デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

3章 国際親善
7節 其他ノ資料
2款 日米関係諸資料
■綱文

第40巻 p.343-345(DK400105k) ページ画像

大正2年1月(1913年)

是月栄一、アメリカ合衆国ハーヴァード大学総長チャールズ・ダブリュー・エリオットノ説トシテ伝ヘラレタル「日本教育論」ハソノ真意ヲ誤レルモノトシテ右エリオットガジェローム・ディー・グリーンニ発シタル書翰ヲ浮田和民及ビ姉崎正治等ト共ニ発表ス。


■資料

竜門雑誌 第二九七号・第六八頁 大正二年二月 ○エ博士の否定(DK400105k-0001)
第40巻 p.343-344 ページ画像

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東京日日新聞 第一二九九〇号 大正二年一月一八日 ○不埒千万の捏造 天下を瞞きし某枢府顧問(DK400105k-0002)
第40巻 p.344-345 ページ画像

東京日日新聞  第一二九九〇号 大正二年一月一八日
    ○不埒千万の捏造
      天下を瞞きし某枢府顧問
曩に伝へられたるエリオツト博士の我邦の教育制度に対する批評は、博士の全く関知せざる所にして、実は某枢密顧問官が之を捏造し、さも博士の言なるかの如くに発表せしものに過ぎずとの風説あり、殊にその女子教育に関する博士の意見は当時日本の高等女子教育を否定せんとするにあるが如く伝へられたるが、エリオツト博士は非常にこれを迷惑とし、此程其誤解なる旨を在紐育ジエロム・グリーン氏に言送り、氏はその書簡を更に在東京なる博士の親友にして氏の父たるグリーン博士の許に送附し来れり、概要を訳すれば左の如し
 十月十三・四日の大阪毎日新聞の社説及び十月卅一日のジヤパン・アドバタイザー紙上に掲出の「エリオツト教育制度を非難す」といふ二篇の出所は予の全く知らざる所なり、殊に甚だしきは予より出
 - 第40巻 p.345 -ページ画像 
でたりといはるゝ女子教育に関する意見の錯倒せることなり、斯の如き反対的所説らしき言を日本に於て何人にも述べしことなし
 予の説として日本の新聞紙に掲載され居る説は、殆ど自分の意見と正反対なり、予は又米国に於ても、高等教育を受けし女子の弊を考へしこともなし、況んや日本の女子の高等教育を非難することをや云々
尚ほ博士の書簡の全部は原文と共に、右グリーン博士及渋沢男爵・浮田博士・姉崎博士の名を以て近日発表すべしといふ