デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

明治38年12月2日（1905年）

是ヨリ先栄一、東京府知事千家尊福・東京市長尾崎行雄等ト相謀リ東京凱旋軍歓迎会ヲ設立シ、是日ノ発起人会ニ於テ理事総代ニ選バル。次イデ同月十七日、上野公園ニ於テ第一回東京凱旋軍歓迎会ヲ開キシガ、栄一病気ノ為メ欠席ス。

東京凱旋軍歓迎会誌　同会編　　第一―一三頁　明治三九年一二月刊
　　　　本会ノ成立
　　　　　　発起及経過
明治三十七八年ノ戦役ハ、上叡聖文武ナル
大元帥陛下ノ御稜威ト、下忠勇義烈ナル将卒ノ恪勤トニ依リ、振古未曾有ノ大勝利ヲ獲テ玆ニ光輝アル終局ヲ告ケ、桓々タル百万ノ貔貅ハ振旅シテ将ニ凱ヲ闕下ニ奏セントス、殊ニ満洲軍ノ総司令官タル大山元帥ハ
勅命ニ依リテ其ノ高級幕僚ヲ卒ヰテ、先ツ凱旋セラルヽノ報ニ接シタリ、是ニ於テ我々
輦下ノ居民タルモノ、宜シク将ニ満腔ノ熱誠ヲ罄シテ、以テ此ノ名誉赫々タル凱旋軍ヲ迎ヘ、大ニ感謝ノ意ヲ表セサルヘカラス、是レ実ニ本会ノ成立セル所以ナリトス
初メ満洲軍凱旋ノ報アルヤ、都下ニ於ケル衆意期セスシテ之ヲ歓迎シテ、以テ感謝ノ意ヲ表スヘシトノ議ハ、有志者ノ間ニ嘖々トシテ唱道セラレ、中ニハ特ニ東京市会ヲ開ラキ歓迎ノ方法ヲ議定スヘシトノ意見ヲ有スル向モ少ナカラサリシカ、東京市参事会ノ意見ニテハ、此事タル寧ロ広ク東京全市ニ於ケル有志者ノ一致共同ノ事業ト為シ、東京市モ亦其有志者中ニ加入スルヲ以テ適当ト認メタルニ依リ、玆ニ東京市長尾崎行雄ハ男爵渋沢栄一ニ協議ヲ遂ケ、両人首唱者ト為テ先ツ実業界ニ於ケル重立タル人々ヲ会同シテ準備会ヲ開キ、大体ノ方針ヲ定メ、然ル後普ク之ヲ東京市内ノ重立タル人々ニ謀リシニ、孰レモ非常ナル熱心ヲ以テ賛成シ、直ニ発起人タルコトヲ承諾セラレタルヲ以テ玆ニ東京凱旋軍歓迎会ナル一ノ団体ヲ組織シ、相共ニ会員ノ募集、資金ノ醵出ニ尽力シ、前後三回最モ盛大ナル歓迎会ヲ開ラクヲ得タリ、其顛末ハ項ヲ分チ節ヲ逐テ左ニ之ヲ記述ス
　　　　　　準備会
明治卅八年十一月廿八日東京市役所内ニ於テ発起準備会ヲ開ク、来会者左ノ如シ
　　井上角五郎　　　　早川千吉郎　　　　尾崎行雄　　　大倉喜八郎
　　大橋新太郎　　　　渡辺勘十郎　　　　加藤正義　　　園田孝吉
子爵　曾我祐準　　　　相馬永胤　　　　　添田寿一　　　中野武営
 - 第28巻 p.489 -ページ画像 
　　江崎礼二　　　　　江間俊一　　　　　安田善次郎　　松尾臣善代　木村清四郎
　　松田秀雄　　　　　肥塚竜　　　　　　荘田平五郎　　男爵　渋沢栄一
　　中沢彦吉　　　　　男爵　千家尊福
当日先ツ渋沢男爵ヨリ歓迎ニ関スル希望ヲ述ヘタル後、協議ノ末、一ノ団体ヲ組織シテ陸軍ノ歓迎ヲ行フニ決シ、其方法ハ千家・渋沢両男爵、尾崎市長ニ於テ成案ヲ立テ、重ネテ協議スルコトニ決定シテ散会セリ、依テ千家・渋沢両男爵、尾崎市長ハ熟議ノ上、先ツ東京凱旋軍歓迎会規程ナルモノヲ起案シ、本会ノ発起人タルヘキモノヲ予選シ、来ル十二月二日ヲ以テ発起会ヲ開クベキニ付、来会セラレ度旨ノ通知状ヲ発セリ
　　　　　　発起人会
十二月二日本会発起人会ヲ東京市役所内ニ開ラク、此日発起人トシテ招待シタルモノ左ノ如シ
男爵　岩崎久弥　○外一一六名氏名略
当日渋沢男爵ハ陸軍ノ凱旋ヲ歓迎スル為メ、団体組織ニ関スル趣旨ヲ述ヘ、座長ノ選定ヲ謀リシニ、同男爵ノ指名ニ一任スル事ニ決シタルヲ以テ、同男爵ハ直ニ千家男爵ヲ指名セリ、於是千家男爵会長席ニ着キ、本会規程草案ヲ各自ニ配付シ協議セシニ、左ノ通リ議決ノ上散会セリ
○中略
　　　　　　規程及分掌事項
十二月二日ノ発起人会ニ於テ協議セル本会規程案ハ、同会ノ議決ニ従ヒ理事ニ於テ修正確定シタルモノ左ノ如シ
　　東京凱旋軍歓迎会規程
　第一条　本会ハ東京凱旋軍歓迎会ト称シ、事務所ヲ東京市役所内ニ置ク
　第二条　本会ハ凱旋軍人ヲ歓迎スルヲ以テ目的トス
　第三条　本会ノ目的ヲ賛成シ、金拾円以上出金スル者ハ之ヲ会員トス
　　団体トシテ入会スルモノハ、其代表者ヲ定ムルモノトス
　　会員ニハ会員章ヲ交付ス
　第四条　本会ニ左ノ役員ヲ置ク
　　　　一　理事　　　　　　若干人
　　　　二　評議員　　　　　若干人
　　　　三　委員　　　　　　若干人
　　　　四　幹事　　　　　　若干人
　　　　五　事務員　　　　　若干人
　第五条　理事及評議員ハ発起人総会ニ於テ選挙シ、其他ノ役員ハ理事会ノ決議ヲ経テ之ヲ嘱託ス、但必要ニ依リ有給事務員ヲ雇用スルコトアルヘシ
　第六条　理事ハ会務ヲ処理ス、但シ理事中其互選ニ依リ専務理事ヲ置キ、会務ヲ専行セシムルコトアルヘシ
　　委員ハ会務ヲ補助ス
　　幹事ハ理事ニ属シ、会務ヲ分掌シ、事務員ハ庶務ニ従事ス
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　第七条　歓迎ノ順序・方法及範囲等ハ、理事之ヲ定ム
　第八条　本会ノ経費ハ、会員ノ出金及有志者ノ寄付金其他ノ収入ヲ以テ之ニ充ツ
　第九条　本会ノ収支ハ、決算ノ上会員ニ報告スヘシ
　第十条　本会ハ其目的ヲ達シタル後直ニ解散ス
　第十一条　此規程ノ改正ヲ要スル場合ハ、評議員会ノ決議ニ依ル
○中略
　　　　　　職員
発起人会ノ議決ニ依リ、千家・渋沢両男爵、尾崎市長ニ於テ選定セル理事及其他ノ役員左ノ如シ
　　　○理事・評議員氏名略ス。
理事会ニ於テ協議ノ結果左ノ三氏ヲ理事総代ニ選挙シ、本会一切ノ事務ヲ委託セリ
　男爵　千家尊福　　男爵　渋沢栄一
　東京市長　尾崎行雄
○下略

