デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

明治35年5月4日（1902年）

当造船所浦賀分工場ヲ浦賀船渠株式会社ニ売却シ、資本金百五十万円ヲ六十万円ニ減資ス。因リテ重役一同其責ヲ負ヒテ辞任ス。然レドモ栄一ハ再ビ選バレテ取締役会長トナル。

株式会社東京石川島造船所報告　第一五回　明治三五年七月
　　営業報告
○上略
明治三十五年五月四日、東京市麹町区有楽町東京商業会議所ニ於テ株主臨時総会ヲ開キ、左記事項ヲ決議シ
　　　　第一号議案ニ属スル分
　一浦賀分工場ノ全資産ヲ浦賀船渠株式会社ニ売却スルコト
　一前項売買代価ノ内金九拾万円ハ該会社ノ株式ヲ以テシ、残余ハ現金ヲ以テ取得スルコト
　一当会社ノ資本金百五拾万円ノ内九拾万円ヲ減シ、資本金ヲ六拾万円ニ改ムルコト
　一資本減額金九拾万円ハ浦賀船渠株式会社ノ株式ニ換ヘ消却スルコト
　一取締役ノ適宜行フ借入金額七拾万円ハ之ヲ金弐拾五万円ニ減スルコト
　一未払込株金ハ決議当日ヨリ参拾日以内ニ払込ムコト
　一前項決議ノ結果トシテ定款ヲ改正スルコト
次テ取締役監査役総員辞任ニ付、更ニ取締役ヲ参名監査役ヲ弐名トシ改選ヲ行ヒ、左ノ通リ上任シ
　　　　　　　　　　　　　　　取締役会長　渋沢栄一
　　　　　　　　　　　　　　　専務取締役　平沢道次
 - 第11巻 p.653 -ページ画像 
　　　　　　　　　　　　　　　取締役　　　益田克徳
　　　　　　　　　　　　　　　監査役　　　西園寺公成
　　　　　　　　　　　　　　　監査役　　　田中永昌
且取締役監査役ノ報酬額ヲ一ケ年金四千五百円以内ニ決定セリ
　　　　以上二項第二号議案ニ属スル分
但第一号第二号ノ諸項ヲ可決スルモ、浦賀船渠株式会社ニ於テ若シ本議ニ関スル事項ヲ否決シタルトキハ、随テ本決議ノ効力ヲ生セサル事トス
然ルニ同日ニ於ケル浦賀船渠株式会社ノ株主総会ニ於テモ、同様本議ニ関スル事項ヲ可決セルヲ以テ、玆ニ本決議ハ確定ニ及ヒタリ
○中略
五月四日株主臨時総会ノ決議ニ基キ、左ノ条件ヲ以テ浦賀分工場ノ全資産ヲ浦賀船渠株式会社ニ売却セルニヨリ
　一売買代金ハ三十四年十二月三十一日調製ノ財産総目録記載ノ浦賀分工場資産全部、及本社所在ノ機械中分工場ニ属スヘキモノヲ併セ、金百万円トス
　一売買代金ノ内金九拾万円ハ買方ニ於テ発行スル増資株式一万八千株（一株金五拾円払込済）ヲ以テシ、残金ハ現金ヲ以テ売方ニ支払フコト
　一本契約ノ物件ハ帳簿ニ照合シ、来ル三十五年五月二十日迄ニ受渡ヲナスコト
　　　○外六件略ス。
同月十五日ヲ以テ分工場ノ作業ヲ停止シ、職工役夫等ヲ解放シ、随テ技術者事務員モ亦事務ノ都合ニ依リ漸次解雇シ、全ク分工場ヲ廃止シタルハ同月三十日ナリ、先是十八日ヲ以テ売買者双方立会物件ノ調査ヲ為シ、着々引渡ヲ行ヒ、種々ナル故障ニ遭遇シ、当事者間ノ交渉容易ナラサリシ為メニ多少遷延ヲ来シタルモ、六月十三日ヲ以テ全ク工場家屋機械器具船舶ヨリ土地船渠船台ニ至ルマテ総テノ固定資本ノ引渡ヲ了シタリ○下略

渋沢栄一日記　明治三五年
四月一日　晴
