デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

4章 道徳・宗教
5節 修養団体
4款 財団法人修養団
■綱文

第43巻 p.650-652(DK430143k) ページ画像

昭和2年3月27日(1927年)

是日栄一、森村開作ト共ニ当団支部幹部会出席者ヲ、日本工業倶楽部ニ招キテ晩餐会ヲ催ス。栄一出席シテ挨拶ヲ述ブ。


■資料

集会日時通知表 昭和二年(DK430143k-0001)
第43巻 p.650 ページ画像

集会日時通知表 昭和二年         (渋沢子爵家所蔵)
三月廿七日 日 午後四時 修養団各支部団長晩餐御出向(工業クラブ)


竜門雑誌 第四六三号・第七五頁 昭和二年四月 青淵先生動静大要(DK430143k-0002)
第43巻 p.650 ページ画像

竜門雑誌 第四六三号・第七五頁 昭和二年四月
    青淵先生動静大要
      三月中
廿七日 修養団支部長慰労晩餐会(日本工業倶楽部)


向上 第二一巻第五号・第四二頁昭和二年五月 ◇工業倶楽部の招待会(DK430143k-0003)
第43巻 p.650-651 ページ画像

向上 第二一巻第五号・第四二頁昭和二年五月
    ◇工業倶楽部の招待会
 渋沢・森村両顧問の支部幹部会出席者招待会は、午後四時から丸の内工業倶楽部で行はれた。渋沢・森村両顧問、平沼団長、二木・宮田両常務理事、蓮沼主幹、竹内・牧野・島各理事、瓜生後援会幹事長、
 - 第43巻 p.651 -ページ画像 
清水評議員及び全国支部、支部聯合会幹部会来会者一同、先づ休憩室で歓談を交はしお互に紙一枚の隔てもない総親和の理想態を現はし、午後五時から食堂を開き一同食卓につく、食事終らんとして渋沢顧問は修養団の各地支部幹部の来会を感謝し、永年の奮闘をねぎらひ親のやうな心持で招待会の挨拶があり、兵庫県聯合会長岸田軒造君は一同を代表して真情其のもの、熱血其もの、誠心誠意の結晶其ものといつた歓喜溢る謝辞を呈し食堂を閉ぢた。


論文其他草稿類(一) (渋沢子爵家所蔵) 修養団の必要いよいよますます加はる 子爵 渋沢栄一(DK430143k-0004)
第43巻 p.651-652 ページ画像

