節熱海湯治中ニ付、彼方ヘ通達可仕候也
    松平頼聡様     拝承御草案之通ニ而異存無御座候
    前田利嗣様     拝承、御草案之通ニ而異存無御座候
    井伊直憲様     拝承海上保険会社創立願書ノ方ハ東京府知事宛ニ認メ指出スベキモノニ無之哉、尚御賢考ヲ乞フ、其他御高案之通ニテ異存無御座候也
    前田利同様     家扶謹承、御草案之通ニ而宜敷相心得申候
    榊原政敬様     拝承、御草案之通ニテ別段異存無御座候
    松平茂昭様     拝承、御草案之通異存無之、尚宜御依頼申上候
    松平慶永様     拝承、御草稿之通リ別段異存無之、宜御頼申上候
 追テ本文両文案各位無御異案周還相成候上は、速ニ浄写致し、尚又其御調印之儀可及御報道候ニ付、此段預メ御存録可被下候事
   ○文案載セス。

    ○
以輪札啓申仕候、陳者前札申上置候保険会社創立願書、旧鉄道既納金御還付願書共、昨今両日ヲ以テ大蔵省東京府等ヘ夫々上申相済、尚両官ヘ早速御指令相成候様懇請申上置候ニ付、御指令相済次第速ニ可及御報知候得共、先ツ不取敢此段御報知申上候也
 - 第7巻 p.585 -ページ画像 
  明治十一年七月廿日 渋沢栄一
    三部各通連名
   ○同文輪札ニテ林厚徳外八名宛及徳川慶勝外五名宛ノ文書アリ。各々異見ナキ旨回答ヲ附記ス(上掲書)
   ○上掲書類中ニ第一国立銀行用箋ニ認メラレタル内務卿伊藤博文宛海上保険会社創立之儀願書案草稿アリ、文章次掲願書本文ニ同ジ、但日付ノミ明治十一年六月 日ト記ス。


回議録 第二類会社明治一一年(DK070075k-0002)
第7巻 p.585-586 ページ画像

回議録 第二類会社明治一一年        (東京府庁所蔵)
    海上保険会社創立之儀願書
私共同盟ニ於テ明治九年三月中東京横浜間鉄道御払下之儀相願候処御特典ニ依テ御聞済被成下爾来年賦金上納仕候処、昨年禄券之制度被仰出候ニ付従前計算之方法難相立百方考案ヲ尽候上、昨年十二月中大蔵卿工部卿両閣下ヘ上申仕、特別之御評議ヲ以テ鉄道御払下御条約御解棄既納金額六十四万弐千円之分御回付被成下度旨奉懇願候処、幸ニ情由ヲ洞悉セラレ三月九日願之趣旨御採用、該金額ハ大蔵省ノ御都合ニ由リ追テ御回付可被下旨御指令有之一同奉感戴候、右者実ニ非常ノ御恩典ト相心得又此出金額之儀ハ私共ニ於テ実ニ容易ナラサル所之集合金ニ付、何卒此金額ヲ転用シテ上ハ国家公益ノ一分ヲ謀リ下ハ各生計ノ資用ニ供シ申度、因テ新事業創設之儀篤ト商量仕候処、海上保険之業尤方今之急務ニ而且経済之要具興産通商ノ途ニ於テ欠クヘカラサル者ト奉存候、殊更本邦近来航海ノ業大ニ開ケ通商ノ便利方産之運輸等昔日ニ幾倍スルヲ不可計、此時ニ当リ保険ノ業有テ之ト相連繋スル時ハ益其功用ヲ奏スヘク、就而ハ其条例ノ如キハ未タ御頒布不相成候得共別冊要旨ノ目的ヲ以而右会社創立仕度候間御准允被成下度候尤会社定款及申合規則等ハ追々撰定、毎件御允聴ヲ経テ施行可仕候間、仰願クハ由来情実御諒察之上早速御許可被成下度候、依之別冊相添連署上申仕候也
  明治十一年七月十九日        久松定謨(印)
                    毛利元忠(印)
                    池田輝知(印)
                    池田徳潤(印)
                    毛利元敏(印)
                    井伊直安(印)
                    大村純熈(印)
                    前田利同
                    代理 佐々高柯(印)
                    池田章政
                    榊原政敬(印)
                    前田利嗣(印)
                    山内豊範(印)
                    松平頼聡
                    井伊直憲(印)
                    久松勝成(印)
                    伊達宗徳(印)
 - 第7巻 p.586 -ページ画像 
                    松平茂昭(印)
                    亀井玆監
                    池田茂政(印)
                    毛利元徳(印)
                    伊達宗城(印)
                    蜂須賀茂韶
                    代理 林厚徳(印)
                    松平慶永(印)
                    徳川慶勝(印)
                    九条道孝(印)
    東京府知事 楠本正隆殿

