デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

4章 道徳・宗教
2節 神社
4款 神社奉祀調査会
■綱文

第41巻 p.530-542(DK410106k) ページ画像

大正2年12月22日(1913年)

是日栄一、明治神宮造営ノ調査機関タル神社奉祀調査会ノ官制ニヨリ、内閣ヨリ調査委員ヲ依嘱セラル。翌三年十一月三日調査完了シ、四年四月三十日官制廃止セラル。


■資料

中外商業新報 第九九三一号大正二年一二月一六日 ○神宮奉建調査会 官制近く発布されん(DK410106k-0001)
第41巻 p.530 ページ画像

中外商業新報 第九九三一号大正二年一二月一六日
    ○神宮奉建調査会
      官制近く発布されん
内務省にては明治神宮奉建に関し各方面に渉り種々慎重なる調査を重ね、尚ほ右に関する一切を挙げて調査会の議決を俟つて着手する事に決し、既に明治神宮奉建調査会官制脱稿し、目下上奏中なるを以て、不日勅裁を経、勅令として公布を見るに至るべし、尚調査会は内務大臣監督の任に当り、総裁及副総裁は内相奏請して之を勅命し、委員には内閣及宮府を始め両院議員・学者・実業家及び各方面の代表者より適当なる人物を挙げ、明春早々より開会して、約一年有余の長時日に渉り、奉建地の選定、内外宮殿の設計、神苑の構造、附属紀念館の建設、其他神宮奉建に関する一切の事業を慎重審議し、工事に着手するは多分大正四年度なるべしと聞く


官報 第四二一号大正二年一二月二二日 ○勅令(DK410106k-0002)
第41巻 p.530-531 ページ画像

官報 第四二一号大正二年一二月二二日
    ○勅令
朕神社奉祀調査会官制ヲ裁可シ、玆ニ之ヲ公布セシム
 御名 御璽
  大正二年十二月二十日
            内閣総理大臣 伯爵 山本権兵衛
            内務大臣      原敬
勅令第三百八号
    神社奉祀調査会官制
第一条 神社奉祀調査会ハ内務大臣ノ監督ニ属シ、明治天皇ノ奉祀ニ関スル事項ヲ調査審議ス
第二条 神社奉祀調査会ハ会長一人、委員若干人ヲ以テ之ヲ組織ス
第三条 会長ハ内務大臣ヲ以テ之ニ充ツ
 委員ハ内務大臣ノ奏請ニ依リ、内閣ニ於テ之ヲ命ス
第四条 会長ハ会務ヲ統理シ、会議ノ議長トナル
 会長事故アルトキハ内務大臣ノ指名シタル委員其ノ事務ヲ代理ス
   ○第五条ヨリ第六条マデ略ス。
      附則
 本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
 - 第41巻 p.531 -ページ画像 
   ○右官制ハ、大正二年十月二十八日閣議ニ於テ明治神宮創建ノ調査機関トシテ委員会設立ニ決シ、十一月十二日原内相之ヲ宮中ニ執奏シ、二十二日許可ノ内示アリテ是日発布セラレシモノナリ。(「明治神宮造営誌」ニ拠ル)
   ○大正三年九月八日勅令第一八五号ヲ以テ、右ノ第一条明治天皇ノ下ニ「及昭憲皇太后」ト加ヘラル。蓋シ昭憲皇太后合祀ノ事、三年六月右委員会ヨリ建議セラレ、八月十五日宮中ヨリ許可ノ内示アリ。
   ○明治神宮奉祀ニ関スル民間ノ請願運動ハ、本巻所収「神宮御造営奉賛有志委員会」大正元年八月九日条参照。


官報 第四二二号大正二年一二月二三日 ○叙任及辞令(DK410106k-0003)
第41巻 p.531 ページ画像

官報 第四二二号大正二年一二月二三日
    ○叙任及辞令
                  従三位勲一等男爵渋沢栄一

神社奉祀調査会委員被仰付(十二月二十二日内閣)
   ○栄一ト同時ニ調査委員ニ任命セラレシハ
     侯爵蜂須賀茂韶・公爵徳川家達・伯爵奥保鞏・子爵井上良馨・伯爵戸田氏共・男爵山川健次郎・水野錬太郎・大岡育造
    ニシテ会長ニハ内務大臣原敬、幹事ニハ内務省神社局長井上友一就任ス。而シテ、本会ノ調査事務ハ専門的知識ヲ要スル事項多キヲ以テ、阪谷芳郎ヲ委員長トスル十名ノ特別委員及ビ十五名ノ事務嘱託ヲ置キ、以テ特別委員会ヲ成シ、学術的調査ヲ行ハシメ、其ノ成案ヲ調査総会ニ諮ルコトヽシ祭神・社名・社号・社格・鎮座地・例祭日・社殿・神宝等ノ諸項、及造営維持ノ経費等創立ニ関スル各事項ヲ審議シ、大体ノ造営方針ヲ決定シ、此ノ中重要ナル事項ハ上奏シ御内示ヲ仰グモノトセリ、大正三年十一月三日ノ総会ヲ以テ之ノ調査完了シ、翌四年四月三十日官制廃止セラレ、明治神宮造営局官制公布セラル。(「明治神宮造営誌」ニ拠ル)


