デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

5章 教育
3節 其他ノ教育関係
3款 埼玉学生誘掖会舎友会
■綱文

第45巻 p.268-274(DK450099k) ページ画像

大正8年11月23日(1919年)

是日当会、埼玉学生誘掖会寄宿舎ニ於テ、栄一ノ八十寿祝賀式ヲ挙行シ、祝賀文並ニ記念品ヲ贈リ、次イデ四谷三河屋ニ於テ懇親会ヲ開ク。栄一出席シ、謝辞ヲ述ブ。


■資料

(埼玉学生誘掖会舎友会)文書綴 大正二年―(DK450099k-0001)
第45巻 p.268-269 ページ画像

(埼玉学生誘掖会舎友会)文書綴  大正二年―
                (埼玉学生誘掖会舎友会所蔵)
    大正八年五月二十日幹事会議案
一、渋沢男爵八十寿祝賀ノ件
  渋沢男爵八十寿ヲ祝スル為メ正会員ヨリ寄附金ヲ募集シ記念品ヲ贈呈ス
 ○寄附金ハ金弐円トス
 ○記念品ハ銀器若クハ掛物中ニ付テ定ム
 ○本年秋季懇親会ノ日ヲ卜シテ贈呈スルコト
  記念品ニハ祝賀文ヲ添フルニ付、幹事中ヨリ起草委員ヲ選定スルコト

    舎友会特別会員へ勧誘書案
拝啓、初秋之候愈々御清栄奉慶賀候、然者本会名誉会頭渋沢青淵先生にハ本年八十寿ニ躋られ候ニ付、会員の有志相謀り祝賀の意を表し候為め、記念品を贈呈致す事ニ協議調ひ、過般来寄附金を募集致候処、正会員中続々此挙に賛せられ、今日迄の賛成者百五十名金額参百円に相達し申候ニ付てハ、更ニ特別会員各位の御賛同を願ひ、上和下睦之裡に先生の清福を祝し度存候間、何卒御同情を賜り度此段以書中得貴意候 敬具

一、日時 大正八年十一月二十三日午后四時〔三時(一般会員)〕
一、場所 誘掖会楼上ニ於テ贈呈式終テ三河屋ニ於テ懇親会
一、会費 金参円
一、紀念品 ステツキ及カフス釦(誘掖会徽章入)
一、祝賀文ノ起草ハ榎本善夫ノ担任
一、紀念品ノ注文ハ小倉・渡辺両氏ノ担任

拝啓、秋冷の砌益々御清祥奉賀候、陳者予て御賛同被下候渋沢男爵八十寿祝賀之儀ハ、愈々十一月二十三日午後三時より埼玉学生誘掖会楼上に於て記念品贈呈式を挙行致し、終て午後五時より四谷見附外三河屋に於て舎友会秋期懇親会相催し候間、御繰合せ御出席被下度、此段御案内申上候 敬具
  大正八年十一月八日
                     舎友会幹事
 - 第45巻 p.269 -ページ画像 
追伸 懇親会々費金参円当日御持参被下度候
   御出席の有無ハ十一月二十日限り御回報被下度候、返信はかき裏面ニ記載之各項ハ相互ニ識別の為め印刷可致候ニ付、当日御出席の諸君ハ必らす御記入被下度為念申添候

謹啓、霜寒之砌に御座候処愈々御清祥に被為渉候之段奉大賀候、然者閣下本年八帙の寿を迎へられ慶祝至極に奉存候、就てハ会員の有志相謀り右祝賀の微意を表し候為め、本月二十三日午後四時埼玉学生誘掖会楼上に於て記念品贈呈式を挙行致し、終て四谷見附外三河屋に於て秋季懇親会相催候間、御賁臨の栄を賜り度此段御案内申上候 拝具
  大正八年十一月十六日
                  舎友会幹事総代
                      大井台司
    男爵 渋沢栄一閣下

    贈呈式次第
大正八年十一月二十三日
一午後四時 着席(振鈴)
一開会ノ辞       幹事 堀江武夫君
一事務経過報告     幹事 渡辺得男君
一祝賀文朗読      同  小倉彦四郎君
一目録贈呈       幹事 大沢詮君
一男爵ノ答辞
一祝賀演説     特別会員 諸井恒平君
一男爵万歳       当日ノ年長者ヲ推スコト(渋谷氏カ滝沢氏)
一閉会ヲ宣ス      幹事