    海上保険会社創立願之儀伺
久松定謨外二十四名ヨリ、別紙之通願出右ハ上下ノ公益ヲ振起シ枢要不可欠営業ニシテ其資出モ充実シ何レモ身元相応之者ニ付、請願之通リ御許可可然哉尤会社定款並申合規則等ハ追々為差出得失上申可致候エトモ、不取敢願書及要旨ノミ相添此段相伺候也
  明治十一年七月廿二日
                東京府知事 楠本正隆
    内務卿 伊藤博文殿
   ○右創立願書ニ添付アルベキ別冊ハ上掲書ニ附載セズ。前掲海上保険会社創立要旨・営業方法・損益予算・保険ノ主義及上海揚子江保険会社保険状等ノ書類ヲ指スカ。


鉄道組合会議要件録附録(DK070075k-0003)
第7巻 p.586-587 ページ画像

鉄道組合会議要件録附録 (株式会社第一銀行所蔵)
○同月○六月卅日総理代人渋沢栄一ハ本月十八日ノ決議ニ因リ、旧鉄道組合既納金還与願書海上保険会社創立願書ノ文案ヲ作リ、輪札ヲ以テ廻議ヲ経七月廿日此両牒ヲ上申セリ、其文左ニ列ス
   ○創立願書本文略ス、上掲ヲ見ヨ。
  明治十一年七月廿日           同盟連署印
    内務卿 伊藤博文殿

    旧鉄道組合既納金御回付之儀願書
私共同盟旧鉄道組合之儀一昨年禄券之制度被仰出尋テ第十五国立銀行創立ニ際シ、俄ニ資本給用之算ヲ失シ、百方弥縫之計相尽シ候得共、畢竟ニ維持之目途難相立候ニ付、不得止事同年十二月中右条約御解棄之儀相願候節、由来転換之情態ヲ曲陳シ、将来再図之目的ヲ設ケ、特別之御置《(処脱)》ヲ以テ、既納金額六十四万二千円一時御回付被下度旨奉願候処、本年三月願之通御聞済被成下、但該金之儀者、御省之御都合ヲ以而、追而御回付可被下旨、御指令相成候ニ付、前書再図之儀種々商議ヲ尽シ、此程遂ニ決議ヲ以而海上保険会社創立之方法経画仕、別冊写之通東京府庁ヘ懇願仕候ニ付、右御回付之金額ヲ以テ、目下該事業之資本ヲ立テ、及前回懇願之節申上候、昨年第三季上納額第十五国立銀行ヨリ借用之分、方今償却之期ニ相臨候間、旁以既納金額目今一時御回付被下度候、尤該金額之内四十万円ハ右営業資本ノ為メ起業公債ニ
 - 第7巻 p.587 -ページ画像 
充用シ、残弐拾四万弐千円ノ分ヲ以而第十五銀行之元利等償算可仕候ニ付其四十万円之分ハ御省之御切符ニ而御渡被下、残額之分ハ通貨ニ而御回付被下度候、依之内務卿閣下ヘ之上申書写相添此段奉悃願候也
  明治十一年七月廿日          同盟連署印
    大蔵卿 大隈重信殿
   ○鉄道組合会議要件録記載ノ創立願書ハ日付ヲ七月廿日トシ、又伊藤博文宛トス。記載ノ誤カ。而シテ創立願書ハ後日改訂ノタメ撤回シ、是年九月七日再ビ上申ス。同日ノ項参照。


