デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

大正15年1月16日（1926年）

是日栄一、中華民国済南府東魯学校長夏継泉ヲ、飛鳥山邸ニ招キテ午餐会ヲ催ス。

外務省関係書類（三）　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
拝啓、陳者本書持参ノ山東省済南東魯学校長夏継泉氏ハ、今般東京帝国大学出身王大楨氏ヲ伴ヒ、本邦ニ於ケル教育状況並本邦美術及宗教ニ関シ研究視察ノ為来邦シ、旁本邦名士ヲ歴訪種々高見ヲ拝聴致度趣ヲ以テ、其ノ紹介方申出候処、同氏ハ参議院議員総統府諮議山東塩運
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使等ニ歴任シ、傍教育美術及宗教ヲ研究シ其ノ造詣深ク、且目下同氏ノ経営セル東魯学校ヲ将来曲阜大学ト為シ、東洋文化ノ発揚ニ貢献致度所存ノ由ニ有之候ニ付テハ、同氏参趨ノ節乍御多用中何卒御面談相成度、同氏紹介旁此段御依頼得貴意候　敬具
　　大正十四年十二月二十八日　　　　　　　　木村亜細亜局長
　　　　子爵　渋沢栄一殿

渋沢栄一日記　大正一五年　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
一月十四日　晴　寒
午前七時起床、入浴、朝飧ヲ畢リ、民国人夏継泉氏父子、通訳王大槙及実相寺《（王大楨）》、油谷諸氏来訪、夏氏ハ東魯学校ノ主任ニシテ、他日ハ山東省曲阜ニ大学設置ノ企図アル由ニ付、民国ノ学校教育ニ付テ種々ノ意見ヲ説示シ、且今日ハ他ニ約束アリテ時間ナキニヨリ、明後十六日再来ヲ約ス○下略
　　　○中略。
一月十六日　曇　寒
○上略　民国人夏継泉氏一行及日華実業協会ノ諸氏来話ス、夏氏ハ山東省東魯学校々長ノ由ニテ他日曲阜大学設立ノ企望アル由ニ付、古聖賢ノ縁故ヲ以テ種々ノ意見ヲ説示シ、午餐ヲ饗シテ日支国交ニ論及シ、充分双互ノ意見ヲ交換スルヲ得タリ

集会日時通知表　大正一五年　（渋沢子爵家所蔵）
一月十四日　木　午前　九時　夏継泉・王大槙《（王大楨）》・実相寺貞彦・油谷恭一ノ四氏来約（飛鳥山邸）
　　　○中略。
一月十六日　金　午前十一時　中華民国夏継泉氏等招待会（飛鳥山邸）

招客書類（二）　　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
　大正十五年一月十六日午前十一時、於飛鳥山邸
　　中華民国人夏継泉氏招待会
　　　　　　　　　　　　　　　　　　（太丸・太字ハ朱書）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○夏継泉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○夏　　　《（原本欠字）》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○王大楨

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○実相寺貞彦
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　欠児玉謙次
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○白岩竜平
　　　　　　　　　　　　　　　　　欠男　阪谷芳郎
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　森弁治郎
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　角田隆郎
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○油谷恭一

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○主人
　　　　　　　　　　　　　　　以上十一人
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　一、料理　精進料理（飛鳥山邸ニテ用意）
　　　○王大楨ハ昭和三年中華民国国民政府特使トシテ来日シ、同年九月四日国際聯盟協会主催招待会ニ臨メリ。（「国際知識」第八巻第一一号・第一二八頁ニヨル）