デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

明治33年5月23日（1900年）

是日第九回定期会閉会サル。栄一会長トシテ一場ノ挨拶ヲ述ブ。

明治三十三年五月開設
第九回商業会議所聯合会議事速記録　　第二四二―二四三頁　刊
 - 第22巻 p.696 -ページ画像 
明治三十三年五月二十三日午前十時四十五分開議
　　出席委員　　　　　三十一名　○氏名略
○上略
○三十二番（大坂、佐伯勢一郎君）　今度ハ通常聯合会トシテ当地ニ先日来御開会ニナリマシテ、即チ御当地ノ男爵渋沢栄一君並ニ井上君ガ本会ノ会長・副会長ト云フ事ニナラレマシテ、色々御論モ多イ会ニモ拘ラス十分ニ御整理下スツテ、相当ノ結果ヲ得マシタノハ誠ニ難有ウ存ジマス、依ツテ私ヨリ一同ニ代リマシテ御礼ヲ申上ゲマス
○会長（東京、渋沢栄一君）　コレデ議案ハ悉ク議了仕リマシタ、就中重要問題タル国家経済ノ方針ニ関スル件モ御議定ニナリマシテゴザイマス、開会以来一週間ニ近イ時日ヲ以テ結了シタルハ偏ニ皆サマガ公ノ為メ御尽力ニナリシニ依ル事ト深ク満足致ス所デアリマス、私ハ此席ニ於テ甚ダ失礼ヲ致シマシタ、又甚タ議事ノ整理不行届デゴザリマシタカラ諸君ハ御目ダルク感ジラレタデアラウ、併ナガラ兎ニ角御互ニ思想ガ十分貫徹致シテ爰ニ決了ヲ告ゲマシタ、只最終ノ決議トシテ御選ビニナツタ委員即チ東京商業会議所モ其一員ニ加ハリマスルト尚ホ又重キヲ担フテ居ル心地ガ致シマス、コレハ七会議所尚ホ申合セテ此会議ヲシテドウゾ効ノアルヤウニ致シマスノハ之ハ諸君モ御望ミノ事デ、七会議所共ニ十分尽サンケレバナラヌ所ト考ヘマス、先ツ今日爰デ終局ヲ告ゲマシタ事ハ誠ニ御同様大慶ニ存ジマス、農商務大臣ガ出ラレテ一言御挨拶ガナイノハ開会地ノ商業会議所トシテ甚ダ不働キ千万、少シ面目ヲ欠キマスヤウデハゴザイマスガ、其事情ハ此頃陳述致シタ通リデアリマスカラ、其辺ノ御不満ハ又委員諸君カラソレソレ御話ヲ下サイマシタナラバ、遂ニハ満足ヲ期スルヤウニナルカモ知レマセヌ、併セテ申シ訳ヲ致シ置キマス
　　于時午後二時四十分閉会
　　　○委員トシテ七会議所選任ニ就イテハ次条参照。