デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

大正4年7月8日（1915年）

是日、ニュー・ヨーク日本協会協賛会等ノ主催ニテ、海老名弾正及ビ日米交換教授トシテ渡米スル東京帝国大学教授服部宇之吉並ニアメリカ合衆国人マコーレー等ノ送別晩餐会ヲ帝国ホテルニ開ク。栄一出席シテ同協会ヲ代表シテ送別ノ辞ヲ述ブ。

渋沢栄一　日記　　大正四年　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
六月廿七日　晴
○上略　海老名牧師来話ス、来月十日米国行ノ事ヲ協議ス、蓋シ頃日牛島会長ノ来書ニ拠レルナリ、依テ沼野・牛島其他ノ人々ヘ種々ノ注意ヲ与フ○下略
　　○中略。
六月廿九日　晴
○上略　午前十一時事務所ニ抵リ来人ニ接ス、午餐後○中略　小野英次郎氏来《（小野英二郎）》ル、海老名氏渡米ニ付助力ノ事及送別会ノ事ヲ談ス○下略
　　○中略。
七月三日　曇
○上略　午飧後海老名氏来話ス、米国行ニ付其手続ヲ談話ス○下略
　　○中略。
七月七日　晴
○上略　午後五時過ヨリ帰一協会ノ為メ上野精養軒ニ抵リ、水野氏○錬太郎ノ神社ニ関スル演説アリ、食卓上海老名・服部・マツコーレー博士等ノ米国行ニ付送別ノ為メ一場ノ演説ヲ為ス、三士其他ニモ続々演説アリ夜十一時過散会帰宿ス
七月八日　晴
○上略　午後五時半帝国ホテルニ抵リ、海老名・服部氏等米国行送別会ヲ開ク、食卓上一場ノ演説ヲ為ス、賓主充分ノ意見ヲ吐露シ宴会頗ル盛況ナリキ、夜十一時散会帰宿ス

（阪谷芳郎）　大日本平和協会日記　　大正四年
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（阪谷子爵家所蔵）
○七月八日、帝国ホテルニテ海老名、マコーレー、服部（宇之吉）三氏渡米ニ付紐育日本会協賛会ト共同送別会、渋沢、阪谷、島田、添田、マーツ、マコーレー、服部、海老名諸氏演説ス

竜門雑誌　　第三二六号・第八一頁　大正四年七月
○海老名弾正氏送別会　海老名弾正氏は在米邦人啓発の為め日本人会の招聘に応じ、夫人同伴にて七月十日零時半東京駅発渡米の途に上ることゝなり、又服部文学博士はハーバート大学の招聘に応じ、孔子教講演の為め近く渡米せらるゝことゝなり、宣教師マコレー博士も久振にて帰米さる事となりしを以て、青淵先生・阪谷男爵其他の発起にて七月八日午後五時より右三氏を帝国ホテルに招待して送別会を開きたり、青淵先生には紐育日本人会協賛会を代表して、又阪谷男爵は大日本平和協会を代表して送別の辞を述べ、其他主客の応酬ありて十時散会せりといふ