デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

3部 身辺

1章 家庭生活
4節 趣味
2款 和歌
■綱文

第29巻 p.220-221(DK290066k) ページ画像

明治37年10月14日(1904年)

是日栄一、展墓ノタメ郷里血洗島ニ赴キ、老友ト会シ、ソノ感懐ヲ和歌ニ詠ズ。


■資料

竜門雑誌 第一九八号・第三一頁 明治三七年一一月 ○和歌(DK290066k-0001)
第29巻 p.221 ページ画像

竜門雑誌  第一九八号・第三一頁 明治三七年一一月
 ○和歌
    ○故郷なる先考先妣の墳墓に詣てゝ
                         栄一
おもかけは心のうちに浮み出てゝ
      石さへゆらくこゝちこそすれ
    ○故郷の方にまかりけるに老友つとひ来りてこし方の物語しける時
しはらくはうつゝの老を忘れけり
      むかしの夢をかたりつゝけて
    ○其夜雨降りけれは西窓夜雨のふることを思ひ出てて
打つとひかたらふ夜半の雨はれて
      袖に露おく窓のあかつき
    ○備前渠改閘の建碑を見て
うこきなき千引の石は里の名を
      よろつ代まてにつたふなるらん
せき入れし水に田面のうるほひて
      とよとしつけぬ里とてもなし