デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

2部 社会公共事業

5章 学術及ビ其他ノ文化事業
2節 演芸及ビ美術
2款 東京改良演芸会友楽館
■綱文

第27巻 p.399-402(DK270112k) ページ画像

明治23年10月(1890年)

先ニ設立セル東京改良演芸会友楽館ハ其後営業不振ニシテ収支償ハズ。是日、小島信民、栄一ニ書ヲ送リ、従来ノ貸席営業ヲ廃シテ寄席営業トナスベキ旨ヲ述ブ。


■資料

(小島信民) 書翰 渋沢栄一宛 (明治二三年)一〇月二八日(DK270112k-0001)
第27巻 p.399-402 ページ画像

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冊子版の『渋沢栄一伝記資料』をご参照ください。

〔参考〕東京経済雑誌 第四九巻第一二二一号・第二七三―二七四頁 明治三七年二月一三日 ○改良寄席の設立(DK270112k-0002)
第27巻 p.402 ページ画像

東京経済雑誌  第四九巻第一二二一号・第二七三―二七四頁 明治三七年二月一三日
○改良寄席の設立 帝国教育会に於ては、今回同会内に通俗講談部、即ち改良寄席を設立したり、今其の設立趣意書を聞くに左の如し
 近年社会改良の声は、大分諸方に聞へる様に成りました、然しこれも声ばかりで、その実行を敢てしないでは何の役にも立たぬではありませんか
 玆に無学の早学問と聞へた、芝居若くは寄席と云ふものゝ、社会教育に少なからぬ影響を及ぼすのは、何人も之を認むる処でありますが、然し現今寄席の如きは動もすると風教に害をこそなせ、之を裨益するなどの事は、所詮思ひもよらぬ処であります
 且つ現今の寄席は、余りに鄙俗に、余りに疎雑なるが為めに、苟も多少の識見ある中流以上の男女には、潔く足を入れ難き感があるので、此等の人々に対しても、然るべき娯楽場を供給すべき必要は、已に迫りて居ると思ふのです、本会が此度通俗講談の会合を起したのは、全く此等の欠点を補ふ為めなので、一面寄席改良の資に供すると同時に、進んでは社会改良の一方便ともしたいと云ふ、是れが趣旨の大要であります
斯くて同部にては世話役として、岡・巌谷・高崎・杉山・上原・芳賀下田・元良・大島の諸氏を挙げ、尚委員としては徳川伯・岡部子夫人柳沢伯夫人・神田男・大島義信・金山尚志、山脇・鳩山・山根・棚橋下田・渋沢諸夫人、其他の人々数十名を推薦したり、其の趣旨や賛すべく、其成功や期すべき者なり、唯其の一時にして立消となることなきを望むのみ、社会改良の一助とならば、設立の功空しからずと云ふべし