東京凱旋軍歓迎会誌　同会編　　第四九―一二四頁　明治三九年一二月刊
　　　　第一回歓迎会
　　　　　　会場ノ確定
十二月九日ノ理事会ハ第一回歓迎ヲ本月十七日上野公園ニ於テ挙行スルコトニ決定シタルヲ以テ、先ツ帝室博物館ニ向テ左ノ公園地借用願書ヲ差出シ、許可ヲ得タリ
　来ル十七日上野公園ニ於テ東京凱旋軍歓迎会挙行致シ度候、就テハ不忍池畔・竹ノ台・天神山ノ一帯使用方御允許被成下度、別紙会場略図（略之）相添此段奉願上候也
　　明治三十八年十二月十二日　　　　　　　東京凱旋軍歓迎会
　　　　帝室博物館　御中
○中略
　　　　　　挙式
維時明治三十八年十二月十七日ヲ以テ、本会第一回歓迎会ヲ上野公園ニ於テ挙行ス、此日朔風蕭索黯雲瞑朦、寒雨面ヲ打チ冷気肌ヲ刺スニモ拘ハラス、閑院宮・久邇宮両殿下ヲ始メ奉リ、大山満洲軍総司令官ハ児玉・黒木ノ両大将、浅田中将以下ノ凱旋軍隊ヲ引率シテ、先ツ日比谷公園附近ニ集合シテ隊伍ヲ整ヘ、予定ノ如ク同公園ヨリ幸橋ヲ出テ新橋ニ至リ、北折シテ銀座街頭ヨリ万世橋ヲ過キ上野公園ニ到着シ一旦休憩ノ上来賓将校ハ尾崎理事ノ案内ニテ式場ニ入リ、軍隊ハ式場前ニ整列シ、一般公衆ハ其後方ニ参列セリ、次テ大山総司令官ハ式場ニ起立セラレ、尾崎理事其前ニ進ミテ左ノ歓迎文ヲ朗読シタリ
　本会ハ今玆ニ大山満洲軍総司令官閣下ヲ始トシテ、凱旋ノ将士各位ヲ歓迎スルニ方リテ、感激自カラ禁ス可カラサルモノアリ、夫レ各位ハ曠古ノ大敵ニ対シテ、馳駆千里、転戦二年、遂ニ北氛ヲ掃清シテ煕朝ノ景運ヲ開ラク、其大勲宏業古今ノ歴史ニ匹儔ヲ絶チ、其妙略善戦、胆気忍耐ハ中外ノ斉シク嘆美スル所ニシテ、区々筆舌ノ能
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ク尽クス可キニアラス、某等今眼前驕陽玄氷ト争ヒシ紀念ヲ印シタル諸君ノ風貌ヲ望見シテ、惨憺タル経営苦心ヲ追懐シ、満腹ノ敬意ヲ表シテ其労績ヲ感謝ス
　　明治三十八年十二月十七日
　　　　　　　　　　　　　　　東京凱旋軍歓迎会理事総代
　　　　　　　　　　　　　　　　　理事　　　　尾崎行雄
　　　　　　　　　　　　　　　　　理事　男爵　渋沢栄一
　　　　　　　　　　　　　　　　　理事　男爵　千家尊福
尋テ大山総司令官ハ左ノ答辞ヲ述ヘ、軍隊一同ニ代リテ歓迎ヲ謝セラレタリ
　我満洲軍ノ凱旋ニ際シ、東京凱旋軍歓迎会ハ特ニ盛大ナル歓迎ヲ挙行シ、以テ熱誠ナル款待ヲ尽サレタリ、是レ本職等ノ大ニ感謝スル所ナリ、玆ニ満洲軍ニ代リ満腔ノ謝意ヲ表ス
　　明治三十八年十二月十七日
　　　　　　　　　　　　満洲軍総司令官　侯爵　大山巌
於是千家理事ハ進テ壇ニ上リ
天皇陛下ノ万歳ヲ三唱シ、式場内外ノ全員之ニ和シ、次ニ同理事ノ発声ニテ歓迎者一同陸軍ノ万歳ヲ三唱シ、是ニテ式ヲ終リ、大山総司令官以下ノ来賓ハ園遊会場ニ入リ、続テ食堂ヲ開ラキ、主賓一同歓ヲ尽シ、和気靄々タル間ニ随意退散シタルハ正ニ午後四時
○下略

