デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

大正15年5月（1926年）

是月栄一、当協会東京支部顧問トナリ、在任歿年ニ及ブ。

青淵先生職任年表　（未定稿）　昭和六年十二月調　竜門社編
　　　　　　　　　　　　　　　竜門雑誌第五一九号別刷・第二三頁
　　　　　　　　　　　　　　　昭和六年一二月刊
　　　　大正年代
　年　月
一五　五　―史蹟名勝天然記念物保存協会東京支部顧問―昭和六、一一。

会員関係書類　　　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
（印刷物）
謹啓
時下益々御清適奉賀上候、陳者今回史蹟名勝天然紀念物保存協会々長内務大臣若槻礼次郎閣下より支部設置方御懇嘱有之候就而者、本府に於ても予而此種機関設立の必要を認め居候間支部設置致候条、公私御多端の折柄誠に恐縮に御座候へども、特に本会趣旨御賛成の上本支部顧問御承諾被成下度、別紙規則書相添乍略儀以書面此段得貴意度候
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　敬具
　　大正十五年四月
　　　　　　　史蹟名勝天然紀念物保存協会東京支部長
　　　　　　　　　　　　　　　　東京府知事　平塚広義
　　　　（宛名手書）
　　　　渋沢栄一殿
（別紙、印刷物）
　　　　史蹟名勝天然紀念物保存協会規則
第一条　本会ハ史蹟名勝天然紀念物保存協会ト称ス
第二条　本会ハ本部ヲ東京市麹町区大手町一丁目二番地ニ置キ、便宜支部ヲ各地ニ置ク
第三条　本会ハ史蹟名勝天然紀念物ヲ研究シ、其ノ保存方法ヲ講シ、且之ニ関スル思想ノ普及ヲ図リ、国体ノ精華ヲ発揚スルヲ以テ目的トス
第四条　本会ハ前条ノ目的ヲ達スル為メ機関雑誌ヲ刊行シ、講演会・
 - 第49巻 p.362 -ページ画像 
研究会・展覧会ヲ開催シ、其他本会ノ趣旨ヲ普及スルニ必要ナル事業ヲ行フ
第五条　本会ノ会員ヲ分チテ維持会員・通常会員ノ二種トス
　　　　一、維持会員会費、一ケ年金六円又ハ一時金百円以上
　　　　一、通常会員ノ会費、一ケ年金四円
　　　　本会ノ会員タラントスルモノハ一ケ年分ノ会費ニ入会金壱円ヲ添ヘ本会ニ申込ムヘシ
第六条　会員ニ対シテハ機関雑誌ヲ配布ス
　　　　会員ハ本会ノ趣旨ニ該当セル事蹟又ハ物件ヲ発見シ若クハ意見アルトキハ、之ヲ本部ニ報告スルモノトス
第七条　本会ハ会員ノ会費・寄附金・国庫補助其他ノ収入ヲ以テ維持ス
第八条　本会ニ会長一名、副会長二名、評議員若干名（内常務委員若干名）、幹事及書記若干名ヲ置ク
　　　　本会ハ会務ノ発展ニ従ヒ総裁・副総裁ヲ推戴シ、顧問ヲ推選スルコトアルヘシ
　　　　会長ハ本会ヲ代表シテ会務ヲ綜理シ、副会長ハ会長ヲ補佐ス評議員ハ重大ノ件ニ対シ会長ノ諮詢ニ応シ、常務委員ハ会ノ常務ニ関シ会長ノ諮詢ニ応ス、幹事ハ会長ノ命ヲ承ケ会務ヲ掌理ス、書記ハ上司ノ指揮ヲ承ケ会務ヲ掌ル
第九条　会長ハ内務大臣ヲ以テ之ニ充テ副会長以下ハ会長ノ指命トス
　　　　会長・副会長・評議員ハ名誉職トス
　　　　評議員以下ノ任期ハ二ケ年トス
第十条　本会ハ毎年一回総会ヲ開催シ会務ヲ報告ス
　　大正十四年十二月六日　　　　　史蹟名勝天然紀念物保存協会

　　　　史蹟名勝天然紀念物保存協会役員名簿（いろは順）
　　会長　　　　　　　　　　　　　内務大臣　若槻礼次郎
　　副会長　　　　　　　　　　　　内務次官　川崎卓吉
　　同　　　　　　　　　　　　　　文学博士　三上参次
　　顧問　　　　　　　　　　　　　　　伯爵　徳川達孝
　　同　　　　　　　　　　　　　　　　男爵　阪谷芳郎
　　同　　　　　　　　　　　　　　医学博士　三宅秀
　　　○評議員四十九名、幹事二名氏名略ス。

会員関係書類　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
（謄写版）
拝啓
先般手紙を以て依頼申上候本支部顧問御就任諾否之件《（役名手書）》、未だ御回答に接せず候処、準備之都合有之候間、公私御多端之折柄恐入候へども御一報相煩度、此段重而依頼申上候　敬具
　　大正十五年五月　史蹟名勝天然紀念物保存協会
　　　　　　　　　　　　東京支部長　平塚広義　印
　　　　（宛名手書）
　　　　子爵渋沢栄一殿