竜門雑誌 第三〇八号・第七六頁大正三年一月 ○神社奉祀調査会委員会(DK410106k-0004)
第41巻 p.531 ページ画像

竜門雑誌 第三〇八号・第七六頁大正三年一月
○神社奉祀調査会委員会 は十二月廿五日午前十一時より原会長の案内により、内相官邸に調査会設立の挨拶を兼ね午餐会を催せり、参会せしは青淵先生・徳川公・蜂須賀侯・奥伯・井上子・山川健次郎・大岡育造・水野内務次官の各委員、及び幹事井上神社局長諸氏にして、戸田伯のみは当日墨国大使の参内の為め宮中の御都合ありて欠席せり席定まるや原会長は明治天皇神社奉祀の為め、今回神社奉祀の官制公布せられ、且つ調査委員幹事の任命ありたるも、本年は最早余日なきを以て改めて明春早々調査会を開き、諸般の事項に就き調査研究せられたしとの一場の挨拶を為し、正午食卓を共にし午後一時散会せり


中外商業新報 第九九三八号大正二年一二月二三日 ○奉祀調査内容 水野内務次官談(DK410106k-0005)
第41巻 p.531-532 ページ画像

中外商業新報 第九九三八号大正二年一二月二三日
    ○奉祀調査内容
      水野内務次官談
明治神宮奉建に関する事項を調査審議すべき神社奉祀調査会官制は、別項の如く二十二日の官報を以て発表されたるが、会長は原内相にして、委員は内相の奏請により御裁可を経て内閣に於て任命す、其の任務の性質上各方面より人選したる也、次に奉建地選定云々に関しては国民至誠の致す処勢ひ各地よりの熱望的運動起るべければ、尤も慎重の調査を必要とするのみならず、建造物の様式其他調査上頗る厳密を
 - 第41巻 p.532 -ページ画像 
要する次第にて、従つて尠なからざる時日を費やさざるを得ざるを以て、或は大正三年度中に調査の全部を了するや否や不明にして、之が経費の如きも予備金中より支出するは不穏当なれば、正式予算を踏まざる可らず云々と水野次官は語れり、而して議会間際に至り此の官制の発表を見たるは、即ち前議会に於て満場一致を以て可決したる右奉建案に就き、政府当局が何等の方針を示さゞるに於ては各種の批難あるべきにより、斯くは発表したる者の如く、年内に一回委員会の開催を見ん


中外商業新報 第九九三九号大正二年一二月二四日 ○神社奉祀調査会(DK410106k-0006)
第41巻 p.532 ページ画像

中外商業新報 第九九三九号大正二年一二月二四日
    ○神社奉祀調査会
明治天皇神社奉祀調査会は廿五日午前十一時より内相官邸に於て第一回協議会を開き、原会長より調査会の設立に関する経過報告、並に会長就任の挨拶あり、終つて午餐の終引続き左の事項に関し協議する予定なりと
 一、明治天皇奉祀の社名に関する事
 一、明治天皇奉祀の神社格に関する事
 一、明治天皇奉祀鎮座地の選定に関する件


中外商業新報 第九九四一号大正二年一二月二六日 ○明治神宮奉祀調査会 各自の意見交換(DK410106k-0007)
第41巻 p.532 ページ画像

中外商業新報 第九九四一号大正二年一二月二六日
    ○明治神宮奉祀調査会
      各自の意見交換
予報の如く二十五日午前十一時内山下町内相官邸に於て、神社奉祀調査会第一回委員会を開会す、戸田式部長官を除くの外各委員出席、席上原会長より調査会設立の経過に関し報告あり、夫れより社格の件、名称の件及敷地等に関し各自意見を交換し、終て午餐の饗応ありて午後一時卅分散会したり、当日の議事に就き水野内務次官の談に依れば調査会の内容に付ては未だ内議纏らざる間に之を公表するに於ては、各地に種々の運動を惹起し、遂には不敬に至る事を生ぜんも知れざれば暫く委員に於て秘密を厳守し、他に議事の一段落を告げたる際之れを公表する事に決せり云々


渋沢栄一 日記 大正三年(DK410106k-0008)
第41巻 p.532-533 ページ画像

渋沢栄一日記 大正三年         (渋沢子爵家所蔵)
一月四日 快晴 風アレトモ寒気強烈ナラス
午前八時起床、静坐入浴畢テ朝飧ヲ食ス、後、室田消防本部長来ル、秩父郡野上村外四村民来リ明治神宮建設ノ事ニ付請願ノ旨申出ル○下略
   ○中略。
一月十五日 快晴 寒気厳ナラス
○上略 一時内務大臣官邸ニ抵リ神宮奉祀委員会ニ出席ス○下略
   ○中略。
一月十八日 曇 寒威強シ
午前九時起床、静坐シテ洗面ス、後朝飧ヲ食ス、但昨夜来風邪気ニテ晏起セルナリ、箱根仙石原勝股市五郎来リ、神宮奉祀ノ事ヲ請願セラル、依テ過日来委員会ノ経過ヲ略述シ、無用ノ奔走ナカラン事ヲ告示
 - 第41巻 p.533 -ページ画像 
ス○下略