○上略　午後一時渡辺治右衛門氏ト石川島造船所ノコトヲ内議ス
四月七日　雨
午前九時朝飧ヲ畢ル、十時兜町事務所ニ抵リ、石川島造船所ト浦賀船渠会社ト合併ノコトニ関シ重役ノ内会議ヲ開ク、西園寺ヲ除クノ外一同列席ス、協議ノ後余ノ原案ニ同意セラレ、更ニ梅浦・平沢両氏ニ其手続取調方ヲ托ス○下略
四月十二日　晴
午前八時朝飧ヲ畢リ八時半兜町事務所ニ抵ル、梅浦・平沢二氏来リ分工場合併ニ関スル計算ノコトヲ談ス○下略
四月十六日　晴
午前八時朝飧塊ヲ畢リ、九時兜町事務所ニ抵リ○中略梅浦精一・渡辺治右衛門氏来リ石川島造船所ノコトヲ談ス○下略
 - 第11巻 p.654 -ページ画像 
四月十九日　陰
午前八時朝飧ヲ畢リ九時前兜町事務所ニ抵ル、石川島造船所重役会ヲ開キ浦賀船渠会社合併ノコトヲ談ス○下略
四月廿日　晴
午前七時朝飧ヲ畢ル、八時平沢道次来ル、石川島造船所ノコトヲ談ス○下略
五月二日　曇
午前七時朝飧ヲ畢ル、平沢氏来リ石川島造船所ノコトヲ談ス○下略
五月四日　曇
○上略午後一時東京商業会議所ニ於テ石川島造船所株主臨時総会ニ出席ス、浦賀船渠会社ト合併ノコトヲ決議ス
五月八日　雨
午前八時石川島造船所ニ抵リ、旅行ニ付留守中ノ心得方ニ関スル事ヲ社員一同ニ訓誡ス○下略
　　　○本資料第十二巻所収「浦賀船渠株式会社」ノ項（第五頁）参照。

渋沢栄一書翰　平沢道次宛（明治三五年）七月二九日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（平沢越郎氏所蔵）
其後ハ御疎音申上候得共、益御清適御勤務被成下候事と奉存候、拙生無事、米国漫遊ハ六月中ニ相済七月十日英国着、引続き倫敦滞在いたし候、明日ハ一寸スコツトラントへ立越、八月七日頃帰倫、御儀式ハ九日之由ニ付、相済候後ニ大陸地方旅行いたし、九月下旬ニハ帰国之途ニ就き可申、もし米国廻りと相成候ハヽ十月末ニハ横浜着致度、印度海ニて支那ニ廻り候様相成候ハヽ十一月中と予定仕候、御承知可被下候
石川島造船所之事ニ付而ハ出立之際色々と御心配多く、昼夜御寸暇も無之、其為ニ出立之際ニも拝眉出来兼残念千万ニ御坐候、爾来別ニ来報ニも接せす、新聞紙も順次一覧と申訳ニも無之ニ付如何相成候哉相分り兼心配罷在候、乍併特ニ電報等無之ハ先ハ落付候事歟と稍安心仕候、定而容易ならさる御苦配と察上候、何卒本年末ニハ帰国御相談相手ニ相成可申ニ付御辛抱可被下候、七月之総会ニも株主中種々之小言申出候義と存候、是も来年一月ニハ何と工夫いたし将来之見込も相立候様致度ものニ御坐候
浦賀之方ハ如何相成候哉、是以帰国之上一心配必要と存候、右者爾後之御模様相分り兼候儘一書御伺申上候、何卒尚四五ケ月御担任之程願上候　匆々不一
　　七月廿九日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　倫敦ニ於て
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　渋沢栄一
　　　　平沢道次様

