デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

大正9年9月15日（1920年）

是日、外務大臣内田康哉、第一回国際聯盟総会日本代表トシテ近ク渡欧スル目賀田種太郎ヲ当協会役員ニ紹介スル目的ヲ以テ、其官邸ニ午餐会ヲ開ク。栄一出席ス。

国際聯盟　第一巻第一号・国際聯盟協会々報第三一―三二頁大正九年一一月
　○国際聯盟協会成立後の経過
　　　　（十）外相官邸招待会
　時日　九月十五日　招待者　内田外相
　来会者　目賀田男、徳川総裁、渋沢会長、阪谷・添田両副会長、井上・吉井・田川・山川・松田・岡・林・宮岡各理事、伊達・杉村・沢田各幹事
　聯盟協会役員一同と、聯盟総会本邦代表として不日渡欧の筈なる目賀田男とを引合はせの為め、外務大臣に於て午餐会を催さる。
　右席上に於て協会側より、左の如く男に依頼する所ありたり。
一、本邦聯盟協会成立の事実に鑑み、本邦に於て聯盟の主義精神を尊重し居るものなることを機会ある毎に宣伝せられたきこと。
二、左記事項に関する情報御蒐集、御帰朝の際差支なき限り本邦協会に知らしめられ度きこと。
　（イ）聯盟に対する各国民の態度（賛否）
　（ロ）欧洲諸国政府当局の聯盟の将来に対する感想
　（ハ）米国の対聯盟態度に関する各国識者の感想
　（ニ）欧洲諸国に於て聯盟達成の為め試み居る運動の範囲及び程度
　（ホ）欧洲諸国に於て聯盟協会に対する各国政府及び民間よりの有形的援助
　（ヘ）各国聯盟協会及び聯合会の動静及び表裏の事情
　　　○第一回国際聯盟総会ハ是年十一月十五日ヨリ、スイス共和国ジュネーヴニ於テ開カレタリ。