竜門雑誌 第三〇九号・第八四頁大正三年二月 ○神社奉祀調査委員会(DK410106k-0009)
第41巻 p.533 ページ画像

竜門雑誌 第三〇九号・第八四頁大正三年二月
○神社奉祀調査委員会 先帝の神社奉祀調査委員会は、一月十五日午後一時より内務大臣官邸に於て開かれたり、会長原内務大臣・青淵先生其他の各委員出席協議の結果、明治神宮奉祀の位置は愈々東京に確定せられたりと云ふ


東京日日新聞 第一三三五三号大正三年一月一六日 神社奉祀委員会(DK410106k-0010)
第41巻 p.533 ページ画像

東京日日新聞 第一三三五三号大正三年一月一六日
    神社奉祀委員会
明治神社奉祀調査委員会は十五日午後一時より内相官邸に於て開会、原会長、奥・井上両大将、蜂須賀枢密顧問官・徳川貴族院議長・戸田式部長官・大岡衆議院議長・渋沢男爵・山川東京帝国大学総長・水野内務次官の各委員及幹事井上神社局長等出席協議をなし、午後三時散会せり


中外商業新報 第九九六〇号大正三年一月一七日 ○明治神宮奉祀地 愈々東京と決定(DK410106k-0011)
第41巻 p.533 ページ画像

中外商業新報 第九九六〇号大正三年一月一七日
    ○明治神宮奉祀地
      愈々東京と決定
明治神宮奉祀地に就ては、予て夫々候補地を指定して運動する者多くその数実に十数個所に達せしが、十五日神社奉祀調査会の協議会に於て種々審議の結果、明治天皇と甚深の関係を有する東京を以て最好適地なりとし、之に決定せる旨十六日内務次官より発表せるが、その敷地位置は尚明言されざるも、既報の如く青山練兵場及代々木御料地附近なる可し


竜門雑誌 第三一〇号・第九三―九四頁大正三年三月 ○明治神宮奉祀地(DK410106k-0012)
第41巻 p.533 ページ画像

竜門雑誌 第三一〇号・第九三―九四頁大正三年三月
○明治神宮奉祀地 明治神宮の敷地に関しては青淵先生は兼てより尽力せられたる処なりしが、去る二月八日の日曜日に、神宮奉祀調査委員青淵先生始め一同にて戸山の原・代々木御料地・青山の原に出張、実地を検分する所あり、其の結果を十五日内務大臣官邸に開催したる委員会に報告して、協議の結果、衆議一致して愈々代々木と決定せる由


中外商業新報 第九九九〇号大正三年二月一六日 ○神宮御造営委員会(DK410106k-0013)
第41巻 p.533 ページ画像

中外商業新報 第九九九〇号大正三年二月一六日
○神宮御造営委員会 渋沢・近藤両男並に中野会頭等の明治帝神宮御造営委員は、十五日午前十時商業会議所に委員会を開き協議せり


中外商業新報 第一〇〇一四号大正三年三月一二日 ○箱根に神宮奉祀を請願す(DK410106k-0014)
第41巻 p.533-534 ページ画像

中外商業新報 第一〇〇一四号大正三年三月一二日
    ○箱根に神宮奉祀を請願す
明治神宮奉祀の地は奉祀調査会に於て調査の結果、已に東京と確定し代々木御料地及び青山練兵場附近一帯の地を以て之に充つる事に内定せるが、神奈川及び静岡両県の有志は箱根の地を以て
△最も好適 なるものとし、同地に奉祀され度き旨一昨年来宮相及び
 - 第41巻 p.534 -ページ画像 
内相に対し請願書を差出したるが、今回更に衆議院議長宛請願書を呈出するに至れり、乃ち代々木及び青山の地域は東京市街の塵寰に隣接し、加ふるに土地平坦にして空漠自ら山陵廟所の旨に副はず、俗塵不浄の気神威を冒涜する無きを保し難きに反し、箱根は地高燥にして風光明媚且つ幽邃森厳よく敬虔の念を惹起す可く、明治天皇御通輦の際数回行在所に定められたるのみならず、現に離宮の存するありて由緒も深く、就中
△神宮山の名称 因縁浅からず、而して帝都を去る僅に二十余里にして交通機関も既に備り、各地よりの参拝者は交通の便極めて多く、何れの点より見るも天下無比最善最適の神都たるを得可しとの理由にて若し明治神宮奉祀の
△目的を達す るを得ば、箱根町村会は箱根離宮附属地二千有余町歩に接続せる町村有地八百有余町歩の内より、必要に応じて土地・立木及労力等一切を献納するは勿論、万斛の赤誠を以て聖旨に背かざるを期すと言ふにありて、夫々運動中也


