デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

昭和2年5月10日（1927年）

是日、明治大学学長室ニ於テ、当会理事会開催セラル。栄一出席シ、第八次海外視察学生派遣ノ件其他ヲ議ス。尚、同経費トシテ金三百円ヲ寄付ス。六月二十九日、栄一、派遣学生一行ヲ飛鳥山邸ニ招キテ送別会ヲ催シ、訓話ヲナス。

竜門雑誌　第四六五号・第七九頁昭和二年六月
　　　　青淵先生動静大要
　　　　　　五月中
十日　○上略　亜細亜学生会（明治大学）

亜細亜学生会臨時会報　昭和二年度　第五頁刊
　　　　昭和二年度事業報告
○上略
五月十日　理事会開催。於明治大学学長室、渋沢栄一氏・阪谷芳郎会
 - 第46巻 p.56 -ページ画像 
長・木下副会長ノ御訓示後、本年度事業計画及予算ヲ熟議通過ス。

亜細亜学生会書類　　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
（謄写版）
　　　　　　　　　　　　　　（別筆）
　　　　　　　　　　　　　　昭和二年五月十日開催、渋沢子爵出席せられたるも中坐したる由
　　　　理事会次第
一、会長・役員御訓示
一、趣意書変更之件
一、主事死亡後之会方針及組織変更ノ件
一、大正十五年度会計報告
一、大正十五年度事業報告
一、基本金募集之件
一、会館建設之件
一、昭和二年度事業計画
一、昭和二年度予算編成
一、夏期旅行班派遣之件
一、夏期講習会開催之件
一、月報創刊之件
一、帰朝者会員地方遊説之件
一、秋期大懇親会開催之件
一、支部増設之件
一、会友会員ノ希望

集会日時通知表　昭和二年　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
六月廿九日　水　午后参時　亜細亜学生海外派遣送別会（飛鳥山青淵文庫）

竜門雑誌　第四六六号・第一〇二頁昭和二年七月
　　　　青淵先生動静大要
　　　　　　六月中
廿九日　○上略　亜細亜学生海外派遣者送別会（曖依村荘）

亜細亜学生会書類　　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
（謄写版）
　　　　亜細亜学生会昭和弐年度事業報告
○上略
六月廿九日　渋沢顧問、海外派遣生ノ送別会ヲ自宅晩香楼《（晩香廬）》ニ於テ開催セラレ、御訓話アリ。阪谷会長・木下副会長・富谷顧問　中島監督出席、晩本郷「江知勝」ニ於テ会員ノ送別会アリ。
七月三日　派遣生十二名午後九時東京駅出発。
 - 第46巻 p.57 -ページ画像 
○下略

亜細亜学生会書類　　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
（謄写版）
謹啓、愈々御清祥奉慶賀候、陳者今般本会第八次海外視察学生班派遣に就ては、多大の御後援を賜り御芳志奉深謝候
以御蔭七月初旬各班とも目的地に向け出発致し、予定通り視察仕り九月下旬無事帰国致し候、何れ近日御報告可申上候間御了承被成下度、此段御礼旁御報告申上候　敬具
　尚寄附金及御芳名は別紙の通りに御座候
　　昭和二年拾月　日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　亜細亜学生会
　　　　（宛名手書）
　　　　渋沢栄一殿
（別紙、謄写版）
　　　　寄附者芳名録　順序不同
○上略
渋沢栄一殿　参百円
○中略
　寄附金総額四千九百弐拾円也　他薬品五十円也

亜細亜学生会臨時会報　昭和二年度　第七―九頁刊
　　　　第八次海外派遣旅行計画
　　　　　　海外派遣学生
　　　松代幸雄　　　　井上秀雄　　　　鈴木和一
　　　麻井二郎　　　　高瀬健一　　　　神原勇
　　　黒木繁義　　　　村上哲夫　　　　岩崎久男
　　　阪本昇三　　　　須々木幸男　　　中沢寛人
　　　八木春三郎　　　小山嵩
　　　長坂好一　　　　石井五郎　　　　今井史郎
　　　大沼喜久雄
　　　　　　第一班　シベリヤ方面
班員　黒木繁義　高瀬健一　神原勇　長坂好一
日数　約五十日間
行程　約三千五百哩
経由地　敦賀――亜港――尼港――ハバロフスク――チタ――ハルピン――奉天――釜山――門司
費用概算四百五拾円也
　　　　　　第二班　黄河流域北支那方面
班員　八木春三郎　須々木幸男　鈴木和一　麻井二郎
日数　約五十日
行程　約三千哩
経由地　釜山――奉天――北京――大同府――長安――北京――天津――済南――青島――長崎
費用概算四百円也
 - 第46巻 p.58 -ページ画像 
　　　　　　第三班　楊子江南支那方面
班員　岩崎久男　中沢寛人　阪本昇三　石井五郎
日数　約四十五日
行程　約二千五百哩
経由地　上海――漢口――上海――香港――広東――香港――汕頭――台湾――長崎
費用概算四百円也
　　　　　　第四班　印度支那及南洋方面
班員　小山嵩　松代幸雄　井上秀雄　大沼喜久雄　今井史郎
日数　約六十五日
行程　約七千哩
経由地　長崎――香港――河内――盤谷――シンガポール――ペナン――ザンパコ――マニラ――長崎
費用概算五百五拾円也