論文其他草稿類(一)           (渋沢子爵家所蔵)
    修養団の必要いよいよますます加はる
                       子爵 渋沢栄一
  本篇は過般開かれた全国各地修養団支部及び支部聯合会第三回幹部会参会者招待会の席上、渋沢子爵が親しく語られた談話の要領であります。
 皆様は、修養団の『愛』と『汗』、『総親和』、『総努力』、『明るき世界建設』の倫理運動のために努力をいたして下さる方々で今回御多忙の身を以て遥かに遠隔の各地から斯くも多数お集りになり、いろいろと熱誠を罩めて斯道のため御協議・御懇談下さることは、誠に御苦労の次第であります。私共は及ばずながら修養団をお援けしてゐる関係から、聊か皆様御慰労の意味で玆に一席の会同をお願ひいたしましたところ、皆様が御疲労の身をお厭ひなくお揃ひでお出で下さつたことは深謝に堪へません。
 私が修養団を知りましたのは今から二十一年前の明治四十二年で、当時蓮沼主幹はまだ一青年の頃、私の所を訪ねて来られ修養団の精神・本領・仕事のことなど熱心に語られました。聴いて見ると如何にも世のため道のため誠に結構であり、且つ必要なことであると思ひましたので、故森村男爵と一緒に進んで陣頭に立つて働くわけには参らないが、蔭ながら後楯になつてお世話をして行かうといふことにいたし引続き今日に至りました。故森村男爵が逝かれた後も現森村男爵が故男爵の志を継いで、全く故男爵と同じ様に終始一貫、修養団のお世話をいたして居られます。
 つらつら現時の世相を観ますと、誠に憂慮すべき事柄が多く、修養団の必要がますます感ぜられて居ります。小は家庭の事から大は社会国家の事に至るまで、愛と汗、総親和、総努力、明るき世界建設に進む修養団の倫理運動の必要といふものが、ますます増してゐるのであります。皆様に国のため世のため努力を願ふべき仕事はだんだん殖える一方であります。
 修養団が愛と汗を二大主義といたして居りますことは皆様の篤と御承知の通りでありますが、これは詞を換へていへば経済と道徳との調和、経済の道徳化で、私が之を唱へ出したのは明治四十年前後と思ひます。修養団の愛と汗といふのが如何にも判り易く、且つ意味深い誠に良い言ひ表し方で、之が今日家庭にも社会にも国家にも最も必要なことであります。
 修養団の此の精神、此の本領、此の生命があらゆる人々、あらゆる
 - 第43巻 p.652 -ページ画像 
社会から受け容れられ確認されまして、今では内地は固より、朝鮮・満洲・台湾に至るまで普及いたして参つて居ります。会館も皆様の御尽力で出来上り、内部の整理・整頓も著々として進み、平沼団長、二木・宮田両常務理事の方々は何れも御多忙の身でありながら、細大漏れなく総て直接に身を以て実際団務に当られて居ります。
 修養団は為すべきことが多う御座ります。此の活動を充分ならしめるためには後顧の憂へなからしむる様にせねばならぬ、それにはどうしても別に後援会を設立して其の方の任務を取り行ふのが急務であるといふところから、有力な実業界の方々の賛同協力を願ひ、後援会といふものが設立されまして、私が会長、森村男爵が委員長になり、団琢磨さん、大橋新太郎さん、青木菊雄さん、矢野恒太さん、服部金太郎さんの五人のお方に常務委員をお願ひし、本当に身を入れ力を戮せて下さることになりました。今の所、申込総額は二十四万余円、払込総額九万余円、未払総額十四万余円といふことになつてゐます。尚ほ之に止めませず努力をつゞけて居ります。


財団法人修養団書類(三)(DK430143k-0005)
第43巻 p.652 ページ画像

財団法人修養団書類(三)          (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
    昭和二年三月二十七日
  第三回支部並聯合会幹部会ニ於ケル諮問案ニ対スル答申案
一、諮問案
   善化網完成ニ就テ
 (イ)各種教化団体並ニ社会運動トノ提携ニ就テ
  1青年団・処女会・在郷軍人会、其他之ニ類スル団体ニ属スル団員ハ修養団精神ヲ以テ其ノ団体ノ為メニ努力スルコト
  2各種社会運動団体ニ属スル団員ハ其ノ団体ニ於ケル修養団精神ノ健全ナル進展ニ努力スルコト
  3各種教化団体並ニ社会運動団体ノ中心人物ニ対シテハ修養団講習ニヨリテ本団精神ノ理解ヲ得ルニ努ムルコト
 (ロ)本団中心人物ノ提携ニ就テ
  1支部及聯合会幹部会ヲ徹底的ニ開催セラレタキコト
  (一)旅費ノ補給 (三等船車賃ノ半額、但シ三等船車賃四円以下ノモノハ二円ヲ超過スル金額)
  (二)期日ノ選定 (三月下旬)
  (三)期間及行事ノ研究 (凡ソ一昼夜懇談ニ重キヲオクコト)
  (四)開催地ノ選定 (東京ニ限ラザルコト)
  2郡県其他地方聯合会ヲ組織シ其ノ活動ノ徹底ヲ期スルコト
  3本部ニ於テ各地団員及ビ支部、聯合会ノ活動ヲ示スベキ月報ヲ発行シ、支部及ビ聯合会及ビ中心人物ニ配付スルコト
                          以上