デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

4章 道徳・宗教
2節 神社
9款 其他 9. 大神宮御遷宮奉賛会
■綱文

第41巻 p.683-686(DK410148k) ページ画像

昭和4年6月25日(1929年)

是日栄一、伊勢神宮式年遷宮ニ際シ、報知新聞社ノ発起ニ係ル大神宮御遷宮奉賛会ノ顧問トナル。


■資料

報知新聞 第一八八一七号 昭和四年六月三日 梨本宮殿下を総裁に奉戴し 大神宮御遷宮奉賛会二十一年目の盛典に当りて(DK410148k-0001)
第41巻 p.683-684 ページ画像

報知新聞 第一八八一七号昭和四年六月三日
  梨本宮殿下を総裁に奉戴し
    大神宮御遷宮奉賛会
      二十一年目の盛典に当りて
伊勢神宮の式年御遷宮は、持統天皇の御宇以来、毎二十一年目に行はれて今日に至り、最近の御遷宮は、明治四十二年に営ませられたのであるが、今年は丁度その二十一年目に該当するので、夙くから新殿の御造営に着手せられ、今秋十月を以て御遷宮あらせられる。この国祭とも申すべき重大神事に当り、本社は尊皇敬神の実を昭かにし、併せて全国民の奉賽に便せんがため、こゝに大神宮御遷宮奉賛会を組織し
    梨本宮守正王殿下
を総裁に推戴し奉り、本社長侯爵大隈信常会長となり、いよいよ諸般の準備に着手するに至つた。本会施設の細目に就ては追つて発表すべきも、その主なる事業は大要左記の如くである。
  一、御遷宮参拝者の為めに山田市に於て接待・救護・慰安・講演等をなす
  一、記念品を作製して参拝者に無料頒与す
 - 第41巻 p.684 -ページ画像 
  一、各地の参拝団体を後援し其の便宜を図る
  一、現代の名士及び画家の書画を蒐集して神宮に奉献す
                   主催 報知新聞社
(欄外朱書)
 [昭和四年六月二十五日同会ノ顧問タルコトヲ渋沢子爵ニ於テ御承諾セラレタリ
   ○右朱書ハ新聞切抜ノ欄外ニ記入サレタルモノ。当資料編纂所ノ問合セニ対スル同社ノ回答ヲ記入セルモノナルカ。


報知新聞 第一八八六四号 昭和四年七月二〇日 尊皇敬神の顕現 大神宮御遷宮奉賛会 高官名士を網羅した役員(DK410148k-0002)
第41巻 p.684-685 ページ画像

報知新聞 第一八八六四号昭和四年七月二〇日
  尊皇敬神の顕現
    大神宮御遷宮奉賛会
      高官名士を網羅した役員
今秋十月伊勢宇治山田市において執り行はせられる大神宮式年御遷宮にあたり、梨本宮守正王殿下を総裁に奉戴し、本社々長大隈信常侯を会長として、大神宮御遷宮奉賛会を組織し、尊皇敬神の実を昭かにすると共に、広く幾百万参拝者のために便利をはかり、併せて当代の名士及び画家を委嘱して、昭和美術の精髄たるべき書画を神宮へ奉献せんとすることについては、既に社告によつて発表した通りであるが、この全国的歴史的事業を翼賛すべき顧問・理事も次の如く決定承諾を得た
    顧問(承諾順)
  掌典長          公爵 九条道実氏
  皇太后宮大夫       子爵 入江為守氏
  内閣総理大臣          浜口雄幸氏
  内務大臣            安達謙蔵氏
  文部大臣            小橋一太氏
  鉄道大臣            江木翼氏
  貴族院議員        男爵 田中義一氏
  衆議院議員           望月圭介氏
  貴族院議員           勝田主計氏
  衆議院議員           小川平吉氏
  宮内大臣            一木喜徳郎氏
  内大臣          伯爵 牧野伸顕氏
  枢密院議長        男爵 倉富勇三郎氏
  枢密顧問官           江木千之氏
  貴族院議員           水野錬太郎氏
  宮中顧問官        子爵 小笠原長生氏
  貴族院議長        公爵 徳川家達氏
  貴族院議員           高田早苗氏
  衆議院議員           床次竹二郎氏
               子爵 渋沢栄一氏
    理事(承諾順)
  掌典次長         子爵 本多正復氏
  内務政務次官          斎藤隆夫氏
  内務参与官           内ケ崎作三郎氏
 - 第41巻 p.685 -ページ画像 
  衆議院議員           池田敬八氏
  衆議院議員           加藤久米四郎氏
  衆議院議員           浜田国松氏
                  横山助成氏
  宇治山田市長          福地由廉氏
  三重県知事           原田維織氏
  東京美術学校長         正木直彦氏
                  須崎芳三郎氏
                  阪本三郎氏
                  森泰介氏
                  三木七郎氏


