公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15
第44巻 p.75-76(DK440026k) ページ画像
大正14年11月12日(1925年)
是ヨリ先当会、其主催セル勝海舟事蹟資料展覧会ノ閉会後、重ナル資料ヲ宮中西溜間ニ陳列シ、皇后陛下及ビ皇太子殿下ノ台覧ニ供ス。栄一、是日付ニテ当会会長平山成信ヨリ、右ニ関スル報告ヲ受ク。
財団法人清明会書類(一)(DK440026k-0001)
第44巻 p.75 ページ画像
財団法人清明会書類(一) (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
拝啓、愈々御清栄奉賀候、陳者本月三日より上野公園日本美術協会に於て開催せる本会主催勝海舟事蹟資料展覧会は開期中 高松宮殿下・山階宮藤麿王殿下・竹田宮大妃殿下の台臨を辱ふし、一般の観衆一千五百余名入場し、強き刺撃と深き感動とを与へ、予定の如く八日を以て閉会致候処、閉会後御思召に依り宮中西溜間に重要資料九十余点を陳列し、同所に於て
皇后陛下 東宮殿下の御覧を辱ふし、啻に本会の光栄たるのみならず海舟先生の霊も感激せらるることと奉存候、右不取敢御報告申上候
敬具
大正十四年十一月十二日
財団法人清明会々長 男爵 平山成信
(宛名手書)
子爵 渋沢栄一殿
○十一月二十一日付ニテ、勝海舟墓前ニ於ケル、台覧奉告祭(十一月二十八日)案内ヲ兼ネテ、同趣旨ノ報告文書、平山成信ヨリ栄一ニ送ラル。
(宮原六郎) 書翰 渋沢栄一宛 大正一四年一一月二一日(DK440026k-0002)
第44巻 p.75-76 ページ画像
(宮原六郎) 書翰 渋沢栄一宛 大正一四年一一月二一日
(渋沢子爵家所蔵)
拝啓、愈々御清栄慶賀の至に御座候、清明会主催勝海舟先生事蹟資料展覧会は予期以上の成果を収め、滞なく終了致候処、閉会後特別の御思召に依り、重要資料を宮中西溜間に陳列し、同所に於て
皇后陛下
東宮殿下
の台覧を辱うし、主催者たる清明会も多大の光栄に浴し、大幸の至に御座候、小生は平山男爵旅行不在中の為め代て参内し、
皇后陛下
- 第44巻 p.76 -ページ画像
東宮殿下
に拝謁を給はり、尚又
皇后陛下
より左の御言葉を給はり申候
展覧会は結構なる催である
清明会は尚ほ色々と教化の為め御苦労である
右の次第にて、小生無上の光栄を拝し感激に堪へず、今後尚一層教化事業に微力を貢献すべく、感奮興起して大に覚悟致候、以上の次第を詳細に御報告申上度、近日中参上可致候間、御静養中恐入り候得共、御繰合せ御面謁被成下度、不取敢右概況御報告旁御願申上候 敬具
大正十四年十一月二十一日 六郎
渋沢子爵閣下
侍史
清明会要覧 同会編 第二六―二七頁 昭和四年三月刊(DK440026k-0003)
第44巻 p.76 ページ画像
清明会要覧 同会編 第二六―二七頁 昭和四年三月刊
第七節 海舟先生事蹟資料展覧会
大正十四年十一月三日より同月八日迄上野公園日本美術協会に於て開催し、海舟先生の遺したる国事に関する往復文書、意見書草稿其他著書及遺品等を陳列し、広く公衆の観覧に供したるか、開期中 高松宮殿下 山階宮藤麿王殿下 竹田宮大妃殿下の台臨を辱うし、一千五百余名の入場者に深甚なる感動を与へ、国民精神作興の一助たらしむるを得たり
十一月九日より同月十三日迄 御思召に依り重要資料九十余点を宮中西溜間に陳列し、同所に於て
皇后陛下
東宮殿下
の御覧を辱うし、理事宮原六郎君は
皇后陛下
東宮殿下
に拝謁を給はり、尚ほ
皇后陛下
より親しく 御言葉を給はり一層感奮興起し、海舟先生の余栄に依り本会は多大の光栄に浴したり