公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15
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明治38年5月（1905年）
是ヨリ先、明治三十七年日露戦役ニ際シ、韓国ニ於ケル第一銀行ノ出張所ハ日本金庫事務取扱ヲ委託セラレシガ、是月更ニ城津ニ派出所増置ノ儀ヲ達セラレ、同年十二月ニハ咸興ニモ派出所増置セラレタリ。
韓国ニ於ケル第一銀行 第一銀行編 第二七六―二八一頁 明治四一年八月刊（DK160033k-0001）
第16巻 p.265-267 ページ画像
韓国ニ於ケル第一銀行 第一銀行編 第二七六―二八一頁 明治四一年八月刊
第六章 日本中央金庫派出所事務取扱
○上略
次デ三十八年五月ニ至リ時局ノ必要上更ニ左ノ通派出所増置ノ義ヲ達セラレタリ
国第一〇六七号
今般大蔵大臣ヨリ来ル六月十日ヲ以テ在韓国中央金庫城津派出所設置可致旨別紙写ノ通被相達候ニ付、諸事可然御取運相成度、尚開始ノ上ハ其旨御報告有之度此段及御照会候也
明治三十八年五月三十一日 金庫出納役
日本銀行総裁 松尾臣善
株式会社第一銀行頭取
渋沢栄一殿
臨第二一九六号
金庫出納役
時局ニ対スル必要上、来ル六月十日ヲ以テ中央金庫常設派出所ヲ韓国城津ニ設置スベシ、但同派出所ニ於テハ軍用切符ヲ通貨トノ交換ハ取扱ハザル儀ト心得フベシ
明治三十八年五月二十九日
大蔵大臣 男爵 曾禰荒助
仍テ直ニ其準備ニ着手シ六月五日派出所員ヲ派遣シ、七月十四日其旨ヲ中央金庫ヘ届出デタリ
御届
城津中央金庫派出所ハ貴方五月三十一日附国第一〇六七号御通牒ニヨリ直ニ準備ニ着手シ、派出員ハ六月五日ヲ以テ任地ニ出発致候義ニ御座候、此段為念御届申上候
明治三十八年七月十四日
株式会社 第一銀行
中央金庫御中
斯クテ派出員ハ京城ヨリ釜山・元山等ヲ経由シテ同月十四日同地ニ到着シ、直ニ川上領事・矢田兵站司令官等ヲ訪問シ、兵站部ノ周旋ニテ
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狭隘ナル韓人ノ家屋ヲ借受ケ、即刻此処ニ出張所ヲ設置シ十五日ヨリ其業務ヲ開始セリ
明治三十八年十一月二十五日更ニ日本銀行ヨリ別紙ノ通リ韓国咸興ニ金庫派出所ヲ設置シ、事務取扱ノ件ニ付協議アリタリ
拝啓陳者陸軍省ニ於テ韓国駐屯軍隊ノ都合ヲ以テ咸興ニ金庫派出所設置致度旨申出候趣大蔵省ヨリ打合有之候、就テハ右派出所設置相成候モノトセバ、貴行ニ於テ事務取扱御引受相成御差支無之候哉否御協議申上度候、尤モ鎮南浦金庫派出所廃止相成候モ差支無之趣ニ御座候、右得貴意度如此御座候 敬具
日本銀行
久保田調査役
第一銀行
佐々木取締役殿
次デ十二月二日金庫出納役ヨリ左ノ通リ通牒アリタリ
国第二六二一号
来ル十二月十五日ヨリ中央金庫咸興派出所ヲ設置シ、同時ニ鎮南浦派出所閉鎖ノ旨別紙写ノ通大蔵大臣ヨリ達セラレ候ニ付、右開始ノ儀御取運相成度、尚右開廃ニ関シ左記ノ件々御承知相成度此段及御通牒候也
明治三十八年十二月二日 金庫出納役
日本銀行総裁 松尾臣善
株式会社第一銀行頭取
渋沢栄一殿
一、咸興派出所開始ノ上ハ其旨御報告有之度、尤モ已ムコトヲ得ザル事由ニ依リ実際開始遅延相成候ハヾ其事由併セテ申出相成度候
二、鎮南浦派出所閉鎖シ事務結了ノ上ハ其旨御報告相成度候
三、咸興派出所事務取扱方ハ別途御送付ノ在韓国及満洲中央金庫派出所事務順序、並ニ金庫法規纂要所載ノ保管物取扱規程、同出納事務規程其他ノ関係法規ニ拠リ御取扱相成度候
四、同上派出所主任者氏名ハ直ニ御報知相成度候
五、同上派出所印章・諸帳簿・用紙等ハ別途可及御送付候
六、鎮南浦派出所ノ印章・帳簿・書類及現金ニ関シテハ別紙同派出所ヘ通達写ノ通御承知相成度候
（別紙） 金庫出納役
来ル十二月十五日ヨリ韓国咸興ニ中央金庫派出所ヲ設置シ、歳出振替金雑部及保管事務取扱ヲ開始シ、同時ニ鎮南浦金庫派出所ヲ閉鎖スベシ
但已ムコトヲ得ザル事由ニ依リ右期日ニ開始シ能ハザルトキハ其事由ヲ具シ届出ツヘシ
明治三十八年十一月二十五日
大蔵大臣 男爵 曾禰荒助
右通牒ト相前後シテ日本銀行総裁ヨリ文第一〇一八号状ヲ以テ咸興派出所設置、鎮南浦派出所廃止ノ件ニ付追約書ヲ送付セラレタリ、仍テ
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当行ヨリハ受書ト共ニ左ノ届書ヲ同行ヘ提出セリ
御届
貴方文第一〇一八号御状ヲ以テ御委嘱相成候中央金庫咸興派出所開設ノ為メ、右代理事務取扱者ハ来ル五日ヲ以テ当地ヲ出発為致申候交通不便ノ地ニ付船便其他ノ都合ニテ或ハ御示達ノ十五日ニハ開設ノ運ビニ相成不申哉モ難計候得共、着ノ上ハ直チニ事務取扱開始可為致候右之段御届申上候也
株式会社第一銀行
明治三十八年十二月二日 頭取 渋沢栄一
日本銀行総裁
松尾臣善殿
斯クテ代理事務取扱者ハ同月十七日咸興ニ到着シ、第十三師団経理部（同地駐屯ノ）ノ周旋ニヨリ直ニ事務所ヲ設立シ、漸ク二十三日業務ヲ開始セリ
○下略