大神宮御遷宮奉賛会書類(DK410148k-0003)
第41巻 p.685-686 ページ画像

大神宮御遷宮奉賛会書類         (渋沢子爵家所蔵)
            (別筆)
            昭和五年四月十日報知新聞社内同会事務担当釈黙笑氏持参
    大神宮御遷宮奉賛会事業報告
一、昭和四年九月廿三日日比谷公園新音楽堂に於て
 総裁梨本宮殿下の御台臨を仰ぎ、御遷宮奉祝大会を開催す、会衆約一万二千、余興として、日光東照宮・浅草三社祭、その他神事に関する神楽等を行ふ
一、東京・大阪・名古屋等に於て、神宮関係の参考品を陳列して展覧会を開催す
 東京に於ける展覧会場には
 梨本宮殿下の御台臨を仰ぎたり
 大阪に於ける展覧会場には京都在住の
 神宮斎主久邇宮多嘉王殿下の御台臨を仰ぎたり
一、御遷宮当時、宇治山田駅前、如雪園等に於て、接待・救護を行ひ九条掌典長揮毫の御神号及神宮御造営残木を以て謹製したる剣先形記念品・遷宮由来書等を、無料にて約十五万参拝者に贈呈す、三十五万調製
一、高取稚成画伯に依頼して、目下遷宮絵巻十二巻執筆中、但しその経費は大阪全市小学校児童の寄附による
一、目下神宮に奉献の書画を募集中
一、昨年十一月下旬
 梨本宮両殿下は、奉賛会総裁の御資格を以て、両宮に御参拝あらせられたり
一、全国四十五ケ所に於て、御遷宮に関する講演会を開催す
一、経費は全部本社に於て負担す、但し御残材の記念品のみは、三重県庁及宇治山田市役所に於て経費募集の労をとり、県下有力者これを謹製して奉賛会に寄附す
一、本会は神宮へ奉献の絵巻及書画等の完成を俟つて解散す、予定は本年十月末
            (別筆)
            昭和六年十月頃ニ延期トナル見込
  昭和五年四月十日
 - 第41巻 p.686 -ページ画像 
              大神宮御遷宮奉賛会 大神宮御遷宮奉賛会印
    渋沢事務所
         御中



〔参考〕報知新聞 第一八八九〇号 昭和四年八月一五日 御遷宮の日取り正式決定 けふ官報号外で告示さる(DK410148k-0004)
第41巻 p.686 ページ画像

報知新聞 第一八八九〇号昭和四年八月一五日
    御遷宮の日取り正式決定
      けふ官報号外で告示さる
神宮式年遷宮祭日時は、畏き辺りより仰せ出されたので、十五日の官報号外を以て、左の通り宮内・内務両大臣から告示する事になつた
    神宮式年遷宮祭日時
 皇大神宮(内宮)
  遷御 昭和四年十月二日午後八時
  奉幣 同年同月三日午前十時
 受豊大神宮(外宮)
  遷御 昭和四年十月五日午後八時
  奉幣 同年同月六日午前十時
なほ十三別宮の遷御は、十月十日より十二月十日までの間において行はるゝ旨、畏き辺より仰せ出された

渋沢栄一伝記資料 第四十一巻 終