中外商業新報 第一〇〇六三号大正三年四月三〇日 ○神宮奉祀調査会(DK410106k-0015)
第41巻 p.534 ページ画像

中外商業新報 第一〇〇六三号大正三年四月三〇日
    ○神宮奉祀調査会
大隈首相は神宮奉祀調査会長の資格を以て、廿九日午前十一時下岡次官其他左記同調査委員を永田町首相官邸に召集し、前内閣より引継ぎたる明治天皇奉祀調査の件に関し協議する所あり、終つて午餐を共にし散会したるが、該調査費は追加予算の形式なりしを以て、予算の不成立に関せず通過し居れば、向後も何等差支無く調査の歩を進むる筈なりと
 奥保鞏△井上良馨△戸田氏共△山川健次郎△渋沢栄一△水野錬太郎△奥繁三郎△阪谷芳郎△福羽静人△井上友一△大谷靖△三上参次△萩野由之△伊東忠太△関野貞△荻野仲三郎△幹事山田準次郎


中外商業新報 第一〇〇六七号大正三年五月四日 ○神宮御造営費(DK410106k-0016)
第41巻 p.534 ページ画像

中外商業新報 第一〇〇六七号大正三年五月四日
    ○神宮御造営費
内務大臣を委員長とせる明治神宮奉祀調査委員会の調査事項は昨今漸く具体的に進行し、加ふるに特別調査委員会を設け、阪谷東京市長を始め数氏の任命あり、五日第二回の委員会に於て御社名及御造営の方針を決定すべく、一面之が実地調査の為め伊東博士外三名を嘱托し、目下神宝類・境内・建物・御社名・調度品等に付細密調査中なるが、御造営に要する一切の経費は約二百七十余万円なるやに伝へらる


中外商業新報 第一〇〇九八号大正三年六月四日 ○明治神宮と決定 特別委員会通過 井上神社局長談(DK410106k-0017)
第41巻 p.534-535 ページ画像

中外商業新報 第一〇〇九八号大正三年六月四日
    ○明治神宮と決定
      特別委員会通過
      井上神社局長談
神社奉祀調査会に於ては兼てより特別委員を選定し、御社名に付て慎重調査中なりしが、委員間に於ては始め明治神宮と内決したるも、其後に至り千代田神宮・武蔵神宮の両説起り種々論議せられたるが、最
 - 第41巻 p.535 -ページ画像 
近に至り特別委員会は満場一致を以て最初の明治神宮と確定し、本月末開会の総会に報告せらるゝ事となれり、尚委員会は今後進んで外苑殿内設備、境外の通路等の調査に取り掛るべし云々


中外商業新報 第一〇〇九九号大正三年六月五日 ○神宮委員社殿実査(DK410106k-0018)
第41巻 p.535 ページ画像

中外商業新報 第一〇〇九九号大正三年六月五日
    ○神宮委員社殿実査
神社奉祀調査会特別委員会が御社名を「明治神宮」と議決せる事は既報の如くなるが、更らに同委員会は、内殿其他建築設計に付ても、大体の議を決し居れるも、愈々確定案を作成製図するの必要あるより、今後毎日曜日(最近は七日)を期して、各委員は日光の廟舎(権現作り)千葉県香取神社(流れ作り)靖国神社(神明流れの折衷)の三社殿の実地視察調査、並びに日枝神社(楼門)等を実査し、其結果を参酌して設計製図を作り、委員総会に附議する筈なりと


中外商業新報 第一〇一一三号大正三年六月一九日 ○神宮調査完了 奉献費三百万円(DK410106k-0019)
第41巻 p.535 ページ画像

中外商業新報 第一〇一一三号大正三年六月一九日
    ○神宮調査完了
      奉献費三百万円
神宮奉祀調査会にては明治神宮奉献に関する諸種の事項に就き、屡々特別委員会を開きて審議を重ね来りたる結果、既に之が事項も大略調査済みとなり、余す処は只奉献費の予算に関する件のみとなりたれば今十九日開会の同委員会に於て決定すべく、之れにて該調査事項も完了する次第なれば、来月早々本会議を開き附議決定の上勅裁を仰ぎて発表する手筈なり、因に該奉献費は三百万円内外にて六ケ年継続事業たるべしと


