デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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（八十島親徳）　日録　明治三三年　（八十島親義氏所蔵）
三月十三日　晴
九時出勤午前浅の礦山部熊沢硫黄山（来月ヨリ人員派出起業）ノ件ニ付山主坪田佐平太ト浅の総一郎（十五万出金）トノ共同経営ニ対シ、更ニ渋沢ヨリ十五万円（内実ハ浅野・渋沢平分ノ約）貸付ノ契約予ノ草案ニ対シ更ニ修正案文ヲ拵ヘ在深川邸主人公ヲ伺候シタル上、更ニ帰路新堀ニ浅野総一郎氏ヲ訪ヒ、十二時半兜町ヘ帰ル○下略

（八十島親徳）　日録　明治三四年　（八十島親義氏所蔵）
 - 第15巻 p.469 -ページ画像 
十一月八日　晴
九時出勤ス、兼テ浅の鉱山部ヨリ日本鉄工会社ヘ注文ニ係ル精煉器械送出及完成遅延ニ対スル損害要求紛議事件ヲ、青淵先生ニ双方ヨリ依頼アリ、其下調ヲ予ニ命セラレタルニ依リ、今夜清水泰吉氏ト兜町ニ会シ、各点質疑（事実ノ）ヲナシ十時帰宅○下略
　　　○中略。
十二月十六日　晴
朝牛込穂積家ニ至リ博士ニ面会シ、青淵先生ノ命ニ依リ浅野（熊沢礦黄山《（硫）》）鉱山部対日本鉄工会社紛争仲裁事件ニ関シ、器械発送遅延ノ為八九月頃ノ雨季ニ係リ運搬費ニ巨額ヲ要シタリトテ損害ノ要求ハ通常生スヘキ損害ト認定シ得ヘキヤ否ヤヲ質問シタルニ否トノ答ナリキ、十一時頃迄話シ、夫ヨリ兜町ヘ出勤○下略

（八十島親徳）　日録　明治三五年　（八十島親義氏所蔵）
五月九日　晴
十一時頃出勤、夕浅野熊沢硫黄山前途ノ方針会議ノ為晩クナリ、八時半帰宅食事ス

（八十島親徳）　日録　明治三六年　（八十島親義氏所蔵）
七月廿五日　雨
九時出勤、男爵モ昼前ヨリ出勤アリ、熊山硫黄山跡仕末《（沢）》ノコトニ付、穂積博士浅の方白石氏ト交渉ノ結果ヲ齎シテ来談アリ、夕六時漸ク済ム○下略
　　　○中略。
十月十三日　雨
朝牛込穂積氏ニ至ル、浅の熊沢硫黄山後仕末ノ件等ニ付博士ヨリ青淵先生ヘ伝言ノ件等也○下略
　　　○中略。
十月卅日　雨
○上略
今夕五時ヨリ兜町ニテ同族会開会々員全員出席、浅の熊沢ノ件結末ノコトモ内議遂ニ終局ニ近ヅケリ○下略
　　　○中略。
十一月廿五日　曇寒シ
○上略
午後六時半穂積陳重博士近序迄来車《（所）》ノ序ヲ以テ来訪、浅野熊沢硫黄山趾処分ノ件ニ付相談アリ、一時間余ニシテ退帰セラル
　　　○中略。
十二月卅一日　晴
○上略
予ハ出勤後午前中ハ浅の鉱山部熊沢硫黄山損金結末ノ件ニ付テ穂積・阪谷両氏及若主人兜町ニテ会談ニ付列席○下略

（八十島親徳）　日録　明治三七年　（八十島親義氏所蔵）
 - 第15巻 p.470 -ページ画像 
一月九日　快晴
朝浅の鉱山部脱退ノ件結末ノコトニ関シ牛込穂積ニ至リ、博士ヨリ談示ヲ受ケ、十二時過兜町ニ出勤ス○下略
一月十一日　快晴　風アリ
九時出勤、熊沢硫黄山結末鉱山部脱退ノ件浅の・渋沢両家不折合ノ件ハ、穂積・白石二氏ノ居中斡旋ニ依リ稍大要ノ結末ニ近ツキシニ付、今朝予ト同部ノ佐々木保三郎ト兜町ニ会見計算ノ衝合ヲナシ、午後阪谷氏ヲ大蔵省ニ、牛込ニホツミ氏ヲ訪ヒ、計算ヲ示シ、且予ノ立案シタル脱退覚書ノ草案ニ同意ヲ得タリ、夫ヨリ浅の方トシテ清水氏ニ交付ス、愈其案文ニ先方同意ノ上ハ両三日中取引実行ノ手筈トセリ○下略
　　　○中略。
一月廿二日　晴　風アリ寒シ
○上略午後ニハ浅野鉱山部脱退契約書案ニ対スル浅の側修正説ニ付テ相談ノ為、阪谷氏ヲ大蔵省ニ、穂積氏ヲ牛込ニ訪ヒ、四時兜町ニ帰○下略