デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

明治41年3月25日（1908年）

是日栄一、自治協会例会ニ出席シ、演説ス。

渋沢栄一　日記　　明治四一年　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
三月二十五日　曇　軽寒
○上略　午後五時交詢社ニ抵リ自治協会ノ会同ニ出席ス、清浦・尾崎二氏来リ講話アリ、夜食後種々ノ談話ヲ為シ、夜十時帰宿ス

竜門雑誌　　第二三九号・第八二頁　明治四一年四月
○自治協会　自治協会にては三月廿五日午後五時より京橋区南鍋町交詢社に例会を開きしが、当日青淵先生は会衆の推選に依りて座長席に着かれ、席上尾崎東京市長及清浦子爵の演説あり、終て晩餐に移りしが、食卓上に於て青淵先生は一席の演説を為されたり
　　　○演説筆記ヲ欠ク。

時事新報　　第八七九一号　明治四一年三月二八日
　　　　自治協会例会
既報の如く二十五日午後五時より南鍋町交詢社に於て開会、長沢幹事の動議にて、渋沢男爵を座長に推し、尾崎市長は貴族院提出の都制案と衆議院提出の市制案は其根本は同一にして（一）何れも市長を内務省の直轄に移し（二）市参事会の権限を行政機関より決議機関に改むるに在り、唯其方法を異にせる為め市長官選民選等の問題を生ずるのみと説き、更らに市の自治問題に就て演説し、次で清浦子爵は欧洲の自治より支那の自治、更らに日本古代よりの自治制度に及び、今日の
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自治制を施行せられしより二十余年を経て、法の不完全と自治者其者の不心得等を挙げて趣味多き演説をなし、終りて食堂を開き、席上渋沢男の演説ありて談興湧き、更らに別室に入りて談論に時を移し、九時過ぎ散会したるが、出席者は前記の外、横井博士・野村法科大学教授、久保田・森・糸原の各貴族院議員、大橋新太郎・服部金太郎・星野鏡三郎・岡村鋭助等の実業家、其他三十余名にして頗る盛会なりき