渋沢栄一　日記　　明治三八年　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
十一月二十五日　晴　風ナシ
○上略　十時過三菱会社ニ訪問シ、陸軍凱旋ノ歓迎ニ関シ談話ス、十一時東京市役所ニテ同シク歓迎ノ事ヲ談ス　○下略
　　　○中略。
十一月二十八日　晴　風ナシ
○上略　午前十時東京市役所ニ抵リ、市内有力ナル銀行会社ノ主任者ヲ会同シテ凱旋陸軍歓迎ノ事ヲ談ス　○下略
十一月二十九日　晴　風寒シ
○上略　十時東京市役所ニ抵リ陸軍歓迎ノ事ヲ協議ス　○下略
十一月三十日　晴　風寒シ
○上略　一時東京市役所ニ抵リ歓迎会ノ事ヲ協議ス　○下略
十二月一日　晴　風ナシ
○上略　午前十一時過陸軍省ニ石本次官ヲ訪ヒ、凱旋陸軍歓迎ノ事ヲ談ス　○下略
十二月二日　晴　風ナシ
○上略　午前十時東京市役所ニ抵リ、陸軍凱旋ノ歓迎ニ関シ種々ノ協議ヲ為シ、発企人ノ総会ヲ開ク　○下略
　　　○中略。
十二月四日　晴　風寒
○上略　午前十時東京市役所ニ抵リ、陸軍凱旋歓迎会ノ事ヲ談ス　○下略
　　　○中略。
 - 第28巻 p.492 -ページ画像 
十二月六日　雨　風寒
○上略　二時東京市役所ニ抵リ凱旋歓迎会ノ事ヲ談ス　○下略
十二月七日　雨　風寒
○上略　午前十時半新橋停車場ニ抵リ、大山総司令官・児玉総参謀長其他満州軍諸将校ノ凱旋ヲ迎フ、来衆堵ニ充テ頗ル壮観ナリ　○下略
十二月八日　半晴　軽暖
午前　○中略　東京市役所ニ抵リ凱旋軍歓迎会ノ事ヲ処理ス　○下略
十二月九日　晴　軽暖
○上略　十一時過大山侯爵邸ヲ訪ヒ　○中略　午後二時東京市役所ニ抵リ、歓迎会理事会ニ出席ス　○下略
　　　○中略。
十二月十三日　曇　風寒シ
○上略　十一時東京市役所ニ抵リ、歓迎会ノ事務ヲ処理ス　○下略
十二月十四日　晴　風ナシ
午前七時起床　○中略　直ニ褥中ニ於テ摂養ス、堀井医師来診ス
八十島親徳来ル、明日陸軍歓迎会ニ関スル理事諸氏ヲ市役所ニ会スル筈ニ付、其手続ヲ示シ、且市長其他ニ伝言シ遣ス
終日臥牀発汗シテ切ニ治療ニ勉ム
　　　○中略。
十二月十六日　曇　風ナシ
○上略
八十島親徳来リ、明日歓迎会ノ手続　○中略　ヲ談ス　○下略
十二月十七日　雨　寒シ
○上略
此日ハ凱旋陸軍大歓迎ヲ上野公園ニ開設スルニ付、頃日来主トシテ之ヲ担当シ来リシモ、病ノ為メ出席シ得サルニ付、千家・尾崎氏等ヘ電話ニテ其由ヲ通ス、朝来風降出《（雨）》セシモ軍人及市民共ニ群集シテ、歓迎会ハ都合能ク相済ミタル旨、夕方千家・尾崎其他ヨリ報告アリタリ
　　　○中略。
十二月二十五日　晴　軽暖
○上略　午前十時東京市役所ニ抵リ、凱旋軍歓迎会理事会ヲ開キ要件ヲ議決ス　○下略