中外商業新報 第一〇一一四号大正三年六月二〇日 ○神宮奉祀調査結了 七月二日総会附議(DK410106k-0020)
第41巻 p.535-536 ページ画像

中外商業新報 第一〇一一四号大正三年六月二〇日
    ○神宮奉祀調査結了
      七月二日総会附議
明治天皇奉祀調査特別委員会は十九日午前九時より内務省に於て開会過去二ケ月間に亘り十回の開議を以て可決したる諸事項全部を整理し当日を以て全く閉会したるが、来七月二日総会を開きて之れを報告し全部確定を見る次第なり、今其内容を聞くに左の如し
△委員会の特長(一)専門に属する事項は各専門家より詳細なる意見書を提出せしめ、之れに依りて慎重審議を凝らしたるが、之は調書を後世迄伝へん為めなりと(二)重なる議決事項に就いては必らず専門委員を実地に派遣して調査せしめたり、其箇所は東照宮・香取神宮・靖国神社・日枝神社・上下両加茂神社・稲藤神社・北野神社・平安神宮・出雲大社等なり
△御社名 主として歴史上の調査に待つべきものなるを以て、斯道の大家三上・萩野両文学博士並びに荻野学士之れが主査となり、由緒調査の上明治神宮と称し奉るべき事に決定したるも、陛下の御裁可を奉請したる上公表せらるべしと
△御造営 専門家伊東・関野両工学博士を主査となし、之れに従来造神宮に関係ある技術家を補助となせるが、愈々着手の際には尚ほ二
 - 第41巻 p.536 -ページ画像 
三建築学者を加ふる筈なりと、尚ほ御造営の方針としては最も荘厳且質実なる事を期し、一切の技巧を避け、努めて雄偉の趣を現はさん事を期するを以て、御用材は檜の良材を用い、一切白木造りとなすべく、又様式は古来神社建築中の最も粋を抜きたる流造となす、現在の京都府鎮座の加茂神社を始め、多くの神社は何れも此格式に採れるものにして、此等の内につき最も荘厳なる様式を採る筈なり
△内苑 代々木内苑は総面積廿万坪にして、林泉森林高低あり、之れ等を利用して天然の風致即ち神林を造らん計画なり、現在南方の御苑は嘗て明治天皇行事あらせ給ひし処にして、昭憲皇太后陛下は七回迄も行啓あらせられ、時々釣魚の御慰みありし極めて御因縁ある処なり、今回御造営あらせらるべき神宮は其北方なる最高地点に南面せるものなりと
△外苑 青山練習場を以つて最も適当なりとせらるゝも、之れは東京市の実業家其他有志の奉賛に依るべき事なるを以て、近く此等関係人士の協議に依り決定せらるゝべしと
△殿内飾付 一切並に神宝の調製は、荻野・宮地両学士と宮司中の二三専門家、並に皇典講究所員より組織せらるゝ特別小委員会にて調査する筈なるが、其主眼は故実を調査して正確なるものを調製奉納するにあり、要するに之れ等は神宮を中心として我国建築の粋、歴史の長所、祭典・神事の美を之に依りて現はさんとするにあり
△御社格 世間に於ては伊勢大廟と比するものあれども、大廟は我邦唯一の尊厳し奉るべきものにして決して之れと比較し奉る可きものにあらず、御社格は官幣大社と決定せらると
△参道 近藤内務技師主として調査せられ、南方・北方の二筋に設けらるゝ都合也と
△御造営費 市来主計局長・井上神社局長・堀田会計課長等主として調査に従事し、十月末迄に大蔵省に廻附し、来四年四月一日より工事に着手さるべき見込にて、経費は三百万円、六年間継続に決すべしと


中外商業新報 第一〇一二七号大正三年七月三日 ○神宮奉祀案決定 二日於同総会(DK410106k-0021)
第41巻 p.536 ページ画像

中外商業新報 第一〇一二七号大正三年七月三日
    ○神宮奉祀案決定
      二日於同総会
明治天皇奉祀調査委員会は二日午後一時より内務省に総会を開き、阪谷特別調査委員長より設計及び予算の内容に関する特別委員会の経過を報告し、協議の結果、同特別委員会の原案を(六月二十日本紙参照)承認可決し、玆に全く確定を見るに至れり


中外商業新報 第一〇一二八号大正三年七月四日 ○神社第二回総会(DK410106k-0022)
第41巻 p.536-537 ページ画像

中外商業新報 第一〇一二八号大正三年七月四日
    ○神社第二回総会
神社奉祀調査会第一回総会に於て御社名、例祭日、建物の様式、殿内の設備、建物の配置及昭憲皇太后合祀に関する建議案等、何れも特別委員会の決定通り満場一致を以て可決したるが、来る六日午後一時半より内山下町内相官邸に於て第二回総会を開き、残余の事項たる供物
 - 第41巻 p.537 -ページ画像 
殿・青山外苑御参道及び二三の事項を附議、之れにて特別委員会に於ける調査事項は全部確定すべく、而して御造営に関する一切の経費は二日の総会に於て大体委員会査定案たる三百万円内前後に決定の意嚮にして、今後各種調査及設計の完成と共に決すべき方針にて、今尚ほ調査中なりと


竜門雑誌 第三一四号・第六五頁大正三年七月 ○明治神宮奉祀(DK410106k-0023)
第41巻 p.537 ページ画像

竜門雑誌 第三一四号・第六五頁大正三年七月
    ○明治神宮奉祀
青淵先生が其委員たる神社奉祀調査委員会第六回総会は、七月二日午後一時半内務大臣官邸にて開会、大隈会長、徳川・奥の貴衆両院議長井上・奥両元帥・蜂須賀侯・戸田伯・青淵先生等以下二十余名出席、左の諸項を満場一致にて可決せり
  御社名      明治神宮
  例祭日      十一月三日
  社殿の種類    本殿・拝殿
           廻廊・勅使殿・直会殿・神門
  社殿の様式    白木造流屋式
  社殿の材料    白木
尚昭憲皇太后合祀の件を可決し、同御殿につき協議を重ねたり、因に神社奉祀に関しては最も慎重叮寧を旨としたるたるため、各専門家は各種の神社十余社に亘りて調査研究し、其の結果は単に口頭に止めず一々其の意見を書類となし、以て永く後世に伝ふるものなりと


