デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

7章 行政
1節 自治行政
4款 東京市関係 3. 東京市長ヨリノ表彰
■綱文

第48巻 p.332-333(DK480100k) ページ画像

大正8年5月10日(1919年)

是日、東京市制三十年記念式ニ際シ、栄一、東京市長ヨリ表彰セラル。


■資料

中外商業新報 第一一八九九号大正八年五月一一日 ○市制茲に卅年 市庁に挙ぐる記念式(DK480100k-0001)
第48巻 p.332-333 ページ画像

中外商業新報 第一一八九九号大正八年五月一一日
    ○市制玆に卅年
        市庁に挙ぐる記念式
      ◇市関係勤続者を表彰す
市制三十年記念式は十日午前十一時から東京市役所市会議事堂に於て挙行された、此日市役所玄関には
◇市の紋章 ある旗を交叉し、式場入口には紅白の幔幕を張り、緑杉と五色の経木モールで美々しく飾立て、市役所前には大名行列を見んとて蝟集する群衆堵を築き、議事堂前は来賓の自動車・腕車を以て埋まるなど祝典気分に遺憾がない、定刻嚠喨たる奏楽裡に大倉男・石原宮内次官・小橋内務次官・井上東京府知事・岡警視総監を始め
◇二百余名 の来賓及び市の主人役・被表彰者等入場着席、式場正面議長席の卓上には七宝の花瓶に白芍薬と躑躅の盛花燃ゆる計りの色を添へ、花弁の形に日章旗の壁飾も程よく、田尻市長壇上に進み式辞を朗読し、それより勤労者の表彰に入り、松崎権四郎・野々山幸吉・伊東靖・坪谷善四郎・津村重舎・丸山名政・伊藤定七・細野順・山口憲(以上市会議員)
 ◇渋沢男爵 大倉男爵・内記課長安藤彪雄・助役戸野周二郎・新聞記者村高幹博・山本忠俊外約五百名の十二年以上勤続者に対し、それ
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ぞれ表彰書を贈り、次いで床次内務大臣(小橋次官代読)・井上東京府知事の祝辞、被表彰者各総代の答辞等あり、君が代の奏楽終つて市長発声で両陛下の万歳を三唱し、更に東京市政の万歳を三唱して同十一時四十分散会し、正午帝国ホテルに盛な祝宴を催した
      引続き賑ふ
        大名行列其他
前日神田鍛冶町にて解散を命ぜられた大名行列は、十日午前十一時東京駅前広場より練出し群集の拍手喝采裡神田橋を渡り、悠々と須田町より万世橋を渡り、一直線に上野公園に練込み無事解散したが、沿道は見物人で非常に雑沓した、尚下谷三業組合の連中三百人も仮装を凝らして上野へ練出し、上野は前日に次ぐ賑ひを呈し日比谷も非常な人出であつた


青淵先生公私履歴台帳(DK480100k-0002)
第48巻 p.333 ページ画像

青淵先生公私履歴台帳         (渋沢子爵家所蔵)
    賞典
大正八年五月十日 多年本市ノ公務ニ従事シ勤労洵ニ尠カラス、因テ市制施行三十年記念祝賀ノ嘉辰ニ当リ、特ニ置時計一個ヲ贈リテ之ヲ表彰ス 東京市長


竜門雑誌 第三七二号・第三九頁大正八年五月 ○東京市制施行卅年記念祝賀会(DK480100k-0003)
第48巻 p.333 ページ画像

竜門雑誌 第三七二号・第三九頁大正八年五月
○東京市制施行卅年記念祝賀会 東京市制施行卅年記念祝賀会は、五月十日午前十一時より市会議事堂に於て挙行せられ、田尻市長式辞を朗読し次で勤労者の表彰式を行はれたる由なるが、青淵先生にも左記の功労表彰状を贈られたり、次いで床次内務大臣・井上東京府知事の祝辞、被表彰者総代の答辞あり、君ケ代の奏楽終りて両陛下の万歳を三唱し、更に東京市制万歳を三唱して散会したる由。
    市制三十年表彰
多年本市ノ公務ニ従事シ勤労洵ニ尠カラス、因テ市制施行三十年記念祝賀ノ嘉辰ニ当リ、特ニ置時計壱個ヲ贈リテ之ヲ表彰ス
  大正八年五月十日
      東京市長従二位勲一等法学博士 田尻稲次郎
    男爵 渋沢栄一殿