渋沢栄一書翰　平沢道次宛（明治三七年）一〇月二日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（平沢越郎氏所蔵）
　　尚々小生も風邪気稍快方ニ付、明日頃ハ事務所へ罷出可申と存候間、其節ハ一寸申上候様可仕候也
 - 第11巻 p.655 -ページ画像 
貴翰拝読其後益御清適御鞅掌被成候由抃賀之至ニ候、小生も追々快方ニハ候得共、何分大患後之事とて身体ニ抵抗力乏しく動もすれハ寒冒等之事有之困却罷在候、此程も四日間程出勤せしに昨日より少々風邪気ニて褥中ニて執筆仕候都合ニ御坐候、併さしたる事ニハ無之ニ付御省念可被下候
会社営業上及金繰等ニ付而ハ引続き容易ならさる御心配之由御察申上候、御遣之別紙ハ拝見之上八十島ニ申付少々御説明相伺候筈ニ候、可然御説示被下度候
金繰ニ付而ハ御尤千万ニて詰る処、常々無理之経営ニ相成候間引受工事相増候程融通ニ困難致候様相成候間、何とか将来之都合相付候義専一と存候、小生も快方出勤いたし候ハヽ篤と御熟議申上度と存候、併差向候処ハ精々第一銀行へ事情陳述し依頼候外無之歟と存候、尚出勤候ハヽ早々申上委細ハ拝眉ニ相尽し可申候　匆々拝具
　　十月二日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　渋沢栄一
　　　　平沢道次様
　　　　　　　　拝復

渋沢栄一書翰　平沢道次宛（年未詳）三月四日（平沢越郎氏所蔵）
華翰拝読益御清適御坐可被成奉賀候、然者石川島造船所営業之近況不相替好都合ニて一月分之利益も壱万七千円ニ上り、且明治生命保険会社及帝国商業銀行等之借入金も悉皆返済相成候云々来示拝承仕候、爾来容易ならさる御丹精ニて社運隆昌ニ向ひ候ハ実ニ喜悦之至と別而感謝之事ニ御坐候、幸ニ例之外資談ニても行届候ハヽ一段安心之場合ニも可相成、且此上一二季之決算模様ニよりてハ増資之事も出来可申哉と奉存候間、此上とも御精励之程奉願候
右不取敢拝答如此御坐候　敬具
　　三月四日　　　　　　　　　　　　　　　　渋沢栄一
　　　　平沢道次様
　　　　　　　　拝答

東京石川島造船所
三十五年（五十八期）間概記　自明治二十二年十月至大正十二年十一月末日
　　　　　　（営業報告書摘録）〔未定稿〕
○上略
　　○明治三十五年上半期
一月三十日台湾協会ニ於テ第十四回定時総会ヲ開キ、前期ノ営業報告並諸計算ヲ承認シ利益金ノ処分ヲ議決シ、次テ監査役三名ノ満期改選ヲ行フ（前任者重任）
五月四日東京商業会議所ニ於テ臨時総会ヲ開キ、左ノ事項ヲ議決ス
　一、浦賀分工場ヲ浦賀船渠株式会社ニ売却スルコト
　　右代金ノ内九拾万円ハ該会社株式ヲ以テ受領シ、残余ハ現金ヲ以テ受取ルコト
　二、本会社資本総額百五拾万円ヲ六拾万円ニ減資スルコト
 - 第11巻 p.656 -ページ画像 
　三、減少シタル資本金ハ浦賀船渠株式会社株式ニ引換ヘ消却スルコト
　四、右ニ関聯スル定款条項改正ノ件
　五、取締役ノ適宜借入得ヘキ金額七拾万円ヲ二拾五万円ニ減スルコト
　六、未払込株金ハ決議当日ヨリ三十日以内ニ払込ムコト
