デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

明治34年10月9日（1901年）

是日栄一、当会社取締役会長トシテ、外務大臣小村寿太郎外七名ノ政府当局者ヲ華族会館ニ招宴シ工事ノ景況ヲ報告ス。

渋沢栄一　日記　明治三四年　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
十月三日　晴
午前京釜鉄道会社ニ抵リ竹内・尾崎・前島諸氏ト会議ス、蓋シ竹内氏昨日ヲ以テ一時韓国ヨリ帰京セシニ付、滞留中ノ景況ヲ聞知スル為メニ特ニ臨時重役会ヲ開キタルナリ○下略
十月四日　晴
○上略　五時尾崎・竹内・日下ノ三氏来ル、京釜鉄道会社事務将来ノ施設方針ニツキ審議ス○下略
　　○中略。
十月九日　雨
午後四時華族会館ニ抵リ、京釜鉄道会社ヨリ成立後ノ景況及将来施設ノ方針ニ関シ政府当局ノ人々ヲ招待シテ詳細ノ談話ヲ為スノ見込ヲ以テ夫々ヘ案内セシニヨリ、其来賓ニ接伴ス、小村・芳川・内海ノ三大
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臣、阪谷・浅田ノ両総務長官、松本・寺内・内田氏来会ス、会社ヨリ重役悉ク出席シテ、共ニ胸襟ヲ披キテ既往将来ヲ協議ス○下略

京釜鉄道株式会社創立事務所日誌　　明治三四年
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（竹内広氏所蔵）
十月九日　水曜日　午後晴
尾崎・竹内常務取締役、前島取締役出社、甲種弐枚、乙種弐枚株券ニ会長印ヲ捺ス
尾崎・竹内両常務取締役帰朝ニ付、工事ノ現状ヲ報告スル為メ会長の名前ヲ以テ本日午後四時左の人々ヲ華族会館ニ招待ス
　桂内閣総理大臣　　　　　　　小村外務大臣殿
　芳川逓信大臣　　　　　　　　曾根大蔵大臣
　寺内参謀次長　　　　　　　　中村総務長官
　内田特命全権公使　　　　　　浅田逓信総務長官
　坂谷大蔵総務長官《（阪谷）》　松本鉄道作業局長
　犬塚鉄道局長　　　　　　　　内海内務大臣
　児玉陸軍大臣　　　　　　　　山県侯爵
　松方伯爵
右方々の中、桂・中村・犬塚・児玉・山県・松方閣下ハ不参ノ御状アリ、其他本社重役中ニハ出張又事故ノ為不参者アリテ会長、竹内・尾崎両常務、前島・大倉・宮田取締役、小野監査役出席セラレ、総テ来会者拾六名ナリ、庶務課長一森彦楠・同書記福田祐二斡旋ス、午後六時食卓ニ就キ九時散会ス