集会日時通知表 大正八年(DK450099k-0002)
第45巻 p.269 ページ画像

集会日時通知表  大正八年        (渋沢子爵家所蔵)
十一月二十三日 日 午後四時 埼玉舎友会催青淵先生八十寿祝賀
                           (埼玉学生誘掖会)
          引続   四谷三河屋ニテ懇親会


竜門雑誌 第三七九号・第五二頁 大正八年一二月 ○青淵先生八十寿賀と舎友会(DK450099k-0003)
第45巻 p.269 ページ画像

竜門雑誌  第三七九号・第五二頁 大正八年一二月
○青淵先生八十寿賀と舎友会 埼玉県学生誘掖会に於ける同会寄宿舎出身の諸氏に依りて組織せられつゝある舎友会は、青淵先生が今年八十の賀を迎へられたるを衷心より欣喜し、左記の祝賀文に目録一封を添へて先生に贈呈する所ありたり。
  ○祝賀文後掲ニ付略ス。


(埼玉学生誘掖会舎友会)文書綴 大正二年― 【経過報告 幹事】(DK450099k-0004)
第45巻 p.269-270 ページ画像

(埼玉学生誘掖会舎友会)文書綴  大正二年―
                (埼玉学生誘掖会舎友会所蔵)
    経過報告
                         幹事
幹事の一人として会頭八十寿祝賀紀念会を催すに至りました経過の大
 - 第45巻 p.270 -ページ画像 
体を、極めて簡単に御報告申上げます。今年四月廿九日に開きました舎友会の春季総会に於て、幹事より提案いたしました。我々の敬慕措く能はさる男爵閣下は今年八十の年をお迎へになられましたので、そのお祝を申上げたいといふので、その議は春季席上に於て満場一致を以て可決になりまして、同時に実行方法は吾々幹事に於て一切の委託を受けました次第であります。爾来幹事会を数回開きまして、その方法を協議いたしましたが、結局何か紀念品を差上げて吾々の祝意を表したいといふことに定まりまして、事務の進行を計るために紀念品撰定委員と、会計委員とを互選いたしまして、大井台司君・大倉彦四郎君及《(小倉彦四郎)》び榎本信夫君《(榎本善夫)》が紀念品撰定の方に当られ、私が会計の方を担任いたしました。中途榎本君は東京を離れることに依つてこの委員を辞退いたされまして、私にやれといふ委任を受けまして、私もその方に関係いたしました。それで三名の幹事が集まりまして種々相談をいたしました。何ういふ物を差上げたら好からうといふことを先づ相談しましたが、結局男爵会頭閣下が常にお身体《からだ》にお付け下され得る物にしたら何うであらうか、お身の廻りに着けて戴いて、時々に吾々舎友を思出して戴くことにしたら何うかといふので、其で先刻お目にかけました手釦・下物《さげもの》及び洋杖の三品を贈呈することに定《き》めました。而して六月初めに皆さんに御通知を差上げて御賛同を請ふたる次第であります次に会計のことを申上げますが、御通知を差上げましたところが、特別会員十一名普通会員百六十三名の御賛同を得まして、先刻お目に掛けました金が集まりまして夫々紀念品を調達いたしました。細かい計算のことは省略いたしまして、最後に一言申上げて置きたいことは、この企てがありますることを全国各地は勿論、満鮮の地方に居られる会員に御通知を申上げましたところ、日本内地は勿論朝鮮・台湾殊に西伯利のオムスク附近に於きまして、夫の猛烈なる過激派と戦ひて兵馬倥偬の間殆と一暇のないやうなお方からも、熱心を罩められたる手紙を以て、その必要なる御自身の軍費を割いてお送り下さつた方もある。その外地方にお出でになるお方が呉々も自分に代つて宜しく申上げて呉れいといふやうなお手紙もあり、或は振替貯金の裏に細々と書いてあるもの、数々あります。是等のことを申上げますれば閣下には定めてお喜び下さることゝ信します。今晩贈呈いたします物は甚だ粗末なものでありますけれども、先刻来申上げますやうに、何うか会頭閣下が常にお身にお着け下さつて、私共が男爵閣下に対する感謝敬慕の表象と思召し下さつたなれば、吾々の光栄はこれに過ぎないのであります。尚此際特別会員のお方にお礼を申上げます。今回の吾々の挙を御賛助下さいまして、直接間接に多大なる御同情・御忠告を下さいまして、幸に何うやら纏りが付きましたことは全く特別会員のお方の深厚なる御同情の結果であると思ひます。この機会に於て感謝の意を表します。これで事務経過の報告を終ります。


(埼玉学生誘掖会舎友会)文書綴 大正二年―(DK450099k-0005)
第45巻 p.270-274 ページ画像

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