　七、取締役及監査役全員辞任ニ付、取締役ヲ三名監査役ヲ二名トナシ選挙ノ件（渋沢栄一・平沢道次・益田克徳ヲ取締役ニ、西園寺公成・田中永昌ヲ監査役ニ選任ス）
　八、重役報酬年額ヲ四千五百円以内トスルコト
　九、以上ノ決議ハ、浦賀船渠株式会社ニ於テ本会社浦賀分工場買収ノ件可決セサルトキハ、孰レモ其ノ効力ヲ生セサルコト
然ルニ同日浦賀船渠株式会社ノ株主総会ニ於テ、右浦賀分工場買収ノ件ヲ可決シタルニ依リ、本決議ハ玆ニ確定シ実行セラルヽコトヽナル株主総会ノ決議ニ基キ浦賀分工場全資産ヲ浦賀船渠株式会社ニ売却スルニ付、両会社間ニ左ノ条件ヲ契約ス
　一、売買代金ハ、明治三十四年十二月三十一日現在財産目録記載ノ浦賀分工場資産全部、及本社ノ機械中分工場ニ属スヘキモノヲ併セテ金壱百万円トス
　二、明治三十五年一月一日以降新設ノ固定資本諸材料倉庫品ノ売買代金ハ受渡当日ノ価格ニ依ルコト、但時価ニ照シ不相当ト認ムルモノハ双方協定ノコト
　三、営業工事ニ属スル未成品ハ、受渡当日ノ実費高ニ依リ買方ニ於テ承ケ継クコト
　四、浦賀分工場ト他トノ間ニ現存スル権利義務ハ、買方ニ於テ承継スルコト
　五、売買代金ノ内九拾万円ハ買方ニ於テ発行スル新株式壱万八千株（金五拾円払込済）ヲ以テ仕払ヒ、残金ハ現金ヲ以テ仕払フコト
　六、本契約ノ物品ハ帳簿ニ照合シ明治三十五年五月二十日マテニ受渡ヲナスコト
　七、代金仕払時期ハ固定資本ニ対スル分ハ引渡以後五日以内、又倉庫品未成品ニ対スル分ハ引渡以後十五日以内トス
　八、本契約ニ関シ売買者間ニ異議ヲ生シタルトキハ、合意ヲ以テ選定シタル評定人三名ノ評決ニ一任スルコト
依テ五月十四日ヲ以テ分工場ノ作業ヲ停止シ、職工役夫ヲ解雇シ、事務取纏出来ルニ従ヒ事務員技術員ヲ解雇シ、同月三十一日ヲ以テ分工場ヲ閉鎖シ支店ヲ廃止ス
土地船渠船台工場建物機械等総テノ固定資本ノ引渡ハ六月十三日、材料倉庫品ノ引渡ハ同月二十六日ヲ以テ夫々終了ス
京橋区新船松町十番地ニ本会社仮事務所ヲ置キ、庶務会計営業ニ属スル事務ヲ取扱フ
　　○同年下半期
七月二十九日日本橋区坂本町東京銀行集会所ニ於テ第十五回定時総会ヲ開キ、前期ノ営業報告並諸計算ノ承認及損失金ノ処分ヲ議決ス、当
 - 第11巻 p.657 -ページ画像 
日平沢専務取締役ハ浦賀分工場引渡顛末ヲ報告ス
十二月二十八日前同所ニ於テ臨時総会ヲ開キ、左ノ事項ヲ議決ス
　一、資本総額六拾万円ヲ参拾六万円ニ減少スルコト
　二、減資ノ方法ハ株式数ヲ変更セスシテ一株ノ金額ヲ参拾円ニ変更スルコト
　三、削減シタル資本金弐拾四万円ハ損失金ノ補塡ニ充ツルコト
　四、右ノ補塡ヲ為シ猶ホ残存スル損失金ハ別途積立金ヲ以テ之ヲ補塡スルコト
　五、資本減少ニ伴フ定款中改正ノ件
右総会ノ決議ニ基キ、本期末ニ於ケル総損失金弐拾四万千八百参円五拾六銭参厘ノ内弐拾四万円ハ減資額ヲ以テ補塡シ、残千八百余円ハ別途積立金ノ内ヨリ之ヲ補塡ス
　　○明治三十六年上半期
一月二十八日東京銀行集会所ニ於テ第十六回定時総会ヲ開キ、前期ノ営業報告並諸計算ノ承認及利益金ノ処分ヲ議決ス
四月六日取締役益田克徳病死ス、取締役法定ノ員数ヲ欠クニヨリ監査役西園寺公成一時取締役ノ職務ヲ摂行ス
