デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

  詳細検索へ

公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

6章 学術及ビ其他ノ文化事業
4節 編纂事業
1款 徳川慶喜公伝編纂
■綱文

第47巻 p.683-685(DK470141k) ページ画像

大正4年4月(1915年)

是月栄一、十七回ニ亘ル昔夢会筆記及ビ八回ニ亘
 - 第47巻 p.684 -ページ画像 
ル編纂員ノ徳川慶喜訪問筆記ヲ合シテ上中下三巻トナシ、二十五部ヲ限リテ印刷ノ上、当編纂関係者ノミニ頒ツ。


■資料

渋沢栄一 日記 大正四年(DK470141k-0001)
第47巻 p.684 ページ画像

渋沢栄一 日記  大正四年        (渋沢子爵家所蔵)
一月一日 昨日ハ南風強クシテ雲行急ナリシカバ今日ノ天気如何ト気遣ヘタリシモ、朝来快晴ニテ風少シ
○上略 夜ニ入リテ御伝記稿本ヲ校正ス
○中略 御伝記ハ二冊ヲ校ス、夜ニ入ルモ勤勉シテ、午前一時ニ至リテ就寝ス
一月二日 朝来雲多クシテ天日見ヘサルモ雨トハナラス
○上略 夜食後御伝記ノ校正ヲ為ス、午前一時半就寝
一月三日 朝来天気朗晴風ナクシテ気候甚タ寒カラス
○上略 午飧後○中略 御伝記原稿ヲ熟覧ス○下略
  ○中略。
一月十一日 朝来雨降リテ寒威強シ
○上略 九時過帰宿後新聞紙ヲ読ミ、又御伝記原稿ヲ調査ス○下略
一月十二日 朝来天気稍晴レタルモ寒気強シ
○上略 午前十一時兜町事務所ニ抵リ、○中略 午後五時頃ヨリ編纂所員ト共ニ談話シ、余カ一橋公ニ奉仕スルニ至レル経歴ヲ演説ス、御伝記ニ関係スル所アルヲ以テ、談片トシテ向後数回ニ分チテ、欧州行及帰国後静岡ニテ藩ノ財政ニ従事セシ時代マテヲ演説スルノ見込ナリ、夜食後ニ更ニ一席ノ談アリ、夜十時帰宿○下略
  ○中略。
三月廿二日 半晴
○上略 御伝記稿本ヲ検閲ス、夜飧後モ之ヲ継続シテ夜二時ニ至リテ就寝ス
○下略


昔夢会筆記 渋沢栄一編 上巻・前付第一―二頁 大正四年四月刊(DK470141k-0002)
第47巻 p.684-685 ページ画像

昔夢会筆記 渋沢栄一編  上巻・前付第一―二頁 大正四年四月刊
    例言
一昔夢会筆記は、徳川慶喜公が予等の問に対へて、其御閲歴を語り給へる御談話の筆記なり。
一予が公の御伝記を編纂するに当りて、公を自邸に屈請して、編纂員と共に親しく旧事を問ひ奉れることは、明治四十年七月二十三日を始とす。此会を昔夢会と名けしは、公の選び給へるなり。公の此会に臨ませ給へるは凡十七回、又稿本成る毎に、毎章呈覧して批正を仰ぎ、編纂員公の邸に就きて親しく教を承りしことも八回なりき。其度毎に公の親話を筆記し置きたるもの、積みて冊を成せり。今や公薨じ給ひて、再び音容を拝することを得ず、片言隻語も益貴重の史料たり。此に於て其筆記を校正印刷して謄写に代ふ。公は固より其御閲歴を語るをだにも喜ばせ給はず、況や広く世に公にすることをや。故に部数も僅に二十五を限りて、御伝記の起稿に関係せる者のみに頒つ。
 - 第47巻 p.685 -ページ画像 
一第一より第四までは編纂員の筆記なれば、総べて文章体に記せり。其後速記を用ゐることを許されたれば、公の御談話の趣、今尚親しく教を承るの想あり。然るに速記者ありては話しにくしと仰せられて、第十四よりは又筆記となれり。前後異同あるは是が為なり。今聊も之を改めずして旧面目を保存す。第十八以下は稿本に就きての垂教なれば、編纂員の公の邸に就きて承るものなり。第二十六は昔夢会以前、江間政発の単独に公に就きて承れる筆記なり。孰も御伝記に関するものなれば末に附く。
一御談話のありし年月・場所、又は共に拝聴せる人々をば一々に記載して、其事実を証し、且其光栄を記念す。
  大正四年四月           男爵 渋沢栄一
  ○昔夢会筆記
   刊行年月 大正四年四月
   刊行者 渋沢栄一
   装釘及巻冊数 和装 上・中・下三巻三冊
   頁数
     上巻(第一―第七)本文一七二頁
     中巻(第八―第十)本文一四四頁
     下巻(第十一―第二十六)本文一九四頁
   図版(上巻巻首)
     徳川慶喜肖像写真コロタイプ 一葉
   各冊扉ノ裏面ニ次ノ文ヲ朱刷ス。
   「大正四年四月印刷二十五部之第○○《(番号)》」


渋沢栄一 日記 大正四年(DK470141k-0003)
第47巻 p.685 ページ画像

渋沢栄一 日記  大正四年        (渋沢子爵家所蔵)
五月廿五日 曇
昨夜ヨリ風邪気ニテ朝来発汗セシタメ晏起、洗面ニ止メ、褥中ニ在テ事務ヲ処理ス○中略 午飧後新聞紙雑誌類ヲ一覧ス、又演説筆記ノ修正ト御伝記原稿ノ精読トヲ褥中ニ於テ勉焉ス○下略
五月廿六日 晴
午前八時起床、喘息ノ気尚快方セス、洗面シテ朝飧ヲ褥中ニ在テ○中略 御伝記原稿ヲ精査シテ二冊ヲ読了ス、午飧後堀井医師診察セラル○下略
五月廿七日 晴
宿痾未愈○中略 褥中ニ在リテ○中略 午飧後○中略 御伝記原稿熟読ニ勉ム