デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

5章 教育
3節 其他ノ教育関係
2款 財団法人埼玉学生誘掖会
■綱文

第45巻 p.221-223(DK450074k) ページ画像

大正5年10月29日(1916年)

是日当会、評議員会・維持員会ヲ開キ、終ツテ寄宿舎創立第十二周年記念祭ニ兼ヌルニ、栄一ノ喜寿祝賀式ヲ挙行ス。栄一出席シテ演説ヲナシ、次イデ舎生総代ノ喜寿祝辞ニ対シテ答辞ヲ述ブ。


■資料

集会日時通知表 大正五年(DK450074k-0001)
第45巻 p.221 ページ画像

集会日時通知表  大正五年        (渋沢子爵家所蔵)
十月二十九日 日 午後四時 埼玉学生誘掖会評議維持委員会晩餐会紀念会祝賀会(同会)


学友会報 埼玉学友会編 第二四号・第一三一―一三二頁大正六年二月 寄宿舎創立第十二週年祭記念祭 会頭渋沢男爵喜寿祝賀式記事(DK450074k-0002)
第45巻 p.221-222 ページ画像

学友会報 埼玉学友会編  第二四号・第一三一―一三二頁大正六年二月
    寄宿舎創立第十二週年祭記念祭
    会頭渋沢男爵喜寿祝賀式記事
大正五年十月二十九日
○中略 本年は閣下古稀に年を重ぬる七歳、正しく喜寿に相当す、玆に寄宿舎々生は、創立十二週年の記念祭を挙行すると共に、閣下に対し祝賀の辞を呈せんとはせしなり。
 式場をホールに設け、紅白の幔幕を廻らし、万国旗を飾り会旗を樹立す。集るもの会頭閣下を始め、先輩諸先生舎友舎生、午後六時の定刻には已に満員の盛況にて歓喜の情は場の内外に溢れぬ。
 式は例の如く監督斎藤先生の挨拶に始まり、君が代の二唱舎歌の合奏、次に会頭閣下の訓示あり。
 閣下は開口先づ歳月流るゝが如しとの句をひき、歳月をよく利用するものは文明国民にして、然らざるものは野蛮人なりと喝破し、前者は益々発達して世界に雄飛しうるも、後者は到底生存競争に勝者たり得ずと結び、短命よく大事業を成就せし天才の跡の追ひがたきを以て寿を保ち命を全うし国家の為に尽す心得あるべきを諭し、転じて寄宿舎創立時代の回顧談より、寄宿舎自治制度確立の由来に及び、如何に不干渉を以て主義となさんも、七の要義は国民として守るべき要道なりと断案を下し、埼玉県人気風改善のことより、寄宿舎の模範的発達を希望し、更に世の成金熱に鉄槌的の批評を下して皮相の物質文明を攻撃し、精神修養の要務を唱導して、談数刻に及び、諄々として訓示
 - 第45巻 p.222 -ページ画像 
せられぬ。
 之に対して、舎生総代として高木棐君の答辞あり、○中略
かくて記念祭を終りて喜寿祝賀式にうつり、舎生総代として小宮義寿君進み出でゝ別項の祝辞を呈す。
 会頭閣下は我等が心よりの祝辞に対し厚く感謝せられ、恰も本日寄宿舎に寄贈せられて式場に掲げありし詩(写真に掲出)○コノ写真ニハ「豈期身後勒微功。今是昨非行止中。只免心神為形役。悠々七十七春風 丙辰元旦試筆青淵老人」トアリを指して其意味を説明して、日頃懐抱せる抱負をのべられ、実業界隠退の後も、尚国民としての本務に対し、殊に慈善教育等の方面に最善の努力をなさるべき旨を以て応ぜられたり。
 訓示に対して堅き報恩の志を告げ、祝辞に対して尚努力を惜まざるの約を結ぶ、一人の心は万人の心、福徳円満の先輩、質朴剛健の青年固く約し深く決す。記者は当日名状し難き或種の感にうたれ茫然時あり。近隣のものを回顧すれば誰一人声を発するものもなし。然し静寂の一瞬の後にはやがて急霰の如き拍手と、堂を動かす歓呼と共に、祭式を終り、記念撮影の後余興に移れり。○下略


委員日誌(四)(DK450074k-0003)
第45巻 p.222 ページ画像

委員日誌(四)            (埼玉学生誘掖会所蔵)
拾月二十九日○大正五年
 寄宿舎紀念祭。男爵喜寿祝典。六時より於ホール。斎藤監督開会之辞。男爵訓示。高木委員答辞。舎歌合唱。小宮委員喜寿祝辞朗読。
 以上の順序にて式を終り。余興にうつる。○下略


学友会報 埼玉学友会編 第二四号・第一―二頁大正六年二月 祝辞 大正五年十月二十九日、於誘掖会寄宿舎祝賀式(DK450074k-0004)
第45巻 p.222-223 ページ画像

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冊子版の『渋沢栄一伝記資料』をご参照ください。

竜門雑誌 第三四二号・第八一頁大正五年一一月 ○埼玉学生誘掖会祝賀会(DK450074k-0005)
第45巻 p.223 ページ画像

竜門雑誌  第三四二号・第八一頁大正五年一一月
○埼玉学生誘掖会祝賀会 多年青淵先生の恩顧を蒙れる埼玉学生誘掖会に於ては、先生の喜寿に躋られたるを祝せんとて、十月二十九日を卜し青淵先生を招待して、同日午後五時より祝賀会を開きたる由なるが、同会寄宿舎々生総代小宮義寿氏の朗読したる祝辞は、左の如くなりしと。
  ○祝辞前掲ニ付キ略ス。



〔参考〕集会日時通知表 大正五年(DK450074k-0006)
第45巻 p.223 ページ画像

集会日時通知表  大正五年        (渋沢子爵家所蔵)
十二月十日 日 午前十一時 埼玉学生誘掖会ヨリ埼玉県知事御案内
              (築地精養軒)
  ○当会ハ代々ノ埼玉県知事ヲ協賛員ニ推薦ス、右ハ新任県知事岡田忠彦ノ歓迎会ナリ。