デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

9章 其他ノ公共事業
5節 祝賀会・表彰会
22款 市村〓[王+賛]次郎教職三十五年記念祝賀会
■綱文

第49巻 p.436-437(DK490148k) ページ画像

大正14年7月(1925年)

是月配布ノ、市村博士教職三十五年記念祝賀会会務報告書中ニ、栄一金五十円寄付ノ旨記載アリ。


■資料

市村博士教職三十五年記念祝賀会会務報告書 第一―三頁(大正一四年七月)刊(DK490148k-0001)
第49巻 p.436-437 ページ画像

市村博士教職三十五年記念祝賀会会務報告書
                 第一―三頁(大正一四年七月)刊
    市村博士教職三十五年記念祝賀会会務報告書
拝啓 向暑の候愈御清適奉賀候、陳者昨年以来御賛助を仰ぎをり候東京帝国大学教授文学博士市村瓚次郎君教職三十五年記念資金醵集の儀は、幸に予想以上の好成績を挙げ、去月下旬金六千円を博士に贈呈すると同時に、更に博士より史学進展の目的を以て史学会へ寄附せられ候こと、偏に各位御援助の結果と存し深く感謝仕候、就ては右一切の御報告を兼ね御挨拶申上度如此御座候 敬具
  大正十四年七月
      市村博士教職三十五年記念祝賀会実行委員
  浅野長武   穴沢清次郎   飯島忠夫
  池内宏    黒板勝美    清水泰次
  塩谷温    白鳥庫吉    高成田忠風
  中山久四郎  仁科節子 伯爵 林博太郎
  藤原千代子  堀江秀雄    村川堅固
  箭内亘
      会務概況
一、大正十三年一・二月の頃二・三の有志相謀り、東京帝国大学教授文学博士市村瓚次郎君が本年八月を以て還暦の寿に達せらるゝを機とし、明治二十二年以来学習院・東京帝国大学等に職を奉ぜらるゝこと三十五年に及べる博士の功績を記念するが為めに、史学の進展を目的とする資金を醵集せんとし予め博士の認諾を得たり。仍て四月十五日博士の薫陶を受けたるもの十数名の協議会を大学構内学生集会所に開き、各事に当るを約す。而して七月中、二百五十五名の発起人を得たり。仍ち同月より本年に亘り、此の企の趣旨及び実行の方法を弘く博士の知友門人に発表せしに、幸に多数の賛成を得、本年五月末日までに山階宮家外六百十九人より金額総計六千八百拾五円を寄せられたり。
一、本年三月二十三日、実行委員の一人本会を代表し、右の資金の内より金六千円を市村博士に贈呈せり。端数を控除したるは、之を会務の遂行上必要なる費用に充つるが為めなり、預金の利子壱百弐円五拾九銭は近日更に史学会に寄附すべし。目下手続中に属す。
一、資金の贈呈は、市村博士の意志に依り、別に其の式を行はず、ま
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た祝賀会を催さず。たゞ寄附者各位の芳志を永遠に伝ふる為めに美しく装釘したる名簿二巻を作り、之を博士に献ずべし。目下調製中なり。
一、資金を受領せられし市村博士は、本会当初の趣旨に基づき、博士の名義にて直ちに之を史学会に寄附せられたり。即ち左の如し。
      記
 一金六千円也
 右別記条件を以て貴会基本金として寄進致度候間御収納相成度候也
                      市村瓚次郎
  大正十四年六月二十五日
    史学会評議員長坪井九馬三殿
      別記
一、市村博士教職三十五年記念基金の名称を附し、他の一般基金と別口会計となす事
一、右基金の収益は史学雑誌改善の為め、当分の内主として右原稿料の増加に充つる事
          以上


市村博士教職三十五年記念祝賀会会務報告書 第一一頁 (大正一四年七月)刊(DK490148k-0002)
第49巻 p.437 ページ画像

市村博士教職三十五年記念祝賀会会務報告書 第一一頁 (大正一四年七月)刊
    資金寄附者芳名
○上略
金五拾円也               子爵 渋沢栄一君
○下略