渋沢栄一書翰　　尾崎行雄宛　（明治三八年）一一月二五日　　（福島誠嘉氏所蔵）
　　三白、案内致し候主人側は台下のみにても可然と存候、もし小生御連名之方便宜と御考に候はゝ、差支無之候に付、連名に御取計可被下候也
拝啓、過刻御打合申上候来る廿八日午前十時頃より東京市役所に於て会同相試度、人名は別紙之通にて可然歟と存候に付、名前書差上申候尚御心附も有之候はゝ御差加へ可被下候、尤も此会合は只凱旋之陸軍歓迎之件に付少々心附候義有之候間、一応御会同相願、御協議相試度云々と申趣意にいたし候はゝ、余り命令的にも不相成候に付、気受にも差障り申間敷と存候、尤も会同之節に何か原案無之ては不都合に付是迄市役所に於て御取調相成候もの数葉浄写被成置、一同へ相談之材
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料に致度と存候、是又御取計可被下候、右乍延引書中奉得芳意候
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　拝具
　　十一月廿五日　　　　　　　　　　　　　　渋沢栄一
　　　　尾崎行雄様
　　　　　　　　　　　　梧下
　尚々大島男爵会長之実業団と申ものも、或は打合候方歟と存候得共余り多人数之会同にて或は纏り方如何と存候に付、最初之会合には見合候方と存し相省き候義に御座候、為念此段も申上候也

