デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

大正4年5月14日（1915年）

是日栄一、当所評議員会ニ出席シ、理事堀井卯之助辞職並ニ後任理事選定ノ件等ニ付キ協議ス。

渋沢栄一　日記　大正四年　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
五月十四日　晴
○上略　十二時半銀行集会所ニ抵リ、東京興信所評議員会ヲ開キ、要件ヲ議決ス　○下略

（東京興信所）　評議員会書類　第五　　　（株式会社東京興信所所蔵）
大正四年五月十四日　　　　　　　　　　　　森下岩楠(印)
　　　　評議員　栄一　(印)(印)(印)
一理事堀井卯之助氏辞職
一同氏ニ贈ル慰労金之件
＊　一金弐千弐百九拾五円也
　　　(印)　参千参百円ニ修正
　　右ハ一般書記ガ自己ノ都合ニテ他ヘ転スル為メ辞職シタル場合ニ支給シ来リタルト同一ノ割合ナリ、而シテ氏ノ勤続年数ハ十五年現月給ハ弐百七拾円也
　　　一金五百円也
　　右ハ一般書記ト其取扱ヲ異ニスル為メ特別ニ贈与スルモノナリ
一理事新任其他書記増給ノ件
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　書記
　　　　　　　　理事　　　　　　　　　　　　佐藤正美
　　　　　　　　　但月給弐百弐拾円也
　　　　　　　　　　右現給ハ壱百七拾円也ナレバ五拾円ノ増給
○下略
 - 第51巻 p.200 -ページ画像 
＊欄外記事
　　理事ハ普通ノ書記ヨリ六分ノ一賞与金ノ多キヲ以テ之ヲ増シ、更ニ五ケ月分ノ賞与金ヲ加フル事ニ修正、之カ為メ金額ハ約参千参百円トナル

（東京興信所）　評議員会書類　第五　　　（株式会社東京興信所所蔵）
　　東京興信所第二十回報告書
大正四年一月より同十二月に至る、東京興信所の業務並会計の概要を報告する事左の如し
　　　　○業務成績の大要
○中略
　　　　○発起会員総会の件
大正四年二月九日午後五時より、日本橋区坂本町銀行集会所に於て、当所第十九回発起会員総会を開催す、出席者二十余名にして、所長森下岩楠より大正三年度事務及会計報告をなし、原案可決の後、評議員の改選を行ひ、第一・第百・三井・三菱・横浜正金の五銀行重任し、夫れより席を銀行倶楽部に移し晩餐を喫し、午後七時散会せり
　　　　○評議員会の件
大正四年一月二十九日、当年の第一回評議員会を開き、其後必要に応じ数回開会して時々の要件を協議せり、其中重要なる事項は、理事堀井卯之助辞職及後任理事選定並に之に伴ふ所員の異動等なりとす