デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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渋沢栄一　書翰　萩原源太郎宛　（明治未詳年）九月一一日　　　（萩原英一氏所蔵）
○上略
又海関之取調ニ付而ハ別ニ小生ハ掛官ヘ引合ハ不致候得共、是も本月頃ヨリ毎月明瞭ニ取調相成月々之模様相分リ候様仕度と存候、夫是御高配可被下候、右書中申上候　匆々
　　九月十一日　　　　　　　　　　　　　　　渋沢栄一
　　　　萩原源太郎様

渋沢栄一　書翰　　大隈重信宛　（明治未詳年）九月二七日　（大隈侯爵家所蔵）
奉読過日御内示之書類即今拝見中ニ付、可成丈取急き建白之運ニ可仕候得共、益田義者寸間伊豆ヘ罷越来ル廿九日ニ帰京之筈、小生も昨日より風邪ニて平臥罷在候ニ付、何れ尚四五日御猶予相願候、尤右之次第ハ外務卿閣下ヘも小生より申上候様可仕候得共、宜御聴了可被下候
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　匆々奉復
　　九月廿七日　　　　　　　　　　　　　　　　渋沢栄一
　　　　大蔵卿閣下

渋沢栄一　書翰　　大隈重信宛　（明治未詳年）九月二九日　（大隈侯爵家所蔵）
奉稟、一昨日不取敢奉答仕候条約改正ニ付御取調相成候書類之義篤と拝見仕候ニ付、今日ハ参上聊愚案申上尚可奉伺　高旨と存候処、風邪気何分快方不仕、今日ハ殊ニ熱気強く平臥罷在候ニ付、何共遅緩ニ渉リ恐入候得共暫時御宥恕被下度候、尤も益田も今夕ハ必帰京之筈ニ付もし小生明日も快方仕兼候ハヽ益田と打合同人参上可仕候、此段更ニ申上度　匆々頓首
　　九月廿九日　　　　　　　　　　　　　　　　渋沢栄一
　　　　大蔵卿閣下

（益田孝）書翰　　渋沢栄一宛　（明治未詳年）一一月六日　（渋沢子爵家所蔵）
○上略
海関税之義ニ付栗野氏ヘ相談仕候処、大臣ヘ経伺内々之御集合ニ候ヘは可罷出候ヘ共、税之割合等は大蔵省関税局石川有幸氏適任之人物ニ付、同人を御招き相成候方可然との事ニ御坐候
大体此法を製定スルは何之役ニも立サル理由ハ栗野氏頻リニ申述ヘ候
右は尚老台より可然同人ヘ御通し可被下候
○下略
　　十一月初六　　　　　　　　　　　　　　　　　　孝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　再拝
　　　　渋沢老台
　　　　　　侍史