デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

大正12年11月24日（1923年）

是日、当協会主催ドイツ国駐箚特命全権大使日置益等招待会、帝国ホテルニ開カル。

集会日時通知表　大正一二年　（渋沢子爵家所蔵）
十一月廿四日　土　午後一時　国際聯盟協会催
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　午餐ナシ
　　　　　　　　　　　　　　　日置益氏、立作太郎氏招待会（帝国ホテル）
　　　○次掲「国際聯盟協会会務報告第十五輯」ヲ見ルニ、当日栄一ハ出席セザリシガ如シ。

（国際聯盟協会）会務報告　第一五輯　自大正一二年一〇月二六日至同年一一月二六日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
（謄写版）
　　　　三、招待会
十一月廿四日午後一時より帝国ホテルに日置大使・立博士・乾教授・
 - 第36巻 p.534 -ページ画像 
高木八尺氏・柳田国男氏の招待会を催し、乾・高木両氏は都合悪く欠席、来会者九十五名、阪谷副会長司会者となり、日置大使より独乙の現状に就き、立博士より聯盟協会第七回聯合会総会の実況に就き、柳田国男氏より国際聯盟内部の一員としての感想に就き、夫々談話ありたり。

国際知識　第四巻第一号・第一四九頁大正一三年一月
　○国際聯盟協会の活動
　　　　歓迎茶話会
　十一月廿四日（土）、午後一時より帝国ホテルニ於て、最近帰朝された日置駐独大使、今年夏ウインナの国際聯盟協会聯合会総会に、本協会を代表して出席された立作太郎博士・乾精末・高木八尺の諸氏、及び国際聯盟委任統治委員会委員柳田国男氏を招待して茶話会を催した。出席者主客九十名、乾・高木両氏は御差支ありて見えず、阪谷副会長司会の下に、日置大使の最近独逸事情に関する談話あり、立博士は聯合会第七回総会の概況、殊に支那側提出の二十一ケ条問題についての委曲を尽せる説明あり、聯盟協会今後の対外活動につき懇篤なる忠言を与へられた。最後に柳田氏立たれ、国際聯盟事務局にあつて親しく見聞した事実を述べられ、聯盟の実質、その世界的地位の如何なるものなるかを縷説された。講話終つて一同茶菓を共にし、散会したのは五時頃であつた。
　　　○日置益ノ「独逸の現況を述べて我国の現況を思ふ」ト題スル論文ハ「国際知識」第四巻第八号・第六―一九頁（大正一三年八月）誌上ニアリ。