デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

大正12年3月6日（1923年）

是日、当委員会主催汎太平洋会議出席者経済学博士服部文四郎招待晩餐会、東京銀行倶楽部ニ開カレ、栄一出席ス。

集会日時通知表　　大正一二年　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
三月六日　火　午後五時　日米関係委員会服部氏招待（銀行クラブ）

（増田明六）　日誌　　大正一二年　　　　（増田正純氏所蔵）
三月六日　火　晴
○上略
午後五時東京銀行倶楽部ニ於て、日米関係委員会の服部文四郎氏米国よりの帰朝歓迎会並同氏の調査報告会あり、午後五時の集会通知なりしニ、六時半ニ至りて漸く会合　○中略併して来会者ハ凡て八名なり
食前議事を了し、食後同氏の報告談あり、其報する処、孰れも一昨年渡米の際、該地ニ於て話題ニ上り、爾来未決の問題となり居れるものの経過及現在々留邦人の希望等にして、悉く事実明了、聊か不明の点無く、誠ニ愉快に聴取したり
帰途本郷三丁目迄子爵の自動車に同乗、夫より電車にて帰宅す
○下略

竜門雑誌　　第四一八号・第七三頁　大正一二年三月
○日米関係委員会催服部氏報告会　日米関係委員会幹事服部文四郎氏は、過般布哇ホノルヽ市に開催せられたる汎太平洋通商会議に我が聯合商業会議所を代表して出席したるが、同委員会に於いては其の序を以て、同地並に加州在留邦人問題の調査を依嘱したる由の処、今般同氏帰朝せられたるに付、右調査報告会を催す事となり、三月六日午後五時東京銀行倶楽部に於て、青淵先生を始め、一宮鈴太郎・服部金太
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郎・小野英二郎・団琢磨・添田寿一・頭本元貞・内田嘉吉・串田万蔵・姉崎正治・浅野総一郎・阪谷男爵及び増田明六・小畑久五郎諸氏出席の上、詳細調査報告を聴取し、晩餐を共にして散会せる由なり。

在米日本人会年報　　第一六号・第一四頁　大正一三年一月刊
　　　　大正十二年度事務報告
○上略
　　　　　　第二、聯絡関係事務
○中略
（七）日米関係委員会関係事項　同会の委員長たる渋沢子爵に対しては、在留同胞の諸問題に就て時々報告書を提出して了解を求め、太平洋沿岸協議会の名を以て請願せる事項の成就上後援を依頼せり、又同委員会名誉書記長服部文四郎氏来桑の際、重要問題に関し協議し、且つ種々の報告並びに統計を供し、帰朝の上加州邦人問題に関する講演を依頼せり、吾人の有力なる後援者たる同子爵は、或は日本に於ける外人土地法の施行に関し、或は国籍法の改正、条約上の問題等に就て議会関係者並びに当局者間に熱心に説明の労を取られ、懸案の解決促進上努力せられたるは誠に感謝に不堪次第なり　○下略