デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

明治42年6月6日（1909年）

是年栄一、古稀ニ渉ルヲ以テ第一銀行他少数ノ関
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係ヲ除キ、諸事業ヨリノ引退ヲ決意シ、是日当会社監査役ヲ辞ス。

竜門雑誌　第二五三号・第四七―四九頁　明治四二年六月
　　　　青淵先生の各種関係事業引退
我青淵先生○中略本月六日○中略同日附を以て左記の如き辞任書及書状を発送せられたり
　　　　辞任書
　拙者儀頽齢に及び事務節約致度と存候間、貴社「何何役」辞任仕候此段申上候也
　　明治四十二年六月六日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　渋沢栄一
　　　　書状
　拝啓時下向暑の候益々御清泰奉賀候、陳は小生儀追々老年に及ひ候に付ては関係事務を減省致度と存し、今回愈々第一銀行及東京貯蓄銀行を除くの外一切の職任を辞退致候事に取極候に付、別紙辞任書差出候間事情御了察の上可然御取計被下度候、尤も右様役名は相辞し候へ共向後とて従来の御交誼上、必要に臨み御相談に与り候事は敢て辞する処に無之候間其辺御承知置被下度候、此段申添候　敬具
　　明治四十二年六月六日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　渋沢栄一
辞任せられたる各種事業の名称及職任左の如し
○中略
　十勝開墾株式会社同上○監査役
○下略

青淵先生公私履歴台帳　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
　　　　民間略歴（明治二十五年以後）
明治三十年
○中略
一十勝開墾合資会社ヲ創立シ業務担当社員トナル
　　本会社ハ北海道十勝原野ニ殖民ヲナシ之ヲ開拓スルヲ以テ目的トスルモノニシテ発起人ノ依頼ニヨリテ創立ヲ賛助シ業務担当社員トナリ現ニ其職ニアリ
○中略　　　（朱書）
　　　　　　　監査役卅六、九、三〇改
一十勝開墾合資会社業務担当社員　四十二年六月六日辞任
○中略
　　以上明治三十三年五月十日調

渋沢栄一　日記　明治四二年　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
五月二十二日　晴　暖
○上略　午前十時兜町事務所ニ抵リ十勝開懇会社《（十勝開墾）》ノ社員会ニ出席ス○下略
　　○中略。
六月二日　曇　暑
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○上略　兜町事務所ニ抵リ十勝開墾会社ノコトニ関シ植村・小田諸氏ト会話シ後晩餐ヲ共ニス○下略
　　○中略。
六月十六日　曇　冷
○上略　午前十一時血洗島夫人来話ス、小田信樹氏来ル○下略

（八十島親徳）　日録　明治四二年　　　　　（八十島親義氏所蔵）
六月二日　晴
○上略
夕刻男爵及若主人ハ目下上京中ノ十勝開墾社小田信樹氏ニ、兜町ニテ晩餐ヲ被饗植村澄三郎氏モ同席予等陪席、食後燕林ノ講談ナドノ余興アリ