公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15
第42巻 p.331-333（DK420081k） ページ画像
昭和4年5月17日（1929年）
是年七月十一日ヨリ二十一日迄、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ウィリアムズ大学於ニテ、国際基督教聯盟会議開カル。日本基督教聯盟ハ之ニ代表二名ヲ派遣セントシ、是日、会長小崎弘道ハソノ資金調達ヲ栄一ニ請フ。栄一、森村市左衛門・古河虎之助及ビ服部金太郎ニ対シテ紹介ノ労ヲ執リ、自ラモ金二百五十円ヲ寄付シテ之ヲ援助ス。
東京基督教青年会書類（DK420081k-0001）
第42巻 p.331-332 ページ画像
東京基督教青年会書類 （渋沢子爵家所蔵）
（別筆）
五月二十日入手
昭和四年五月十七日
日本基督教聯盟
会長 小崎弘道
渋沢子爵閣下
謹啓、爾後御疎遠に打過申候処、御健康如何に御座候哉奉伺上候
扨今般米国に於て開かるゝ国際基督教聯盟会議に我邦代表を派遣致度存じ、別紙の如く計画仕り候
而る処本聯盟に於ては何分資金の用意不充分にて、漸く予算半額を調達致し候次第、日米親善関係上閣下の特段なる御尽力に依り御援助奉仰度右懇願仕候 敬具
（別紙）
東京市神田区表猿楽町十番地
日本基督教聯盟
国際会議へ代表派遣ノ計画
一、会議 国際宣教聯盟常務員会議
二、会期 七月十一日ヨリ同廿一日マデ十一日間
三、場所 北米マサチユセツツ州ウヰリアムス町ウヰリアムス大学
四、会議の性質
（イ） 各国民族ノ宗教的現状ニ関スル調査報告
（ロ） 各国民ノ精神教化方針ニ関スル協議研究
五、各国代表
オーストラリア合同宣教聯盟 一名
コンゴー 新教宣教会 一名
同 プロテスタント聯盟 一名
中華民国基督教聯盟 二名
独逸福音宣教聯盟 一名
巴里福音宣教聯盟 一名
大英国及愛蘭宣教聯盟 五名
印度、ビルマ及セーロン基督教聯盟 二名
日本基督教聯盟 二名
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朝鮮基督教聯盟 一名
南米協力委員会 三名
和蘭協議委員会 一名
蘭領東印度聯盟 一名
北米（合衆国及加奈陀）外国伝道会議 七名
北欧宣教会議（丁抹、和蘭、ノルウエー、スエーデン） 二名
比律賓島福音聯盟 一名
南アフリカ宣教聯盟 一名
スヰツランド宣教会同盟 一名
南アジア及北アフリカ聯盟 二名
計 三十七名
六、日本代表（二名）
日本基督教聯盟総幹事 海老沢亮
仙台、東北学院長 D・B・シユネダー博士
七、代員派遣費予算
総額 金四千円也
右ノ内半額ハ調達済
東京基督教青年会書類（DK420081k-0002）
第42巻 p.332 ページ画像
東京基督教青年会書類 （渋沢子爵家所蔵）
拝啓、益御清適奉賀候、然ば基督教信徒間に信用厚き小崎弘道氏の来談によれば、来七月初旬米国マサチユーセツツ州ウヰリアムス大学に於て世界基督教宣教大会開催せらるゝに付、日本より二名の代員（一名は外国人、一名は邦人）を派遣する様先方より申越有之、尚ほ右代員の旅費は金四千円にして、其内弐千円は外国宣教師側の負担、残額は邦人側にて募集致すことゝ相成居る由に候、小崎牧師は日本基督教聯盟の会長として募金の衝に当られ、来る十二・三日頃まで右金額調達の必要上、切りに奔走せられ、尚壱千円の寄附を仰ぎ度き由にて、老生に援助を懇請せられ候に付、御承知の通り老生は基督教信者には無之候得共、小崎牧師とは従来懇親の間柄にも有之、且つ今回の企図も日米両国親善の一助と存じ、金弐百五拾円寄附致候間、毎々御迷惑恐縮の至りに候得共、尊台に於て金弐百五拾円也御寄附被下候様願上度、海老沢亮氏を拝訪為致候間、宜敷御配慮被下度候
右拝願旁得貴意度如此御座候 敬具
昭和四年六月七日
渋沢栄一
子爵渋沢栄一殿
○右ノ書翰控ニハ日本基督教聯盟総幹事海老沢亮ノ名刺添付セラル。
（小崎弘道）書翰 渋沢栄一宛 昭和四年六月一四日（DK420081k-0003）
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（小崎弘道）書翰 渋沢栄一宛 昭和四年六月一四日 （渋沢子爵家所蔵）
昭和四年六月十四日
小崎弘道印
渋沢子爵閣下
謹呈、今般国際基督教聯盟之会議へ代表派遣ニ就てハ特ニ御援助を賜ハリ、且森村・古河両男及服部氏へ御頼み被下、御蔭を以て総計壱千
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円之御寄附を戴き、御芳志之段奉鳴謝候、不取敢御礼迄申出候、終ニ閣下之御健康を祝し奉り候 敬具