公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15
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竜門雑誌 第三九五号・第五四頁大正一〇年四月 日伊両国の工業交易(DK540012k-0001)
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竜門雑誌 第三九五号・第五四頁大正一〇年四月
○日伊両国の工業交易 三月二十九日の万朝報は、三月二十六日ミルラン発として日伊工業交易と題し、左の如き電報を掲載せり。
廿六日ミラン発、自動式車輛関係工業者協会の招待の下に、自動車の製造、鉄道及び海軍用材料の製造に従事する大工業会社の代表者は、当市商業会議所に会合し、日本に対し大々的の輸出を開始すべき最上の方策に就き協議せるが、日本に於ては駐日伊太利大使発議の下に、渋沢子を会長に戴く日・伊人の団体組織されたり、此団体は第一期に於て伊太利工業の最も優良なる製品を日本に輸出し、第二期に於て伊太利の工業会社の支店を日本に設立せんとするもの也右会合の席上、自動式車輛のみならず、日本に於て有利なる大販路を見出す見込ある伊太利工業に於て同様の案を適用すべしとの希望も現はれたるが、会議は三月廿九日迄休会する事となれり。(廿八日本社着国際電報)
右に就き四月四日の時事新報は服部東京商業会議所書記長談として左の如く報ぜり。
伊太利とは今まで大した取引もなく、一向振はなかつた、今後とても伊国から輸入せねばならぬ物産があるかどうか、ミラン会議は一種のプロパガンダぢやないかとも思はれる、まだ実業家代表団の派遣方の電報は来て居ない、伊太利の生産品中、自動車は極く精巧なものであるが、今まで少しも手をつけなかつたのです。
渋沢栄一書翰 控 アール・ディー・タタ宛大正一三年二月二九日(DK540012k-0002)
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渋沢栄一書翰 控 アール・ディー・タタ宛大正一三年二月二九日
(渋沢子爵家所蔵)
予て御依頼有之候貴社と鈴木商店間之銑鉄問題解決ニ付てハ、爾来老生も仲間ニ立ち、是非円満ニ解決致度と存し、鈴木にも既ニ勧説し、貴社亦御譲歩被下候為メ、懸案之引取未済分四万九千屯ニ付てハ、已ニ双方御諒解之上御話も相まとまり、今ハ唯新規毎月三千屯之引取と一手販売之問題丈相残り居り候義ニ付、一月十六日付老生電信ニ対し貴社之御回答を得て全部解決いたし候事を切望罷在候義ニ候
○右英文書翰ハ大正十三年二月二十九日付ニテ発送セラレタリ。