旧鉄道組合書牒物件交付目録(DK070075k-0004)
第7巻 p.587 ページ画像

旧鉄道組合書牒物件交付目録    (株式会社第一銀行所蔵)
(鉄道組合残事務)
六月○明治十一年十一日 第十五銀行ヨリ返金ヲ促ス
七月廿日 鉄道既納金御還付願書上申○一日第十五銀行ヘ利息ヲ払フ
八月十九日 鉄道旧資六十四万二千円御下付○第十五銀行ヘ元金二十一万四千円並ニ利息トモ償却


鉄道組合残事務書類(DK070075k-0005)
第7巻 p.587-588 ページ画像

鉄道組合残事務書類        (株式会社第一銀行所蔵)
輪札啓稟本年六月廿日御連名《(七)》ニ而大蔵卿閣下ヘ御懇請相成候旧御組合年賦金御下付之儀、爾来屡御催促申上居候ニ付、未タ御指令文ハ御渡し不相成候得共、願旨御採用被成該金六十四万二千円昨日証票御下付ニ而本日出納局より金円御交付相成申候、右ニ付兼而御打合申上置候手続ニ従ヒ左之通夫々処理仕候
一該金六十四万二千円之内起業公債呼高五拾万円買入ニ取計且一時ニ入金致シ候事
一昨年七月中第十五銀行より御要借相成候二十壱万四千円之本金及ヒ右利息本年七月一日より昨日迄之分千七百五十八円九十銭共本日御償却取計申候事
一右二項ニ払出候残金ハ第一銀行ヘ当座預ケニ取計置候事
一既納金ニ於而大蔵省ニ対シ本年七月より昨日迄之利息五千二百七十六円七十一銭二厘御追付相成候為メ右願書今日差出置申候事
右之段取計置候間左様御承知可被下候、先ツ玆之地位ニ相運ヒ候段者御同慶之事ニ奉存候、且前条御追付利息モ近日可相渡ニ付、是亦不取敢銀行ヘ前項ト併セテ相預ケ置可申ニ付此段兼而申上置候○下略
  明治十一年八月廿日           渋沢栄一
  尚々御参考之為メ別紙勘定書一枚相添申上候也

    旧鉄道資本御下金勘定書
一金六拾四万弐千円 大蔵省より御下渡候分
    内
 金三拾七万七千六百円 起業公債五拾万円買入代
   但し実価四拾万円之内来明治十二年六月迄之利足弐万弐千四百円引
 金弐拾壱万四千円 第十五銀行ヨリ借用之分返金
 金千七百五拾八円九十銭四り 同断利足五十日分年六歩之割
差引
 - 第7巻 p.588 -ページ画像 
 金四万八千六百四十一円〇九銭六り 第一銀行ヘ当座預


海上保険会社創立関係書類(DK070075k-0006)
第7巻 p.588-589 ページ画像

海上保険会社創立関係書類 (株式会社第一銀行所蔵)
(全文別筆)
以輪札啓申仕候、時下冷透之候各位閣下益御清康奉欣喜候、陳者兼而第一国立銀行ヘ御委頼相成居候旧鉄道残資金御処理之儀ニ付此程起業公債募集額減殺法相立候間夫是一併計算致候処、当七月来数次ニ同銀行ヘ御委頼之金数ハ合計六万三千二百七十二円八十二銭一厘(別紙概算書ニ詳ナリ)ニ相成居此御処理方者、其内五万円ヲ同銀行ヘ定期預ケ壱万三千二百七十三円八拾二銭一厘ヲ当座預ケニ取計置、他日此当座之項ヲ以テ保険会社創立之諸入費ニ御使用相成候ハヽ可然ト存候、又起業公債減殺之儀ハ頃来諸新聞紙ニ而公告仕候通リ之割合ニ付御同盟御引受之分者別紙勘定書之通リ差引二十五万五千二百十八円九十六銭之割戻しニ相成申候、然ルニ此金額者保険会社資本之大基ニ付更ニ之ヲ以テ金禄公債証書収買相成可然候、就而者右収買者一時ニ取計兼要スルニ時価之高低ヲ見計数次ニ収買可致事ニ付、其間第一銀行ヘ預ケ置其毎時之貯存額ニ対し年六分之利息ヲ収メ候積ヲ以テ右買収者当年内ニ悉皆相調ヘ其節元利決算為致可申と存候、且此預ケ金之項ハ全ク当座之種類ニ而無利息之筈ニ候得共、特議之上如此取計候間左様御領知可被下候
右之通御処理方取計可申候間御異議モ御座候ハヽ、此輪札ニ御附箋ヲ以テ、無御隔意御申述可被下候、別紙計算書二件相添ヘ申上候、輪札早々御順達周尾より御還付可被下候也
  明治十一年九月廿八日 渋沢栄一
    概算書
 金九千三百五十六円〇壱銭三厘 明治十一年決算ノ残
 金四万八千六百四拾壱円〇九銭六厘 同八月既納金還附ニ付計算ノ残
 金五千弐百七拾六円七十一銭弐厘 同九月迄ノ利足
  合計六万三千弐百七拾三円八十弐銭壱厘
      内
   金五万円 第一国立銀行ヘ定期預期限六ケ月利足年七銭弐厘ノ約束
 差引残
  金壱万三千弐百七拾三円八拾弐銭壱厘 当坐預