（八十島親徳）　日録　　明治三八年　　　（八十島親義氏所蔵）
十二月十五日　曇　寒シ
早朝出勤、午前市役所内ノ凱旋軍歓迎会会議室ニ至リ、男爵病気不参ニ付テノ伝言ヲ申陳フ、些事ニモ群議百出、我々ノ目ニモ如何ニモ妙ニ映ス、而カモ実業界ノ歴々ノ御揃ヒナルニ　○下略
十二月十六日　晴
○上略　午後ハ飛鳥山ヘ拝訪、男爵床上ニハ在ラルヽモ熱モ無ク大ニ快方此分ナラバ明日ノ凱旋歓迎会ニモ出ラレソーダトノ話　○下略
十二月十七日　雨　日曜
本日ハ兼テ千家知事・尾崎市長及渋沢男爵ニヨリテ主唱発起セラレタル大規模ノ凱旋陸軍歓迎当日ナルニ、大山大将ニハ誠ニ天気ノ回リ合セ悪シク、昨夜マデ星ノキラキラセシ上天気モ、生憎ナル哉、今朝ハ雨トナリ、終日小ヤミモ無シ、去レド今更式ハ延引出来ズ、順序ハ総司令部及近衛師団各部隊日比谷公園ニ集合シ、同処ヨリ凱旋行列ヲ形作リ、新橋ニ出テ大通筋ヲ上野ニ行進、旧馬見所跡式場ニテ式辞ノ朗読式アリ、兵ハ夫ニテ退場、将校ハ園遊会ニ移ル次第ナルガ、渋沢男アリテコソマトマリシ此大計画ニ、男ハ風邪ノ為出席出来ズ、遺憾千万也

中外商業新報　　第七一九二号　明治三八年一二月五日
　　　　凱旋歓迎準備理事会
四日午前十時開会尾崎市長・大鳥・渋沢・大倉・早川・加藤・園田・添田・荘田・中野・安田・松田・松尾代理木村・肥塚の諸氏出席、陸軍よりは菊地中佐臨席し、種々協議の末、先日理事に一任されたる規程第三条の金額を十円と定め、一般有志の寄附に依ること、近衛・第一両師団の兵員を凡八回位に分ちて招待すること、会場は上野・日比谷の両所と定め、大なるときは上野に於て、小なるときは日比谷公園に開催すること等を決定して散会せり

中外商業新報　　第七一九九号　明治三八年一二月一三日
　　　　陸軍歓迎寄附金
陸軍歓迎会の寄附金中、大口申込の分は既に記載せるが、尚其後確定せるもあり、当初来申込の重なるものを挙ぐれば左の如し
　東京市　　　五〇、〇〇〇　　　三井家　　　二〇、〇〇〇
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　岩崎家　　　二〇、〇〇〇　　　日本銀行　　二〇、〇〇〇
　正金銀行　　一五、〇〇〇　　　郵船会社　　一五、〇〇〇
　日本鉄道　　一五、〇〇〇　　　第一銀行　　一〇、〇〇〇
　十五銀行　　一〇、〇〇〇　　　興業銀行　　　五、〇〇〇
　勧業銀行　　　五、〇〇〇　　　大倉組　　　　五、〇〇〇
　渋沢男爵　　　一、〇〇〇　　　浅野総一郎　　一、〇〇〇
　原六郎　　　　一、〇〇〇　　　大橋新太郎　　一、〇〇〇
尚此外安田・古河其他の富豪を始め、炭礦鉄道会社・各取引所、電灯瓦斯両会社、各電鉄会社等よりも申込あるべしと

中外商業新報　　第七二〇一号　明治三八年一二月一五日
　　　　凱旋軍歓迎会理事分担
東京市の凱旋軍歓迎会にては、来十七日第一回歓迎会挙行当日の理事分担を、如左決定せり
　総務係　尾崎行雄　渋沢栄一　千家尊福
　式場係　大鳥圭介　曾我祐準　松田秀雄　肥塚竜
　接待兼立食場係　井上角五郎　早川千吉郎　大岡育造　加藤正義
　　相馬永胤　園田孝吉　松尾臣善　荘田平五郎
　余興係　安田善次郎　大倉喜八郎　添田寿一　中野武営　岩出惣兵衛