五月三日京橋区築地三丁目同気倶楽部ニ於テ臨時総会ヲ開キ、定款中改正ノ件ヲ議決シ、次テ取締役一名ノ補欠選挙及監査役二名ノ満期改選ヲ行フ（取締役ニ五代竜作ヲ、監査役ニ大野利右衛門・佐藤秀顕ヲ選任ス）鉄道用橋桁製作工場ヲ新設ス、其ノ敷地トシテ隣接セル三井銀行所有ノ土地ヲ借入ル、之レ本会社カ三井所有ノ土地借入レノ最初トス
　　○同三十六年下半期
七月二十四日同気倶楽部ニ於テ第十七回定時総会ヲ開キ、前期ノ営業報告並諸計算ノ承認及利益金ノ処分ヲ議決ス
　　○明治三十七年上半期
一月二十七日同気倶楽部ニ於テ第十八回定時総会ヲ開キ、前期ノ営業報告並諸計算ノ承認及利益金ノ処分ヲ議決シ、続テ臨時総会ヲ開キ、監査役二名辞任ニ付、補欠選挙ヲ行フ（前任者ヲ再選ス）
本期間（月日不詳）第一製缶工場附属建物一部焼失ス
本会社所有小蒸汽船朝日丸ハ陸軍ノ借上トナリ、汽船佐渡丸ニ搭載戦地ニ回送中、六月十五日沖ノ島附近ニ於テ露国軍艦襲撃ヲ受ケ朝日丸モ亦尠カラサル損害ヲ被ル
　　○同年下半期
七月二十五日同気倶楽部ニ於テ第十九回定時総会ヲ開キ、前期ノ営業報告並諸計算ノ承認及利益金ノ処分ヲ議決シ、続テ臨時総会ヲ開キ、五代取締役辞任ニ付、補決選挙ヲ行フ（内田徳郎ヲ選任ス）
弾丸工場備付ノ機械器具一式ヲ陸軍省ニ売上ケ、該工場ハ陸軍ノ借上トナリ之ニ要スル原動力ノ供給等ヲ請負フ、運貸船二艘《（貨）》モ亦陸軍ノ借上トナル
工場内ニ初テ水道ヲ引用ス
　　○明治三十八年上半期
一月二十七日同気倶楽部ニ於テ第二十回定時総会ヲ開キ、前期ノ営業
 - 第11巻 p.658 -ページ画像 
報告並諸計算ノ承認及利益金ノ処分ヲ議決シ、続テ臨時総会ヲ開キ、取締役一名増員ノ件ハ之ヲ否決シ、監査役二名ノ満期改選ヲ行フ（臼井儀兵衛・青木庄太郎ヲ選任ス）
五月三日同気倶楽部ニ於テ臨時総会ヲ開キ、取締役二名満期改選ヲ行フ（前任者重任）
　　○同年下半期
七月二十五日同気倶楽部ニ於テ第二十一回定時総会ヲ開キ、前期ノ営業報告並諸計算ノ承認及利益金ノ処分ヲ議決シ、次テ出席株主中ヨリ会社整理ノ功労ヲ賞スルノ件提議アリ、渋沢取締役会長・平沢専務取締役及内田取締役ニ対シ金壱千円乃至壱千五百円ノ範囲内ニ於テ適宜金品ヲ贈呈スルコトヲ議決ス
　　○明治三十九年上半期
一月二十七日同気倶楽部ニ於テ第二十二回定時総会ヲ開キ、前期ノ営業報告並諸計算ノ承認及利益金ノ処分ヲ議決シ、続テ臨時総会ヲ開キ監査役二名ノ満期改選ヲ行フ（前任者重任）
三月十三日同気倶楽部ニ於テ臨時総会ヲ開キ、年賦償還ノ方法ヲ以テ参拾万円借入ノ件議決ス
　　○同年下半期
七月二十七日同気倶楽部ニ於テ第二十三回定時総会ヲ開キ、前期ノ営業報告並諸計算ノ承認及利益金ノ処分ヲ議決シ、続テ臨時総会ヲ開キ左ノ事項ヲ議決ス
　一、資本金参拾六万円ニ拾五万円ヲ増資シ、資本総額ヲ五拾壱万円トスルコト
　二、一株ノ金額ハ参拾円トシ、八月末日現在株主ハ旧株十二株ニ付五株ノ割合ヲ以テ新株ノ引受ケヲ為スコトヲ得ルコト
　三、新株ハ株金全額ヲ一時ニ払込ムコト
　四、資本増加ニ伴フ定款中改正ノ件
○下略