      起業公債減却高勘定書
引受元高
 一額面五拾万円
   此実額四拾万円
  此賦当高拾六万三千七百円 但百円ニ付三十弐円七十三銭七リ七リ《(マヽ)》宛
   此実額拾三万〇九百六拾円
  差引割戻し高
   額面三拾三万六千三百円
   此実額二十六万九千四十円
  右に対スル九月分ノ利足
   金千三百四拾五円二十銭
 - 第7巻 p.589 -ページ画像 
  二タ口〆二十七万〇三百八十五円二十銭
     内割戻し高ニ対スル請戻し利足
   金壱万五千〇六十六円廿四銭
  差引残
   金二十五万五千三百拾八円九十六銭
右者起業公債割戻し金前書ノ通リ御渡可申候也
                    第一国立銀行
  華族廿五名惣代
    渋沢栄一殿
   ○起業公債ハ明治一一年四月三〇日太政官布告第七号同年五月一日大蔵省布達甲第十三号起業公債証書発行条例ヲ以テ発表募集ゼラレタル六分利付内国公債ニシテ、第一国立銀行並ニ三井銀行之カ取扱ヲ命ゼラレタリ。而シテソノ募集額千二百五十万円ハ発行価格(額面百円ニ付八拾円)払込方法(三回分割払)等ノ好条件ノタメ意外ナル応募者激増ニヨリ同年八月三一日締切ニハ約倍額ノ応募超過トナリ、千円以上ノ応募ニハ減額賦当スルニ至レリ。上掲勘定書ノ公債減却高ハ之ヲ示スモノナリ。(明治財政史第八巻第四五二―四六九頁参照)


