デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

明治40年4月8日（1907年）

是日、当学院創立二十五年記念祝賀会並ニ新講堂献堂式挙行セラレ、式後当学院校友会ノ主催ニカカル祝賀晩餐会開催セラル。栄一来賓トシテ之ニ臨ミ、席上一場ノ祝辞ヲ述ブ。

渋沢栄一　日記　　明治四〇年　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
四月八日　晴　軽寒　　　　　　　　　　　　　起床七時三十分　就蓐十二時
○上略　六時青山学院ニ抵リ、万国青年大会諸氏ト共ニ学院ノ催シタル晩餐会ニ出席ス、食卓上一言ノ謝詞ヲ述ヘ、宴畢テ夜十一時帰宿ス

竜門雑誌　　第二二七号・第四一頁　明治四〇年四月
○青山学院創立第二十五年紀念祝賀会　青山学院にては、四月八日午後四時万国学生基督教青年大会参列各国代表者、其他朝野の名士を招待して、講堂献堂式及創立第二十五年紀念式を執行せしが、当日先生には招待に応じて該式に出席せられ、一場の演説を為されたり

東京経済雑誌　　第五五巻第一三八三号・第六四三頁　明治四〇年四月一三日
　　　　○青山学院紀念会
本邦基督教主義学校中、京都同志社を除きて今日最も有数なるは青山学院・明治学院等を推すべし、就中青山学院は創立以来玆に二十五年
 - 第27巻 p.234 -ページ画像 
の星霜を閲し、其間養成せし子弟は孰れも社会に相当の地位を占め、最も善良なる風化を与へつゝあるは余輩の悦ぶ所なり、現総理は老紳
士本多庸一氏にして、高等部・中学部・女子部共に年々盛大に赴けり去八日は同校創立第二十五年紀念祝賀会を兼ね同講堂の献堂式を行ひたるが、最初に本多院長は開会の辞を述べ、小方理事は同校の沿革を報告し、ハリス博士の歓迎の辞に次ぎて、同校講堂建設に巨額の寄附を為したるガーチヤー博士、同校前身の創立者たる縁故と久しく教授の任に当られたる元良文学博士の答辞、牧野文相（代）の祝辞あり、次で大隈伯は早稲田大学総長として希望を兼ねたる祝辞演説を為し、後晩餐の饗応あり、席上渋沢男・後藤男・シムプソン博士外数氏の卓上演説ありたり、当日は万国青年大会参列者を始め内外紳士淑女の来会ありて、頗る盛会、一同同校の盛栄を祝して十時過散会したり

青山学院五十年史　同編纂委員会編　　第一五頁　昭和七年一一月刊
　○第一編　学院史及び学部史　青山学院史
　　　　五
○上略
　明治四十年一月九日、私立青山学院財団の第一回理事会は招集せられ、規定に基く役員の選任を了しその組織を完成した。この年四月前年十月起工の新講堂が竣成した。この建築は煉瓦造二階建、建坪二百八坪、総坪三百十三坪を有し、一千二百名を収容することが出来た。始め特定の名称を欠いてゐたが翌四十一年七月弘道館と命名された。弘道館落成の年は、青山に於ける創業の第二十五年に相当したので、四月八日新講堂献堂式の当日、創立二十五年記念祝賀会を開催し、内外朝野の名士・校友及び当時来朝中の万国基督教青年会大会出席者等を招待した。祝賀会に於ては大隈重信伯等の祝辞あり、校友会主催の賀筵に於ては、渋沢栄一男・後藤新平男・加藤高明氏等の卓上演説あり、わが学院未曾有の盛観を呈した。　○下略

青山学院五十年史　同編纂委員会編　　第三七八頁　昭和七年一一月刊
　○第四編　校友会、其他の校友団体　青山学院校友会史
　　　　二
○上略
　明治四十年四月八日、大講堂献堂式及び青山学院創立二十五年記念祝賀会あり、式後新ガウチヤー・ホールの中庭に於て、校友会主催の賀筵を開いた。来会者渋沢栄一男・後藤新平男・加藤高明氏等邦人来賓三十三名、ガウチヤー博士、エヂンバラ大学教授サー・アレキサンダー・シムプソン博士、加奈陀メソヂスト教会サザランド博士、仏国ポータリス伯等万国基督教青年会大会出席者、及びその夫人十四箇国五十二名、各派宣教師三十六名・其他米国人十名・青山学院校友四十七名、合計一百七十八名に及び、席上渋沢、シムプソン、後藤、サザランド、ポータリス、加藤諸氏の卓上演説あり、学院未曾有の盛況を呈した。
○下略