デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

大正13年12月23日（1924年）

是日、関東大震災当時ニ於ケル当会書記山本邦彦ノ美行ヲ賞センガ為メ、当会ヨリ金品ヲ贈ル。栄一金五十円ヲ之ニ寄ス。

斯文会書類　　　　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
（謄写版）
謹啓、時下愈御多祥奉大賀候、然者過般来御賛同ヲ仰キ候山本書記美挙表彰金、別算ノ如ク総計金参百円ヲ同氏ニ贈呈致候処、同氏モ多謝感激ノ誠意ヲ表セラレ候、此段乍延引結算大要御報告申上候　敬具
　　大正十四年一月二十日　　　　右世話人ノ一員
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　中村久四郎
　　　　（宛名手書）
　　　　子爵渋沢栄一殿
収入
一金五拾円宛　徳川会長・渋沢副会長
一金参拾円宛　矢野・内藤両監事
一金拾八円　福島会幹
一金拾五円　花岡常議員
一金拾円宛　阪谷副会長・三宅部長・小柳常議員
一金五円宛　井上副会長・服部総務、宇野・塩谷・岡田三部長、安井・工藤両参与、島田・児島・松本・伊東・佐久五常議員及中村
一金参円宛　吉田・飯島・細田・神谷四常議員
以上合計金参百円
支出
一金参百円　山本書記ニ贈呈済

（謄写版）
　　　　記
一金参百円也
　右は先年大震火災の際に於ける小生の救護行為に対し、曩に本会より御表彰被下候処、尚又貴下等の御発議に依り、役員各位より表彰金を募集せられ候結果、前記莫大なる金額を御恵贈被下難有拝受仕候、是れ実に望外の仕合にて、各位が深甚の御同情被下候賜として家産復興の資に充て、永く其の恩恵を記念可致、小生始め家族一同
 - 第41巻 p.79 -ページ画像 
感激之至に堪えず候、何れ出捐各位へは夫々御礼状差上可申候得共何卒貴下より御一同様へ宜敷御伝へ被下度、不取敢玆に謹んで感謝の意を表し候　敬具
　　大正十四年一月二十日
　　　　　　　　　　　　　　　　斯文会書記　山本邦彦
　　　　中村会幹殿
　　　　　　　　貴下

財団法人斯文会回答　　　　　　　　　　　　（財団法人竜門社所蔵）
一、山本書記ノ震災当時ニ於ケル美挙ニ対シ、斯文会ヨリ同書記ニ金品ヲ贈呈セシ年月日。
　　大正十三年十二月廿三日
　　　○右ハ当資料編纂所ノ問合セニ対シテ昭和十三年三月十九日付回答セラレタルモノナリ。