デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

昭和3年1月16日（1928年）

是日、当会館理事会、渋沢事務所ニ開カル。栄一出席シテ、当会館新設敷地撰定及ビ設計起案ヲ、シルヴァン・レヴィ他四名ニ依嘱、敷地ハ駿河台原田熊雄所有地ニ決定ス。

渋沢栄一日記　昭和三年（渋沢子爵家所蔵）
一月十六日　曇　寒気強シ
○上略午後二時丸ノ内事務所ニ於テ、日仏会館理事会ヲ開キ、古市・鈴木・曾我・山本・辰野・木島及仏人シルバンレビユー氏モ来会シテ会館移転地ニ付、種々ノ協議ヲ為ス○下略

集会日時通知表　昭和三年（渋沢子爵家所蔵）
一月十六日　月　午後二時　日仏会館理事会（渋沢事務所）

（日仏会館）議事録（財団法人日仏会館所蔵）
　　　　理事会
　昭和三年一月十六日午後二時、渋沢事務所ニ於テ開催
　全員　理事二十名・監事三名　計廿三名
出席
　　　渋沢子、古市男、姉崎博士、鈴木氏、木島氏、杉山博士、平山男、曾我子、山本少将、木村清四郎氏、服部氏、辰野氏、シルバン・レビ氏
欠席　決議権委任者
　　　富井男○外五名氏名略
　　　　建築敷地選定之件
一、二ケ所ノ候補敷地所有者ニ夫々談判ノ結果
　駿河台鈴木町十五番地ハ所有者原田男ニ於テ三百三坪、壱坪ニ付金弐百七拾円迄減額シ
　永田町二丁目廿五番地ノ方ハ、所有主又木周夫氏ニ於テ、三百三十坪（四百坪位迄）壱坪ニ付、金弐百三拾円位迄減額シタル所
　更ニ小石川区原町一二六阪谷男爵邸分譲地ハ、壱坪ニ付金百五拾円ニシテ、幾百坪ニテモ買入レ得ヘシト紹介アリ、各地比較討議ノ結果、地所撰定委員四名ヲ挙ケ之ニ撰定ノ全権ヲ委任スル事トシ、又建築設計ノ案モ同委員ニ委任スルニ決シ、其委員ハ理事長ノ指命ニ任スル事トナリ、理事長ハ此委員トシテ
　　シルバン・レビ氏、姉崎博士・曾我子爵・辰野氏
　ヲ指命シタルニ四名ハ共ニ之ヲ承諾セリ
 - 第36巻 p.329 -ページ画像 
二、古市男ヨリ（秋月左都夫氏ノ勧告ニ基ツキ）閑院宮邸隣地元学習院女子部跡一部拝借ノ儀、宮内省ヘ伺出デテハ如何トノ提議アリ、理事長ハ本件ヲ平山男爵ニ依頼セリ
右之通リ
　　昭和三年一月十六日
　　　　　　　　　　　議長　理事長　子爵　渋沢栄一
　　　　　　　　　　　書記　常務理事　　　木島孝蔵(印)
附記ス、右委員四氏ハ即日実地踏査ヲナシ、全員一致ノ意見ヲ以テ駿河台原田男所有地ヲ撰定スルニ決セリ

日仏会館書類（三）　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
　　　　報告
（謄写版）
一、敷地に関する件
　本月十六日、渋沢事務所に於ける理事会は、当館敷地用候補地につき協議の結果、理事長よりシルバン・レビ氏、姉崎博士、曾我子及辰野氏に地所撰定及設計起案を依嘱し、別に平山男爵に当館用敷地として、宮内省より若干坪の地所を拝借する事可能なるや、取調方を依嘱することとなれり
　地所撰定委員は即日実地を踏査し、全員一致を以て当館用敷地として購入せんとする候補地中にては、駿河台所在原田男爵所有地を最も適当なるものと撰定するに至りたり
　同委員は去る十八日、当会館を建築したる建築技士吉武長一氏を撰んて、二・三案の設計を注文したり（此設計は一両日中脱稿の見込）他方平山男爵は去る廿二日、依嘱事項に関し関屋宮内次官及同省白根庶務課長と会談あり、其結果、木島は同男の紹介状を携へ、二十四日白根氏に面会したる処、掛り官に問合せたるも、宮内省にては目下何等提供し得べき地所なき旨申聞けられたり
　爰に於て木島は二十五日、理事長に右報告をなし、選定委員の選定にかかる地所買入等に関し訓令を乞ふ所ありしに、理事長は今一ケ所聞合せ度個所あり、一両日中に其事情も判明すべきに付、其上にて更に協議する所あるべしと申聞けられたり
二、仏国派遣学者氏名通知の件○略ス
右及御報告候　敬具
　　昭和三年一月二十六日　　　　　　常務理事　木島孝蔵
　　　　（宛名手書）
　　　　子爵　渋沢栄一殿

集会日時通知表　昭和三年　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
一月十六日　木　午後一時　　　木島氏来約（事務所）
　　　○中略。
二月廿二日　水　午前十時半　　木島孝蔵氏来約（飛鳥山邸）
　　　○中略。
三月八日　　木　午後一時スキ　木島孝蔵氏来約（日本工業クラブ）
 - 第36巻 p.330 -ページ画像 
　　　○中略。
三月十二日　月　午前時《（九脱カ）》　木島孝蔵氏来約（アスカ山邸）
　　　○中略。
九月十八日　木　　　　　　　　木島孝蔵氏来約（事務所）
　　　○中略。
九月廿七日　木　午前八時半　　木島氏来約（飛鳥山）
　　　○中略。
十二月九日　日　午前九時　　　木島孝蔵氏来約（アスカ山邸）