デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

明治7年8月4日（1874年）

栄一、抄紙会社横浜分社陽其二ニ蚕種規則書弐千部ノ印刷ヲ註文ス。

（陽其二）書翰　　渋沢栄一宛（明治七年）八月四日　（渋沢子爵家所蔵）
蚕種規則書弐千部御注文いさゐ承知仕候、内五百部ハ六日夕方迄ニ、残り千五百部ハ七日迄ニ成丈皆納出来候様尽力可仕候、加福之説ニ東京活版屋ニおゐて右日限通り出来不申云々旁以職方之者へ為励置申候昼夜となく精々骨折候様取計可申候、右千五百部之方ハ殊ニ寄一両日延引歟も難計候へ共、是ハ手限り之見込ニ御座候間御含迄ニ申上置候其代価積書別紙差出置申候、勿論実際之上直引可仕義も可有御座、尤
 - 第14巻 p.508 -ページ画像 
直増之義ハ更ニ無御座候、大凡見込積ニ付是又御含置奉願候、此後大仕事沢山引受拡伸候様企望罷在候義ニ付、其含を以諸職へ申聞置申候猶乍此上宜く奉願候右迄貴覆　草々頓首

渋沢殿　其二
緘　第八月四日　（・五〇×・二〇）

　　○陽其二ハ長崎ノ人、本木昌造ニツイテ活版技術ヲ習得ス。明治四年神奈川県令井関盛艮横浜ニ日刊新聞創刊ノ意アリ。本木、陽ヲ推薦シテ之ニ当ラシム。明治四年十二月十二日創刊ノ「横浜毎日新聞」ハ本邦日刊新聞ノ嚆矢ナリトイフ。陽横浜ニ活版印刷業ヲ興シ京諦社ト称ス。明治七年王子製紙会社ニ譲渡シ、製紙分社ト改ム。（平凡社版「新撰人名辞典」ニヨル）