デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

明治29年3月9日（1896年）

是ヨリ先当会議所、第四回商業会議所聯合会ノ決議ニ係ル信越鉄道運賃低減ノ件ニ就キ調査中ナリシガ、是日ノ会議ニ於テ、特ニ建議スルノ要ナキ旨ヲ議決ス。栄一会頭トシテ之ニ与ル。

第五回東京商業会議所事務報告　　第六八頁　明治二九年四月刊
 - 第21巻 p.10 -ページ画像 
一信越鉄道運賃低減ノ儀調査ノ件
　本件ハ富山商業会議所ヨリ第四回商業会議所聯合会ニ提案シ同会ノ可決ヲ経タルモノニ係リ、其要旨ハ、官線中信越鉄道運賃過当ニ付之ヲ低減センコトヲ其筋ヘ建議スベシト云フニ在リ、依テ之ヲ明治二十八年十月十四日第四十八回ノ臨時会議ニ附シタルニ、官線鉄道賃金引下ノ件調査委員ニ調査ヲ附託スルコトニ決シ、其後委員ニ於テ調査中ニ付追テ其報告ヲ得タル上会議ニ附スル見込ナリ

第六回東京商業会議所事務報告　　第三五頁　明治三〇年四月刊
一信越鉄道運賃低減ノ義調査ノ件
　本件ハ前回ニ報告シタル如ク第四回商業会議所聯合会ノ可決ヲ経タルモノニ係リ、委員ニ於テ調査中ノ処、其後委員ハ左ノ如ク意見ヲ報告シタルニ付、之ヲ明治二十九年三月九日第五十回ノ臨時会議ニ附シ其可決ヲ得タリ
　　　　信越鉄道運賃低減ノ件調査報告
　　第四十八回臨時会議ニ於テ附託セラレタル官線鉄道中信越線運賃低減ノ件、其後篤ト遂調査候処、提議者カ信越線ニ於ケル実際ノ運賃ヲ東海道官線ト同一ノ程度ニ為スヘシト云フノ趣旨ハ本委員ノ同意スル所ナリト雖トモ、右ハ畢竟同鉄道ノ設備未タ整ハサルカ為メニシテ、現ニ当局者ハ鋭意其設備ノ完整ヲ謀リツツアリト云ヘハ、提議者ノ希望ヲ達スルノ日モ応ニ遠キニアラサルベシト信ス、故ニ今日特ニ本件ニ就テ其筋ヘ建議スルノ必要ナシト相決シ候間、此段及御報告候也
　　　明治二十九年二月十二日
　　　　　　　　　　　　　官線鉄道運賃引下ノ件調査委員長
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　奥三郎兵衛
　　　　東京商業会議所会頭　渋沢栄一殿
　　　○本資料第二十巻所収「東京商業会議所」明治二十八年六月二十七日ノ条、並ニ第二十二巻所収「商業会議所聯合会」明治二十八年九月二十九日ノ条参照。