公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15
第46巻 p.668-669(DK460169k) ページ画像
大正12年1月30日(1923年)
是日栄一、一ツ橋如水会館ニ於ケル当協会例会ニ出席ス。
集会日時通知表 大正一二年(DK460169k-0001)
第46巻 p.668 ページ画像
集会日時通知表 大正一二年 (渋沢子爵家所蔵)
壱月三十日 火 午後五時半 帰一協会ノ件(如水会館)
渋沢栄一 日記 大正一二年(DK460169k-0002)
第46巻 p.668 ページ画像
渋沢栄一日記 大正一二年 (渋沢子爵家所蔵)
一月三十日 曇 寒
○上略 午後五時半如水館ニ抵リ、帰一協会ニ出席ス、仏国人レビー氏ヨリ仏国宗教ニ関スル歴史的講演アリ、一同夜飧ヲ共ニシ、食後又会話ス、下村宏氏ヨリ朝日新聞紙ニ関シテ広告的意見ノ陳述アリ、夜十時過散会帰宅ス○下略
帰一協会記事五(DK460169k-0003)
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帰一協会記事五 (竹園賢了氏所蔵)
(朱書)
(大正十二年)
一月例会 一月卅日(火)午後五時半 神田、如水会館
新春劈頭、仏国の学聖、世界的仏教研究の巨星なるコレツジ・ド・フランス教授シルヷン・レヸ氏の来朝せるを迎へて例会を開く、氏は一昨年母国フランスを出発し、印度・支那・日本の研究旅行中、東西両京大学が、之を迎へて講義を委嘱したる為め、ステーシヨン・ホテルに滞在して、一週二回東京帝国大学文学部十八番教室に於て「仏教研究叢談」に就て講義せられ、別に「人文主義と仏教研究」に関し、二回に亘り公開講演を企てられた、此間に於ける同博士の余暇を乞ひ、本会の講演を懇請したるなり
本日の講演、フランスの宗教問題
コレツヂ・ド・フランス教授 シルヷン・レヸ博士
姉崎幹事の紹介によつて会を開き、レ〓氏立つて講演を始む、先づフランス国民の宗教性を述べ、この国民の宗教的にあらざることを例証し、彼等は国民結束のために営む理性的宗教の信奉者であるとし、政治・文学・教育等より立証し、世界大戦中実理的宗教心が勃興し、当初は迷信的・熱狂的であつたが、戦争の続くに従つて神の存在を否定するに至り、結局「人間」てふものに意義を発見し、そこに共通点を認めんとする人文主義的傾向を強め、遂にフランス将来に対する憂国的信仰が動き、人間の尊い感情、将来に対する憧れの信仰となつた、従つてフランスは理性を人間の根本とし、人間を人間らしく修養鍛錬
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すればその点で人間の結合は可能である、とする人文主義的理想信念に到達せんとして居ると結ぶ
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食後姉崎・馬田・尾島等の諸氏より質問ありて九時半盛会の裡に開散
当日の出席者左の如し
麻生正蔵氏 姉崎正治氏
今岡信一良氏 井上雅二氏
岩野直英氏 内ケ崎作三郎氏
尾島真治氏 渋沢栄一氏
沢柳政太郎氏 下村宏氏
田中次郎氏 時枝誠之氏
花房太郎氏 間島与喜氏
増田明六氏 松井茂氏
宮岡直記氏 矢野茂氏
山内繁雄氏 渡辺得男氏
以上二十二名
尚当日は会員以外に左記諸氏に案内状を発し、徴を附したる四氏の出席を得たり
高楠順次郎氏 村上専精氏
木村泰賢氏 宇井伯寿氏
島地大等氏 △長井真琴氏
渡辺海旭氏 椎尾弁匡氏
△馬田行啓氏 山上曹源氏
△常盤大定氏 △立花俊道氏
荻原雲来氏
○本資料第三十九巻所収「其他ノ外国人接待」大正十二年一月二十九日ノ条参照。