中外商業新報 第一〇一三一号大正三年七月七日 ○明治神宮 奉祀調査会決定(DK410106k-0024)
第41巻 p.537-538 ページ画像

中外商業新報 第一〇一三一号大正三年七月七日
    ○明治神宮
      奉祀調査会決定
明治天皇奉祀に関する神社奉祀調査総会は六日午後一時半より内相官邸に於て開会し、大隈会長を初め徳川公、奥・井上両元帥、蜂須賀侯戸田伯・渋沢男・阪谷男・下岡内務次官・奥衆議院議長・水野法学博士等の各調査委員二十余名出席、阪谷特別委員長より前会に引続き特別委員会の成案に就き詳細の説明あり、井上神社局長更に之を補足したる上採つて以て原案とし慎重協議に移りたるが、大体は前回に於て略定し居ることゝて、当日は主として殿内装飾・内苑・外苑・参道及予算等の七件につき極めて鄭重に論議攻究したる結果、大要左記の如く決定し午後六時散会したるが、尚ほ微細の事項並に実際上の詳細に就ては、各種嘱託専門家の協議を必要とすべきも、大体の方針は当日を以て玆に決定を告げたる訳にて、此大体の決定を骨子とし、特別委員中の当局者に於て今後三ケ月を費やして之が予算を作成し、来る十一月初旬までに提出以て総会に附議すべく、其の上にて大蔵省へ廻わし、軈て勅裁を仰ぐべしといふ
△御社名 明治神宮と称へ奉る
△御社格 官幣大社
△御神宝 古実《(故)》を調べ模範的のものとす
△御合祀 昭憲皇太后を合祀し奉る
 - 第41巻 p.538 -ページ画像 
△御社殿 本殿・拝殿・勅使殿・直会殿・廻廊・神門
△御建築 流れ作りにして雄偉崇厳の様式に則る
△御用材 檜の良材を用ゐ白木造りとす
△御装飾 質美を尚び我国歴史の粋を抜く
△御場所 代々木野の北方の丘上南面して奉建す
△御内苑 天然の風致を失はず神林を造り泉池を善用す、而して植樹は神殿の周囲を高林とし、表土を改良して杉檜三十万本を殖《(植)》ゆ
△御参道 車道と人道とに別ち、常緑樹の並木を列ね、荘重の観を為さしむ
△境内保護 境内の煙害・砂害・火災を防ぐため外廓に周囲二里半の土塁を築き、堤上闊葉樹を植ゆ
△御外苑 国民の誠意に出でたる奉賛会の手に竢つ(経費百五十万円)
△御例祭 十一月三日
△総予算 奉建費予算は内苑のみにて二百万円、外苑を合すれば先づ三百万円内外にて、大正四年四月起工の六ケ年継続事業


中外商業新報 第一〇一五五号大正三年七月三一日 ○神宮境内植樹(DK410106k-0025)
第41巻 p.538 ページ画像

中外商業新報 第一〇一五五号大正三年七月三一日
○神宮境内植樹 明治神宮奉祀調査会にては、来る八月河瀬・本多の両林学博士をして神宮境内に植樹すべき樹木に関し実地調査に取掛らしめ、予算決定の上は明春直ちに植樹に着手せしむべしと


中外商業新報 第一〇二四六号大正三年一〇月三〇日 ○明治神宮設計決定 総工費三百余万円(DK410106k-0026)
第41巻 p.538 ページ画像

中外商業新報 第一〇二四六号大正三年一〇月三〇日
    ○明治神宮設計決定
      総工費三百余万円
明治神宮奉祀調査特別委員会は二十九日午後三時より内務大臣官邸に於て開会、阪谷委員長以下各委員出席
△社殿の設計は(一)御垣内約六千坪(二)御建物六百坪(三)御本殿三十坪(四)拝殿六十坪(五)境内は大体常緑樹を混植し(六)境内社殿の周囲、参道の両側四十間は、特に杉・檜を植樹して神聖なる森を造ることに伊東博士の報告通り決定し、次で
△造営費予算(一)予算(二)境内植樹の件(三)神宝装飾の件(四)献木の樹種及び条件(極端の苗木は取らず)(五)御造営に伴ふ諸祭典等の諸件を議了して七時散会したるが、神宮奉建費の総額及継続年度左の如し
一、社殿御造営費 三百万円
二、其他土工費 四十万円
  合計 三百四十万円
三、工事の完成年度 大正四年度より向ふ六個年
四、大正四年度の工費要求額 大約七十万円の由也
因に神宮奉祀調査特別委員会は二十九日を以て終了したるを以て、来月三日午後一時より調査総会を開きて、特別委員会の経過結果を報告して最後の決定を告ぐる筈の由


中外商業新報 第一〇二五一号大正三年一一月四日 ○明治神宮奉祀決定 社殿は質実荘重、神苑は幽邃森厳 其の十一月三日総会を開き決す(DK410106k-0027)
第41巻 p.538-540 ページ画像

