デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

大正6年3月25日（1917年）

是日、中華民国特派専使汪大燮歓迎会、帝国劇場ニ催サレ、栄一出席ス。

集会日時通知表　大正六年　（渋沢子爵家所蔵）
三月廿五日　日　午後四時　汪大使歓迎会（帝劇）
　　　○右ニ汪ヲ大使トセルハ後掲資料ニ専使トアルノ意ナルベシ。汪ガ特命全権公使ナリシハ明治四十三年八月ヨリ大正二年七月ニ至ル期間ナリ。

竜門雑誌　第三四七号・第八三頁大正六年四月
○汪特派大使の感激　聖上陛下に中華民国最高勲章捧呈の使命を帯びて来京せる同国特派大使汪大燮氏は、去三月十九日午後五時、帝国ホテルに開かれたる東京市の招待会席上にて、日本に於て青淵先生が能く官民の間に立ちて、国の為めに尽瘁せられつゝあるは、予の切に感激せる所なりとて、大使自身も亦、今後は須らく青淵先生の心を以て心とし、倍々日支両国の経済的親善に努むべき旨、一場の演説ありたる由。

支那現代人名鑑　外務省情報部編　第五〇四頁大正一三年六月刊
汪大燮《オウダーシヨウ》（Wang Ta-hsieh）字伯棠　年齢六十六
　　浙江省杭県人　（現住北京）
　学歴　挙人出身
　経歴　前清中総理衙門ニ主事トシテ奉職中、外交事務ニ当リ光緒二十八年日本留学生監督トシテ日本ニ滞在シ、同三十年駐英出使大臣ヨリ外務部右侍郎ヲ経テ、宣統元年考察英国憲政大臣、同二年郵伝部左侍郎トナリ、同年出使シテ日本公使トナル、民国二年帰国シ、九月熊希齢内閣ノ教育総長ニ、同三年二月辞職、同年三月平政院長ニ、五月参政院副議長ニ、同五年六月段祺瑞内閣ノ交通総長ニ歴任シ、翌七月辞職セリ、次テ同六年特派専使トシテ大勲章ヲ我陛下ニ贈呈シ、同年七月伍廷芳ノ後ヲ襲ヒ、段祺瑞内閣ノ
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外交総長トナリシカ、十一月段総理ト連袂辞職ス、後幣制局ノ設ケラルルニ及ヒ同局名誉顧問ニ列シ、又各種慈善事業等ニ関係セリ、同十一年十一月二十九日国務総理ニ任セラレ、翌十二月十一日辞職ス