公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15
第31巻 p.414-415(DK310061k) ページ画像
明治42年8月14日(1909年)
是日、滋賀県下ニ地震発生ス。栄一、罹災民ニ対シ、金壱百円ヲ賑恤ス。同四十三年三月右ニツキ、賞勲局総裁ヨリ木杯一組下賜サル。
青淵先生公私履歴台帳(DK310061k-0001)
第31巻 p.414 ページ画像
青淵先生公私履歴台帳 (渋沢子爵家所蔵)
賞典
明治四十三年三月十六日 明治四十二年八月滋賀県下震災ノ際、罹災者ヘ金百円賑恤候段奇特ニ付為其賞、木杯壱組下賜候事 賞勲局総裁
〔参考〕新聞集成明治編年史 同史編纂会編 第一四巻・第一三四―一三五頁 昭和一一年六月刊(DK310061k-0002)
第31巻 p.414-415 ページ画像
新聞集成明治編年史 同史編纂会編 第一四巻・第一三四―一三五頁 昭和一一年六月刊
江州の大地震
家屋倒潰無数
〔八・一六 ○明治四二年東朝〕 十四日午後三時半大地震あり、六時迄に滋賀県庁に達したる報告によれば、十四日午後の地震は県下にては、湖北三郡外に東浅井郡を中心として最も激烈を極めたるものゝ如し、被害の概報次の如し。△東浅井郡大里村字曾根にて住家倒潰二十八戸、死者四人、同郡虎姫村字南酢にては住家倒潰五戸、同村字中野の全戸数約七分倒潰、同郡速水村字速水にては住家全潰七戸、速水警察署半潰れ、同郡字馬渡にて住家全潰二十戸、同村字高田にて住家全潰十二戸死者一人、同村字今野は住家全部倒潰し、小谷村字丁野は戸数の六分通り倒潰したるが人畜の死傷詳かならず、△阪田郡長浜の汽船待合所及琵琶湖倉庫会社の倉庫一棟倒潰し、又伊香郡木元村にて家屋全潰一戸、厠屋二棟崩潰、其他の各郡よりは、格別の損害なき旨報告ありたり。△其後の報告に依れば、彦根にては北船町山田とく及大字大藪川越友次郎の両家全潰れとなり外に傾きたる家四十戸あるを発見せり。△長浜にては潰家十戸、半潰二十戸にして、外に近江製糸場の食堂及煙突倒潰、八幡神社境内の鳥居と灯籠三十余対全部を倒潰し尚明治銀行も大破損を来せり。郡部に至りては北里村字本甲阪に於て村社の灯籠破壊の為、同村杉山勘七の娘は其の下敷となり即死せり。其他被害ある見込にて目下取調中。△米原に於ては警察分署の傾きたる外、旅
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館井筒屋の大楼も傾きたり。尚ほ久米久右衛門方の離れ屋一戸倒潰せり。右地震の為同所より醒ケ井に到る間は電報不通となれり。△速水警察署部内にて速水村字今及虎姫村字中野、同大里村字曾根方面は住家全部約二百戸倒潰し、今尚ほ其の下敷となり居る者多数あり。死傷者多数ある見込にて、其の騒擾一方ならず光景惨澹たり。(大津電話)