中外商業新報 第一〇二五一号大正三年一一月四日
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    ○明治神宮奉祀決定
      社殿は質実荘重、神苑は幽邃森厳
      其の十一月三日総会を開き決す
神社奉祀調査委員会最終総会は、憶出多き三日午後一時より開会、大隈会長以下徳川公・蜂須賀侯、奥・井上両元帥、渋沢男・下岡・水野・井上・奥・三上・伊東・阪谷男・久保田の各委員及び市来・近藤氏等出席す、開会前大隈会長は招待会を開きて一場の感謝的挨拶を為し、奥元帥答辞を述べ、終りて開議、左の如く愈々決定せり
      △社殿様式
社殿の様式は本殿を流造とし、其の他は之と調和すべき形式を採り、檜素木造とす(流造とは平安朝より始まる神明造(伊勢両宮が其れ也)に向拝を附し、曲線形の屋を冠せしむ、規摸の大小、手法の煩簡一ならず、而して流造の実例は賀茂別雷神社・賀茂御祖神社に在り)
      △設計内容
 社殿設計の本義は質実荘厳を旨とし、殿舎門廊相依りて全体の規摸を整備し、其の結構を鄭重にせんことを期す、即ち普く古例に鑑みて其の宜きに従ひ計画を立つ
 (一)規摸及配置 神社の規摸に関しては拠るべき標準あらず、社殿の偉大なるものに出雲大社・靖国神社あり、殿舎配置の広大なるものに厳島神社・男山八幡宮・北野神社等あり、配置の婉曲を以て勝るものに春日神社・両賀茂神社あり、建築の華麗なるものに日光東照宮等あり、然れども以上諸社の規摸には各一長一短あるを免れず、以て悉く摸範とすべからざるものあり、要するに社殿の偉大なるもの必しも全体の規摸に於て大ならず、全体の規摸の広大なるもの必しも社殿配置の妙を得たるにあらず、今明治天皇・昭憲皇太后奉祀神宮に於て撰まんと欲する所は、其の殿舎の徒に尨大なるに非ず、殿舎敷地の徒に広闊なるに非ず、只其大さに於て常に其の宜きに適せんことゝ、殿舎門廊に大小広狭の権衡を失はざらんこと之なり、即ち其の本殿は建坪約三十坪にして、拝殿は約六十坪、以下諸殿舎の規摸は之に適ひ、総建坪六百五十坪に達し、玉垣内総地積は約六千坪の見込なり、殿舎の配置に関しては深く古来の実例に鑑み、従来各社に於て祭典上其の他に不備を感じたる幾多の欠点を補充し、以て完全なる理想的配置を得んことを努めた
 (二)様式及手法 建築様式は前記の如く流造とせり、但し流造にも亦幾多の種類あり、玆に撰定せんと欲する所は即ち其の最正格に近きものにして、質実荘重の風貌を備へ、適宜に明治・大正の新手法を適用して、以て益々其の美を発揮すべきなり
 (三)材料及構造 其主要なる殿舎の用材は、之を木曾御料林の檜材に取り、鳥居・勅使殿・参集所等は台湾阿里山の檜材を用ゐ、其の他帝国領土各地方の木材を随所に適用せんことを期す
      △内苑考案
 内苑計画の本義は神苑たるに相応はしき幽邃森厳なる風致を作るにあるを以て、可成天然の趣を存し、小工を弄せざらんことを努む
 (一)全体の計画 内苑の全体の計画は既記の如し
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 (二)周囲の設備 周囲に溝及塁を繞らす、溝広さ六尺、深さ四尺、土塁高さ五尺、馬踏五尺、上にはイヌツゲ其の他之に類する樹木を植ゆ、土塁内面の傾斜を緩やかにし、斜面に適宜の常緑樹を植ゆ、但し鉄道に面する側は土塁を高くし斜面に樹木を植ゆ、右土塁内部斜面に於ける植樹は土塁と相俟ち防火・防塵・音響遮断等専ら外囲の障屏たるに適する相当の設備と為さんとす、従つて風致を損せざる範囲内に於て該目的に有利なる常緑樹等を適宜栽植す
 (三)参道 参道は境内入口より普通下乗の地点まで、恰も自然の森林を切り開きて道を作れるか如き体裁とす、即ち中央に幅六間の車道を作り、左右に三間の植樹帯を取り、更に其の外に、左右幅一間半の歩道を作り、歩道の外方更に、各十二間半の森林帯を作る、即ち全幅員四十間となる、但し現場の状態に依り、適宜取捨することあるべし
 (四)苑内道路 内苑内の主要道路は幅約四間、割栗小砂利敷とし、小道路は裏門通りを幅員約二間半とし、其の他は六尺乃至九尺とし、路面は小砂利敷とし、櫛形に作りて両端に自ら排水溝を生ぜしめ、道路と林地とは常緑灌木又はササ等を以て自然の境を為す
 (五)樹林の配置 社殿の後方一万数千坪は之を第一区とし、背景として適宜小丘を築き密林と為す、此にスギ・ヒノキ・ヒバ・ネヅコ・ツガ・モミ・カヤ・アララギ等を補植し、御垣内にはクス・シヒ・カシ等を適宜に栽植し、道路の両側は可成斜面とし、在来の斜面は其の儘に之を保存し、高三間内外のスギ・ヒノキ・クス・カシ・シヒ等を栽植し、其の下には矮生陰樹を植ゆ
 (六)苑池 苑の西北の一部に小丘を築く、之に要する土は其の麓に作るべき池より取る、樹林と対照の為随所芝生地を作り、在来の南池及東池は之を整理して風致を加ふ
 其他要するに大体に於て阪谷特別委員長の報告を承認せり、総予算三百万円、四年度予算八十万円、六ケ年継続事業にして、調査会決定及協議の主要事項左の如し
  鎮座地を代々木なる南豊島御料地に御治定を仰ぐこと△明治神宮奉祀神宮に昭憲皇太后を同殿に奉祀することに御治定を仰ぐこと△例祭日は十一月三日に御治定を仰ぐこと△宝物殿に関すること△神宝仕様考案△内外両苑連絡道路計画に関すること