旧鉄道組合資本集合金決算報告(DK070075k-0007)
第7巻 p.589-592 ページ画像

旧鉄道組合資本集合金決算報告
    旧鉄道組合資本集合金決算報告
明治十一年十月七日資金現在高(明治十二年六月廿七日集会ニ於テ報告之通リ)
  金五万円                  定期預
  金壱万三千弐百七拾三円八拾弐銭壱厘     当座預
  金弐拾五万五千三百拾八円九拾六銭      約定預
     但起業公債五拾万円引受ノ内割戻シノ分
  金千弐百七円拾弐銭            旧鉄道組合月費仕払残金
  金拾三万〇九百六拾円           起業公債拾六万三千七百円ノ見積代価百円ニ付八拾円ノ割
  合計金四拾五万〇七百五拾九円九拾銭壱厘
      ○
明治十二年十一月三十日資金現在高
  金三拾八万〇三百八拾四円〇壱銭六厘  諸預ケ金及利足
  金八万六千弐百八拾円         起業公債拾万七千八百五拾円ノ見積リ代価百円ニ付八拾円ノ割
  合計金四拾六万六千六百六拾四円〇壱銭六厘
右ノ計算ハ次ニ掲載スル所ノ第一国立銀行ヨリ差出シタル勘定書ニヨリテ調査シタルモノニシテ、此計算ニヨレハ前回ノ有高ヨリ増加シタルコト金壱万五千九百〇四円拾壱銭五厘ニシテ、之ニ利益金中ヨリ仕払ヒタル諸入費ノ合計金弐千六百弐拾八円拾五銭弐厘ヲ算入スルトキハ、金壱万八千五百三拾弐円弐拾六銭七厘ヲ増加シタルモノトス、然リ而シテ今玆ニ十一月三十日ノ現在高金四拾六万六千六百六拾四円〇壱銭六厘ヲ各位当初ノ出金額ニ応シテ平等ニ分配スルトキハ、別紙一覧表第三桁ノ如キ計算ヲ得ルト雖トモ、此内ヨリ第四桁ニ記載シタル保険会社株高ノ入金ヲ扣除スルトキハ各位ノ領収セラルヘキ金額ハ同表第五桁ニ掲載シタル如ク、総計金拾万四千五百六拾四円〇壱銭六厘
 - 第7巻 p.590 -ページ画像 
ナリ、然ルニ此金額中尚起業公債拾万七千八百五拾円ノ見積リ代価金八万六千弐百八拾円ヲ含有スルニ付、正味ノ通貨ハ僅ニ壱万八千弐百八拾四円〇壱銭六厘ニ過キス、故ニ此過剰割賦金ハ別表内訳ニ記載シタル割合ニヨリ起業公債証書ト通貨トヲ以テ領収セラルヘキモノトスベシ、然リト雖トモ各位若シ此公債ヲ所有スルコトヲ望マサレハ、第一国立銀行ニ托シテ之ヲ売却セシムヘシ、同行ニ於テハ当初引受ケタルトキノ価格ニ関ラス目今ノ相場ヲ以テ之ヲ売却スルニ付其売上代金ハ必ス表面上ノ金額ヨリ幾分ヲ減少スルニ至ルヘシ、右ノ通リ報告致シ候也
                旧鉄道組合惣理代人
  明治十二年十二月            渋沢栄一
第一国立銀行ヨリ差出シタル勘定書第一号
    ○御預リ金差引勘定書
明治十一年十月七日
  金五万円                定期預
同 同
  金壱万三千弐百七拾三円八拾弐銭壱厘   当座預
同 同
  金弐拾五万五千三百拾八円九拾六銭    約定預
     此約定預リ金ハ起業公債五拾万円御引受ノ内割戻シト相成候ニ付金禄公債証書買入ノ為メ年六歩ノ利付ニテ御預ケ相成候分
同十二年七月
  金四万四千四百三拾円六拾銭五厘 約定預
     是ハ起業公債五万五千八百五拾円ノ売払代金前同断
  金千弐百〇七円拾弐銭 約定預
     是ハ旧鉄道組合月費定額弐百円ノ遣払残金保険会社ヨリ戻シ入ニ付約定預リヘ入金トス
      内
 八月三十日
   金千百三拾九円五拾八銭七厘 入
 十二月十日
   金六拾七円五拾三銭三厘 入
同八月三十日
  金四千三百円 約定額
     是ハ十二年一月以後保険会社創業入費当座預リ口ヨリ立替貸ノ分同社ヨリ戻入ニ付約定預リヘ入金トス
同八月三十日
  金百壱円弐拾六銭七厘 約定額
     是ハ保険会社家屋代三千三百円之立替金利足同社ヲリ戻シ入ニ付約定預リヘ入金トス
同四月七日
  金千八百円 当座預
     是ハ定期預五万円半季分ノ利足当座預ヘ入金トス
同十一月三十日
  金壱万五千弐百拾八円五拾九銭五厘
 - 第7巻 p.591 -ページ画像 
     是ハ定期及約定預リ金ニ対スル十一月三十日迄ノ利足
同十二月一日
  金三千弐百三拾五円五拾銭
     是ハ起業公債拾万七千八百五拾円ニ対スル本年下半季分ノ利足
  入方合計金三拾八万八千八百八拾五円八拾六銭八厘
      外ニ
    金拾五万弐千四百七拾五円   金禄公債拾九万円保険会社ヘ売渡シ代第一回株高入金ト差引分
二口
 〆金五拾四万千三百六拾円八拾六銭八厘
    ○内仕払高
十二年五月以後
  金拾五万四千〇四拾八円七拾銭    金禄公債拾九万円買入代価約定預ヨリ仕払
同一月以後
  金四千三百円            保険会社創業入費立替当座預ヨリ仕払
同九月二十日
  金千百六拾五円           清水渡約定預ヨリ仕払
同 同 同
  金三百七円             精養軒渡約定預ヨリ仕払
同十月十四日
  金弐拾壱円〇八銭七厘        右同断約定預ヨリ仕払
同 同 二十一日
  金千円               高島嘉右衛門渡右同断
同十二月十日
  金百三拾五円〇六銭五厘       精養軒渡右同断
  仕払合計金拾六万九百七拾六円八拾五銭弐厘
   差引残高
    金三拾八万三百八拾四円〇壱銭六厘
      外ニ
    金八万六千弐百八拾円      起業公債拾万七千八百五拾円見積リ代価
二口
 〆金四拾六万六千六百六拾四円壱銭六厘
     内
七月三十一日
  金拾八万千五拾円          保険会社第一回株高入金
      内訳
   金拾五万弐千四百七拾五円     金禄公債拾九万円売渡代金ト差引
   金壱万〇七百七拾三円八拾弐銭壱厘 当座預ヨリ仕払
   金壱万七千八百壱円拾七銭九厘   約定預ヨリ仕払
九月三十日
  金九万〇五百弐拾五円        保険会社第二回株高入金約定預ヨリ仕払
十一月廿九日
  企九万〇五百弐拾五円《(マヽ)》   保険会社第三回株高入金約定預ヨリ仕払
   小計
    〆金三拾六万弐千百円也
 - 第7巻 p.592 -ページ画像 
  差引残高
   金拾万四千五百六拾四円〇壱銭六厘
    内訳
   金壱万八千弐百八拾四円〇壱銭六厘 通貨ニテ預
    金八万六千弐百八拾円      起業公債拾万七千八百五拾円ノ見積リ代価
   〆如高
右之通御座候也
 明治十二年十二月           第一国立銀行
        旧鉄道組合
             御中


