デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

大正13年9月27日（1924年）

是日栄一、当神社祭典ニ参列シ、渋沢治太郎宅ニ一泊ス。

集会日時通知表　　大正一三年　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
九月廿七日　土　朝自動車ニテ八基村ヘ御出向
　　　　　　　　八基村渋沢邸ニ御一泊

（渋沢治太郎）書翰　　渋沢栄一宛　（大正一四年）九月二三日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
謹啓
漸く秋之季節ニ入り朝夕格別に秋冷を感し候折柄御障りもあらせられす大慶至極ニ存候
陳者本年ハ諸作物殆と豊作にて農家満腹の秋にて、来る廿七日諏訪神社御祭典に例年の通り獅子舞執行可被致と存候、就ハ　尊大人の御奮臨《（賁）》を御願申度、大字血洗島民一同之懇望ニハ候得共、先般来御不例ニ入らせられ拝承する所ニ依れバ国家的諸問題の御会合ニハ医師より未た御注意御差扣への様ニ伺居り、全く御大切の時と拝察致し候故、祭典ニ御尊来を乞上る事ハ御遠慮申上、此際全く　閣下の御健康を祈願の為メ特に祭事の営を申上度氏子一同の念願ニ存候間、来る例祭当日三田の御邸若旦那様ニ御尊来頂き御代拝願上度、言上の為メ大字を代表して笠原氏子惣代外一名参上候間特ニ御引見願上候
右拝願迄　敬具
　　九月二十三日　　　　　　　　　　　　　　渋沢治太郎
　　　　渋沢尊台
　　　　　　　玉案下
　時下折角御用心の程祈上候
　　○右書簡ニ大里郡八基村笠原源太郎及ビ林文一ノ名刺添付シアリ。