竜門雑誌 第三一八号・第五七頁大正三年一一月 ○明治神宮奉祀確定(DK410106k-0028)
第41巻 p.540 ページ画像

竜門雑誌 第三一八号・第五七頁大正三年一一月
    ○明治神宮奉祀確定
神社奉祀調査委員会最終総会は、憶出多き十一月三日午後一時より開会せられ、大隈会長以下徳川公・蜂須賀侯、奥・井上両元帥、青淵先生・下岡・水野・井上・奥・三上・伊東・阪谷男・久保田の各委員及び市来・近藤氏等出席す、開会前大隈会長は招待会を開きて一場の感謝的挨拶を為し、奥元帥答辞を述べ、終りて会議の上(一)社殿様式(二)設計内容(三)内苑考案の細目を議決確定して散会せられたり


中外商業新報 第一〇二九四号大正三年一二月一七日 ○神宮予算 神宮々域拡張費 明治神宮御造営費(DK410106k-0029)
第41巻 p.540-541 ページ画像

中外商業新報 第一〇二九四号大正三年一二月一七日
 - 第41巻 p.541 -ページ画像 
    ○神宮予算
      神宮々域拡張費
      明治神宮御造営費
政府は十六日衆議院に、神宮宮域拡張費及明治神宮御造営費予算を大正四年度総予算案追加第三号を以て提出せり、其内容左の如し
  △明年度神宮拡張及明治神宮御造営費予算
 歳入臨時部
                            円
  前年度繰入金              六一六、二三三
 歳出臨時部(内務省所管)
  神宮宮域拡張費              五〇、八〇九
  明治神宮御造営費            五六五、四二四
   計                  六一六、二三三
因に明治神宮御造営費は明年度以後六ケ年継続支出せらるべく、其総額及年割額左の如し
  △明治神宮御造営費継続予算
 総額                 三、四五七、三七九
   内
  御造営費              三、〇二八、九〇六
  境外道路補助費             三〇〇、〇〇〇
  土地買収及土工費            一二八、四七三
  △同上年度割額
  大正四年度               五六五、四二四
  同五年度                八五四、三四二
  同六年度                七四一、七〇三
  同七年度                七二三、〇六八
  同八年度                四四八、六六二
  同九年度                一二四、一八〇


中外商業新報 第一〇三〇六号大正三年一二月三〇日 ○明治神宮予算(DK410106k-0030)
第41巻 p.541 ページ画像

中外商業新報 第一〇三〇六号大正三年一二月三〇日
    ○明治神宮予算
第三十五帝国議会の協賛を経たる明治神宮御造営費は、政府より上奏御裁可を仰ぎ、二十九日の官報を以て公布せられたり


官報 第八二二号大正四年五月一日 ○勅令(DK410106k-0031)
第41巻 p.541 ページ画像

官報 第八二二号大正四年五月一日
    ○勅令
朕神社奉祀調査会官制廃止ノ件ヲ裁可シ、玆ニ之ヲ公布セシム
 御名 御璽
  大正四年四月三十日
             内閣総理大臣 伯爵 大隈重信
             内務大臣   子爵 大浦兼武
勅令第五十八号
神社奉祀調査会官制ハ之ヲ廃止ス
      附則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス

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青淵先生公私履歴台帳(DK410106k-0032)
第41巻 p.542 ページ画像

青淵先生公私履歴台帳          (渋沢子爵家所蔵)
    賞典
大正三年十二月廿二日 神社奉祀調査会委員トシテ勤労不尠ニ付、為慰労縮緬一疋贈進候也 内務大臣

各個別青淵先生関係事業年表(DK410106k-0033)
第41巻 p.542 ページ画像

各個別青淵先生関係事業年表       (渋沢子爵家所蔵)
    明治神宮奉建
○上略
 大正二年十一月二十八日
閣議ニ於テ神宮奉建ヲ決定ス
 大正二年十二月二十二日
勅令ヲ以テ神社奉祀調査会官制公布セラル、青淵先生ハ委員ヲ仰付ケラル
 大正三年一月十五日
原内相官邸ニ於テ委員ガ協議シタル結果、明治神宮奉祀ハ東京ニ確定ス
 大正三年二月八日
青淵先生ヲ初メ神社奉祀調査委員ハ戸山ケ原・代々木御料地・青山ケ原ヲ実地撿分シタル結果、代々木ニ決定ス
 大正三年七月二日
内相官邸ニ委員会ヲ開キ、御社名ヲ明治神宮ト決定ス
○下略