デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

大正15年11月28日（1926年）

是日栄一、当診療所浅草支部病院講堂ニ於ケル当診療所ノ創立十五周年祝賀会ニ出席ス。

竜門雑誌　　第四五九号・第八七―八八頁　大正一五年一二月
　　　　青淵先生動静大要
　　　　　　十一月中
○中略
廿八日　実費診療所創立十五年祝賀会（同所浅草分療所）

社団法人実費診療所の歴史及事業　同診療所編輯部編
　　　　　　　　　　　　　　　　　　第三巻・第一七七―一七八頁　昭和一〇年一二月刊
　○第六章　祝典、来賓及び昭和二年以後の人事
　　　　第一節　本社団満十五周年祝典挙行
　大正十五年は本社団創立満十五周年に当つて居たので、十一月二十八日、午後二時から本社団浅草支部病院大講堂に於いて盛大なる記念祝賀式を挙行した。
　当日は畏くも　久邇宮邦彦王殿下の御光臨を賜はるあり、鈴木理事長その御前にて、本社団設立の趣旨・目的・歴史及び業績等について
 - 第31巻 p.160 -ページ画像 
演述し、殿下には熱心に御傾聴遊ばされた後、当時の重役に一々謁を賜ひ、院内を一巡して御機嫌うるはしく還御遊ばされた。
　この日、来賓としては、渋沢栄一子を始め、内務大臣浜口雄幸氏（代理）・社会局長官長岡隆一郎氏（代理）・衛生局長山田準治郎氏・警視庁衛生部医務課長亀岡慶治氏・衆議院議員・各社会事業家及び社会事業団体代表者・一般新聞記者・医事新聞記者・東京市会議員・浅草区長・所轄警察署長、その他知名の士多数で、頗る盛会であつた。
　当日、山田衛生局長によつて代読された内務大臣の祝辞、及び社会局事務官山崎巌氏によつて代読された社会局長官の祝辞は次の如きものであつた。
　　　　　　祝辞
　　社団法人実費診療所創立以来鋭意救療ノ事ニ従ヒ、其ノ診療セル患者実ニ延壱千五百五十有余万ノ多キニ及フ。曩ニ癸亥ノ大震災ニ遭フテ、甚大ノ損害ヲ受ケシモ、拮据経営克ク復興ノ功ヲ完フシ、玆ニ本日ヲ以テ創立十五周年記念ノ式ヲ挙ケラル。誠ニ慶賀ニ堪ヘサルナリ。冀クハ今後一層奮励努力、以テ民人福祉ノ為メ益尽瘁スル所アラムコトヲ、一言述ヘテ祝辞トス
　　　大正十五年十一月二十八日
　　　　　　　　　　　　　　　　　内務大臣　浜口雄幸
○下略