旧鉄道組合資本集合金決算報告(DK070075k-0008)
第7巻 p.592-593 ページ画像

旧鉄道組合資本集合金決算報告
第一国立銀行ヨリ差出シタル勘定書第二号
    ○御預リ金利足勘定書
 一金千八百円             定期預リ金五万円十一年十月七日ヨリ十二年四月六日マテ年七歩弐厘ノ利足
 一金千八百円             右同断十二年四月七日ヨリ十月六日迄ノ利足
 一金四百五拾弐円〇五銭五厘      右同断十月七日ヨリ十一月三十日迄五十五日分約定預年六分ノ利足
   小計 金四千五拾弐円〇五銭五厘
 一金壱万七千六百弐拾七円五拾銭壱厘  約定預金弐拾五万五千三百拾八円九拾六銭ニ対スル十一年十月七日ヨリ十二年十一月三十日迄年六歩ノ利足
 一金千弐百円六拾四銭六厘       起業公債五万五千八百五拾円売払代金ニ対スル利足年六歩ノ利足(第一号明細書ノ通リ)
 一金拾七円四拾弐銭弐厘        月費遣払残金千百三拾九円五拾八銭七厘十二年八月三十日ヨリ十一月三十日マテ九十三日分年六歩ノ利足
 一金六拾五円七拾三銭七厘       保険会社創業入費立替ノ分金四千三百円ニ対スル八月三十日ヨリ十一月三十日迄九十三日分年六歩ノ利足
 一金壱円五拾四銭八厘         保険会社ヨリ入金ノ利足金百壱円弐拾六銭七厘ニ対スル前同断ノ利足
   小計
    金壱万八千九百拾弐円八拾五銭四厘
   二口
    合計金弐万弐千九百六拾四円九拾銭九厘
右ノ内約定預仕払高ニ対スル戻リ利足
 一金四千五百三拾九円拾三銭壱厘    金禄公債拾九万円買入代価金拾五万四千〇四拾八円七拾銭ニ対スル利足年六歩ノ割(第二号明細書ノ通リ)
 一金七拾円五拾五銭六厘        右買入証拠金一時立替ノ利足
 一金三百五拾九円九拾弐銭五厘     保険会社株高第一回入金ノ内当座預ヨリ払出シタル不足分金壱万七千八百壱円拾七銭九厘ニ対スル七月三十一日ヨリ十一月三十日迄日数百廿三日分年六歩ノ利足
 一金拾三円七拾八銭八厘        清水渡金千百六拾五円ニ対スル九月二十日ヨリ十一月三十日迄日数七十二日分年六歩ノ利足
 一金三円六拾三銭四厘         精養軒渡金三百七円ニ対スル前同断ノ利足
 一金九百弐拾弐円六拾壱銭壱厘     保険会社株高第二回入金九万五百弐拾五円ニ対スル九月三十日ヨリ十一月三十日迄日数六十二日分年六歩ノ利足
 - 第7巻 p.593 -ページ画像 
 一金拾六銭七厘            精養軒渡金弐拾壱円〇八銭七厘ニ対スル十月十四日ヨリ十一月三十日迄日数四十八日分年六歩ノ利足
 一金六円七拾四銭           高島嘉右衛門渡金千円ニ対スル十月廿一日ヨリ十一月三十日迄日数四十一日分年六歩ノ利足
 一金弐拾九円七拾六銭弐厘       保険会社株高第三回入金九万五百弐拾五円ニ対スル十一月廿九日ヨリ三十日迄二日分年六歩ノ利足
    小計
     金五千九百四拾六円三拾壱銭四厘
    差引残
     金壱万七千〇拾八円五拾九銭五厘
      内
     定期預リノ利足金千八百円ハ十二年四月七日当座預ヘ入金
    残金壱万五千弐百拾八円五拾九銭五厘
                十一月三十日元高ヘ繰込
右之通リ御座候也
  明治十二年十二月           第一国立銀行
      旧鉄道組合
          御中


