デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

明治31年12月23日（1898年）

是ヨリ先当会議所、第五回商業会議所聯合会ノ決議ニ係ル、海外ニ於ケル我商工業者及ビ漁業者ノ生命財産保護ノ儀ニ就キ調査中ナリシガ、是日ノ会議ニ於テ、目下ノトコロ保護ノ必要ナキ旨ヲ議決ス。栄一会頭トシテ之ニ与ル。

第六回東京商業会議所事務報告　　第四〇頁　明治三〇年四月刊
一海外ニ於ケル我商工業者及漁業者ノ生命財産ヲ保護スルノ義調査ノ件
　本件ハ第五回商業会議所聯合会ノ可決ヲ経タルモノニ係リ、其要旨ハ、近時朝鮮及南洋「トラツク」島ノ状況ニ徴スルニ、特ニ海外ニ於ケル我商工業者及漁業者ノ生命財産ヲ保護スルノ必要アルニ付、之ヲ政府ニ建議スヘシト云フニ在リ、依テ之ヲ明治二十九年六月三日第五十三回ノ臨時会議ニ附シタルニ、委員七名ヲ設ケテ之ニ其調査ヲ附託スルコトニ決シ、議長ハ左ノ諸君ヲ委員ニ指名セリ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　朝吹英二君
　　　　　　　　　　　　　（委員長）　渡辺洪基君
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　佐藤虎清君
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　岩谷松平君
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　松下覚之丞君
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　村上太三郎君
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　中沢彦吉君
　其後委員ニ於テ調査中ニ付、追テ報告ヲ得タル上更ニ会議ニ附スル見込ナリ

第八回東京商業会議所事務報告　　第三三―三四頁　明治三二年四月刊
一海外ニ於ケル我商工業者及ビ漁業者ノ生命財産ヲ保護スルノ義調査ノ件
　本件ハ前回ニ報告シタル如ク委員ニ於テ調査中ナリシ処、左ノ如ク意見ヲ報告シタルニ付、之ヲ明治三十一年十二月二十三日第七十七回ノ臨時会議ニ附シ其可決ヲ得タリ
 - 第21巻 p.372 -ページ画像 
　　嘗テ全会ノ決議ニ依リ附託セラレタル海外ニ於ケル我商工業者及漁業者ノ生命財産ヲ保護スルノ件ハ其後委員ニ於テ調査中ノ処、右ハ目下ノ現況ニ於テ必要無之問題ト信スルニ付、之カ調査ヲ休止候方可然ト決定致候、此段及御報告候也
　　　明治三十一年十月五日
　　　　　海外ニ於ケル我商工業者及ヒ漁業者ノ生命財産ヲ保護スル件　調査委員長　渡辺洪基
　　　　東京商業会議所会頭　渋沢栄一殿
　　　○本巻明治二十九年四月二十五日ノ条参照。