公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15
第39巻 p.328-329(DK390187k) ページ画像
大正14年9月23日(1925年)
是日栄一、アメリカ合衆国デニショーン式舞踊家デニス嬢及ビショーンヲ、飛鳥山邸ニ招キテ茶会ヲ催ス。
招客書類(二) 【大正十四年九月廿三日午後二時、於飛鳥山邸茶会 山本久三郎氏引卒】(DK390187k-0001)
第39巻 p.328-329 ページ画像
招客書類(二) (渋沢子爵家所蔵)
大正十四年九月廿三日午後二時、於飛鳥山邸茶会
山本久三郎氏引卒
(太丸・太字ハ朱書)
○デニス氏、シヨウン氏等一行十名
○頭本元貞
○伊坂梅雪 ○堀越善重郎
○成瀬隆蔵 ○同嬢
○田中太郎 ○姉崎正治
○同夫人 欠同夫人
○麻生正蔵
○塘茂太郎
○井上秀子
欠穂積重遠
欠同夫人
欠渋沢武之助
○同夫人
○渋沢昭子
○渋沢正雄
○同夫人
欠明石照男
欠同夫人
○渋沢秀雄
○主人
○増田明六
○小畑久五郎
○井田善之助
準備
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一晩香廬ニテ少憩日本茶ヲ供ス
一茶席ニテ抹茶ヲ供ス久保田理好氏担当
一散会
一準備 サンドウイツチ・洋菓子・果物・紅茶・炭酸水
竜門雑誌 第四四五号・第五九頁大正一四年一〇月 青淵先生動静大要(DK390187k-0002)
第39巻 p.329 ページ画像
竜門雑誌 第四四五号・第五九頁大正一四年一〇月
青淵先生動静大要
九月中
○上略 デニス氏、シヨーン氏等一行招待茶話会(二十三日)○下略
渋沢栄一書翰 控 ナーシッサ・シー・ヴァンダーリップ宛大正一四年一〇月一六日(DK390187k-0003)
第39巻 p.329 ページ画像
渋沢栄一書翰 控 ナーシッサ・シー・ヴァンダーリップ宛大正一四年一〇月一六日
(渋沢子爵家所蔵)
ナーシッサ・コックス・ヴアンダーリップ
拝啓、其後御無音に相成候処益御清適の由奉賀候、御良人にも最早殆ど平常の如く御回復の由に承り及安心致居候、小生も永く病褥にありしも幸に近頃平時の健康に相復し、徐々事務に携はり居候間御安心被下度候
尊書を以て御紹介のデニシヨーン派舞踏の指導者シヨーン氏及デニス嬢には、去九月廿三日飛鳥山拙宅に於て面会致候、同日は両氏の外一行中の主なる諸氏をも御招待の上、今尚上流社会の一部にて屡々催さるゝ古より伝来の茶ノ湯ノ式を行ひ、純粋日本式茶を饗したる後、洋式の茶会を催し御一行を款待致、緩々種々の談話を交換致候、両氏及同一行は貴翰御示しの如く孰れも学識高き人格の人々にて、一般芸術家と大に異なるものあるを察知致候、小生は病後静養中多人数集合の席に列することを医師より禁せられ居候為め、同氏の演芸を観覧することを得さりしも、其芸術に対する好評判は雑誌に新聞に喧伝せられ一時東京市民の人気を一身に集めたる如き状況に有之候間、両氏も定めし満足したる義と小生に於ても悦居候次第に御座候、両氏は当地に於ける演芸終了後大阪に赴き候、同地に於ても当地に於けると同様好評を博され候義と察居候
尊台には津田塾復興委員の一人として御尽力被下候趣は、先般帰朝したる津田梅子女史の令妹安孫子よな子夫人よりも承はり、不相変我邦人に対し同情を深ふせらるゝことを厚く感謝致居候、小生も同塾復興の為め乍些少寄附金を為して賛襄の意を表し候次第に御座候
右は尊書御受旁申上度、尚貴台並御良人の御健康と御繁栄を遥祝仕候
敬具
大正十四年十月七日 渋沢栄一
○右英文書翰ハ同月十六日付ニテ発送セラレタリ。
○津田英学塾ニ就イテハ本編第一部第五章教育所収「津田英学塾」参照。