デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

6章 学術及ビ其他ノ文化事業
1節 学術
5款 社団法人帝国発明協会
■綱文

第46巻 p.358-359(DK460103k) ページ画像

大正11年12月9日(1922年)

是日、築地精養軒ニ於テ、当協会表彰式ヲ兼ネテ前会長清浦奎吾謝恩会開催セラル。栄一出席シテ祝辞ヲ述ブ。


■資料

帝国発明協会沿革 同協会編 第五〇頁大正一三年一月刊(DK460103k-0001)
第46巻 p.358 ページ画像

帝国発明協会沿革 同協会編  第五〇頁大正一三年一月刊
 ○大正十一年
    □清浦子爵謝恩会
      十二月九日
本会顧問清浦奎吾子爵ノ本邦工業所有権ノ発達保護ニ関スル偉績並本会ニ対スル熱誠ナル尽力ニ付キ謝意ヲ表スル為、本会ニ於テ金五百円ヲ醵出シ、尚会員有志醵出ニ依ル寄附金ニ於テ、記念品贈呈及謝恩式施行ノ議ヲ、五月十二日理事会ニ於テ決議シ、六月右実行委員ヲ挙ケテ之カ実行ニ着手シ、十二月九日清浦子爵及朝野ノ名士ヲ招請シ、築地精養軒ニ於テ謝恩式ヲ開催ス、而シテ会長ヨリ謝恩ノ辞ヲ朗読シ、記念品ヲ贈呈シ盛会裡ニ終了セリ
  ○会長清浦奎吾大正六年五月三十日辞任シテ顧問トナル。


中外商業新報 第一三二〇四号大正一一年一二月一〇日 表彰と謝恩の会 明るい灯に照らされた帝国発明協会の人々と長老清浦氏及表彰者四十二氏(DK460103k-0002)
第46巻 p.358-359 ページ画像

中外商業新報  第一三二〇四号大正一一年一二月一〇日
    表彰と謝恩の会
      明るい灯に照らされた
      帝国発明協会の人々と
        長老清浦氏及表彰者四十二氏
帝国発明協会表彰式を兼ね前会長清浦子の謝恩会は既報の通り九日午後五時から築地精養軒で催された、明い
 灯の下 に集つた来賓の中には謝恩される清浦子の長い顔を取巻いて、仲小路前農相・岡本農商務次官・渋沢子・中川特許局長官・九鬼商工課長、古市・田中・田中館・棚橋・田原・高松各博士、桐島前市議長など朝野の名士二百余名の顔が並ぶ、間も無く会長阪谷男は開会を宣してから、宿利専務理事の経過報告も終つて、味之素の池田博士を始め四十二名が表彰され、農相代理の岡本次官、中川局長等の
 祝辞も 厳かに済んで、清浦子は阪谷男から記念品を受けるべく、其老躯を壇上に運んだ、喝采が嵐のやうに場内に巻き起るや、清浦子はたゞ感激と謙譲の面持で語り出した、「私が会長になつた当時は桂内閣の農相時代で、桂公から閣議の席上で『君は農相でありながら、私設協会の会長となるのはどうか』といふ質問を受けた事があるが、私は『自分の産んだ子は
 自分で 育てねばならぬ』と答へて、列席の曾根蔵相などから盛んに囃し立てられたことがある、然し今夕の謝恩記念品は私自分が収むべきものでなく、一に諸君と共に分つべきものである」と、軈て食堂
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は賑やかに開かれてデザートコースに入ると渋沢子・仲小路氏の祝辞と清浦子の音頭で協会の万歳があつて、九時賑やかに閉会となつた
  ○当協会常任幹事鈴木輝ノ談ニヨレバ、昭和二・三年頃、当協会拡張資金募集ノタメ、栄一及ビ阪谷芳郎等発起人トナリタルコトアル由ナルモ、資料見当ラズ。