デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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（川田小一郎）　書翰　　渋沢栄一宛　（明治二七年）一月二一日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
拝啓、寒気烈敷候処益御清穆被為在御座奉恭賀候、陳ハ福島少佐歓迎之義ハ、小生ニ於ても甚賛成スル処ニ有之、委員之列ニ加リ居候処、過般来殊之外多忙、且少々不加減等にて、一度も事務所其外ヘ出席も不仕、不本意之次第ニ御座候、然ル処過日右歓迎趣意書数百枚回送相成、右ハ懇意之向等ヘ適宜相配リ候而可然義ニ候哉、又ハ何々之向ヘハ小生より配付可致等之義ニ可有之候哉、其辺之模様相分リ兼候間、甚御面倒恐縮ニ候得共、御序之折御示教被下候ハヽ難有奉存候、右願用迄、草々再拝
　　一月二十一日　　　　　　　　　　　　　　　　小一郎
　　　　渋沢老台
　　　　　　　　侍史

（児玉源太郎）　書翰　　渋沢栄一宛　（明治二七年）三月六日　（渋沢子爵家所蔵）
拝復、余寒未難去已来愈御清穆奉賀候、扨福島中佐歓迎之義ニ付御尽力被下奉謝候、賞牌図案も粗出来候間、方々来ル十日午後三時華族会館ニ於テ委員諸君参同可致筈ニ候、其際万御協議可申上候、右貴酬而已、草々敬具
　　三月六日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　児玉源太郎
　　　　渋沢栄一様
　　　　　　　　　　侍史

新聞集成明治編年史　同史編纂会編　　第八巻・第四三一―四三二頁　昭和一〇年一二月刊
　　　　単騎西比利亜縦断完全に成功
　　　　　　福島中佐の偉業中外に輝く
〔六・一四　○明治二六年東京日日〕　福島中佐が琿春に着せし事は前号の紙上に報ぜしが、愈よ一昨日を以て浦塩斯徳港に安着せし由にて、昨朝左の電報参謀本部に達したり。
　本日到着、東京丸にて十六日出発。
　　　千八百九十三年六月十二日午後四時五十五分
　　　　　　　　　　　　　　　烏拉地俄斯徳　　　　福島
　当局者の見込に拠れば、中佐は右東京丸にて来る廿三日神戸に到着し、同港より陸路東上の汽車に乗じて帰京す可き筈にて、歓迎委員諸氏は昨日夫れ夫れ準備に取りかゝりしといふ。