旧鉄道組合資本集合金決算報告(DK070075k-0009)
第7巻 p.593-594 ページ画像

旧鉄道組合資本集合金決算報告
    起業公債売払代利足調書
五月廿七日
一金三千弐百五拾三円三拾五銭     起業直物四千百円ノ代金
  此利金百円五拾四銭弐厘      五月廿七日ヨリ十一月卅日マテ日数百八十八日分
五月廿九日
一金三百九拾六円七拾五銭       起業直物五百円ノ代金
  此利金拾弐円拾三銭壱厘      五月廿九日ヨリ十一月卅日マテ日数百八十六日分
六月一日
一金壱万三千百四拾六円三拾五銭五厘  同五月限壱万六千五百五拾円売渡代金
  此利金三百九拾五円四拾七銭壱厘  六月一日ヨリ十一月三十日マテ日数百八十三日分
六月五日
一金五百五拾五円四拾五銭       同直物七百円売渡代金
  此利金拾六円三拾四銭四厘     六月五日ヨリ十一月三十日マテ日数百七十九日分
七月一日
一金弐万六千弐百七拾四円七拾五銭   起業六月限三万三千円売渡代金
  此利金六百六拾円八拾弐銭八厘   七月一日ヨリ十一月三十日マテ日数百五十三日分
八月七日
一金八百三円九拾五銭         同直物千円売渡代金
  此利金拾五円三拾三銭       八月七日ヨリ十一月三十日マテ日数百十六日分
 合計金四万四千四百三拾円六拾銭五厘
  此利金千弐百円六拾四銭六厘
右之通御座候也
  明治十六年十一月三十日      第一国立銀行
 - 第7巻 p.594 -ページ画像 
    旧鉄道組合
        御中


旧鉄道組合資本集合金決算報告(DK070075k-0010)
第7巻 p.594 ページ画像

旧鉄道組合資本集合金決算報告
    金禄公債証書買入代利足調書
五月限買附
一金禄公債証書拾六万円也        但口銭共平均金八拾壱円三銭弐厘替
  此代金拾弐万九千六百五拾壱円五拾銭
   利金三千九百弐拾壱円五拾壱銭四厘 五月三十一日ヨリ十一月卅日迄日数百八十四日分年六歩ノ割
六月限買附
一金禄公債証書三万円也         但口銭共平均金八拾壱円三拾弐銭四厘替
  此代金弐万四千三百九拾七円弐拾銭
   利金六百拾七円六拾壱銭七厘    六月三十日ヨリ十一月卅日迄日数百五十四日分年六歩ノ割
合計金禄拾九万円也
 代金拾五万四千四拾八円七拾銭
  利金四千五百三拾九円拾三銭壱厘
右之通御座候也
  明治十二年十一月三十日 第一国立銀行
    旧鉄道組合
        御中