デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

2部 実業・経済

3章 商工業
18節 其他ノ商工業
6款 共同精米株式会社
■綱文

第54巻 p.64-67(DK540020k) ページ画像

大正3年4月(1914年)

是月、当会社ノ前身タル朝鮮米商会設立セラル。栄一、之ヲ後援ス。翌四年、朝日精米商会ト改称シ、更ニ同七年五月一日、組織ヲ改メテ、共同精米株式会社トナル。栄一、其設立発起人会ニ出席ス。


■資料

渋沢栄一 日記 大正三年(DK540020k-0001)
第54巻 p.64 ページ画像

渋沢栄一 日記  大正三年          (渋沢子爵家所蔵)
一月二十一日 晴 寒威強シ
○上略 平岡八重子来リ、朝鮮米ノ事ニ付其夫ヨリノ伝言ヲ申聞ラル○下略
  ○平岡八重子ハ平岡準蔵ノ女ナリ。(渋沢事務所、井田善之助報告)


竜門雑誌 第三一一号・広告大正三年四月 朝鮮白米小売業開始謹告(DK540020k-0002)
第54巻 p.64 ページ画像

竜門雑誌  第三一一号・広告大正三年四月
    朝鮮白米小売業開始謹告
当商会は、予て渋沢男爵閣下の抱持せらるゝ日本米価の調節と、新領土朝鮮に於ける農産奨励の御盛意を体し、極めて無経験に候得共、今般下名の如き名称を以て朝鮮白米小売業を開始致し、従来都下三千の精米業者が未だ曾て試みざりし朝鮮米専門の新事業に従事仕候、畢竟日本米に優るあるも劣ることなく、而も価格の二割安なる朝鮮米の声価を都人士に紹介致し、其の品物の正と、価格の廉と、風味の美と、執業の勤とを以て、冀くは男爵閣下御使命の万分一を相果し申度候間幸に御引立被下、多少に拘はらず御用命被仰聞候事を得ば幸慶の至に候 敬具
 追白 朝鮮白米等級価格と、炊き方の注意と、小売配達に関する営業の内様等は弊会へ問合せ次第直に拝答可仕候
      東京府下南葛飾郡亀戸町字五ノ橋町三十番地
                 ※朝鮮米商会
                     電話本所二三七六番


渋沢栄一 日記 大正四年(DK540020k-0003)
第54巻 p.64 ページ画像

渋沢栄一 日記  大正四年       (渋沢子爵家所蔵)
三月十九日 晴
午前七時起床○中略 朝日精米商会平岡・吉田二氏来リ、営業ノ近況ヲ報告セラル○下略
  ○中略。
七月八日 晴
午前七時起床○中略 吉田永二郎氏来リ、精米会社ノ事業ニ付談話アリ
○下略


竜門雑誌 第三二八号・広告大正四年九月 何故こんなに繁昌する?(DK540020k-0004)
第54巻 p.64-65 ページ画像

竜門雑誌  第三二八号・広告大正四年九月
 - 第54巻 p.65 -ページ画像 
    何故こんなに繁昌する?
当商会最近に於ける長足の大発展は、我れ人共に甚だ不思議に感ずる所でありますが、決して不思議ではありません。それは当商会の販売する白米が絶対に安価なるが為めです。彼の徒に白米の呼値のみを低くして桝目のふたしかなる、或は華客の油断に乗じて品質を変ゆるの類とは異なり、当商会は渋沢青淵先生の竜門社に対する訓言の御趣意に基き、誠実と勤勉とを営業の本旨とし、蔭日向なく飽くまで信用を重んじ、米価を選み価格を低くめ桝目を正確にし、且つ顧客の懇切なる注意を歓迎して極力営業の改良進歩を心懸け、以て自他共に益する一大理想の米屋たらんと努力して倦まざる結果と確信いたします
             府下亀戸町字五ノ橋三十番地
               ※朝日精米商会

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        朝日印(無砂一等白)               亀戸売場        松印(同二等白)                  電話本所 二三七六番        竹印(同三等白)                  振替口座東京 三〇五〇三番  白米卸小売 梅印(同四等白)                 神田区佐久間町二丁目七番地        荷造{小売は二斗入袋を用ひて厳重なる封緘を施し   神田売場        配達{市内は勿論市外も無料にて迅速に御届申上候    電話 下谷 二二一八番                                 小石川区市兵衛河岸(飯田橋側)                                  飯田橋売場                                   電話 番町 四一一六番 




竜門雑誌 第三三一号・広告大正四年一二月 空前絶後の急激なる発展! 朝日精米商会(DK540020k-0005)
第54巻 p.65 ページ画像

竜門雑誌  第三三一号・広告大正四年一二月
    空前絶後の急激なる発展!
当商会は青淵先生の御懇篤なる御指導と、竜門社員各位の特別なる御援助とに依り近来予想外の急激なる発展を為し、昨今新規得意先の増加並に注文の輻輳殊更夥しく、従来の設備にては到底需要の半にも応じ難き状況と相成候に付、今般愈々精米所及売場を増設し、層一層勉励仕候間何卒倍旧の御愛顧を奉祈候
              深川区石島町三番地
               朝日精米商会

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        朝日印(無砂一等白)                 深川売場        松印(同二等白)                    電話本所 一一九二番        竹印(同三等白)                    振替口座東京 三〇五〇三番  白米卸小売 梅印(同四等白)                  神田区佐久間町二丁目七番地        山桜(同五等白)                   神田売場         荷造{小売は二斗入袋を用ひて厳重なる封緘を施し    電話 下谷 二二一八番         配達{市内は勿論市外も無料にて迅速に御届申上候  小石川区市兵衛河岸(飯田橋側)                                   飯田橋売場                                    電話 番町 四一一六番        第一精米所{深川石島町三番地 電話本所一一九二番  芝区浜松町四丁目七番地(金杉橋側)        第二精米所{亀戸町字五ノ橋三〇 電話本所二三七六番  芝売場                                    電話 芝 三七〇三番                                  亀戸町字五ノ橋三十番地                                   亀戸売場                                    電話 本所 二三七六番 




集会日時通知表 大正五年(DK540020k-0006)
第54巻 p.65 ページ画像

集会日時通知表  大正五年       (渋沢子爵家所蔵)
五月十六日 火 午後一時 朝日精米商会ノ件(兜町)


渋沢栄一 日記 大正七年(DK540020k-0007)
第54巻 p.65-66 ページ画像

渋沢栄一 日記  大正七年       (渋沢子爵家所蔵)
二月六日 雨 降雨ノ為メ寒気少ク弛ミタルヲ覚フ
 - 第54巻 p.66 -ページ画像 
○上略 正午帝国ホテルニ抵リ、共同精米会社創立ノ事ニ関シ発起人等ノ会合ニ参席ス○下略


集会日時通知表 大正七年(DK540020k-0008)
第54巻 p.66 ページ画像

集会日時通知表  大正七年       (渋沢子爵家所蔵)
二月六日 水 正午 共同精米会社発起人会(ホテル)


竜門雑誌 第三六一号・第八五頁大正七年六月 共同精米株式会社成立(DK540020k-0009)
第54巻 p.66 ページ画像

竜門雑誌  第三六一号・第八五頁大正七年六月
○共同精米株式会社成立 予て青淵先生の尽瘁を蒙り、資本金二百万円を以て創立準備中なりし共同精米株式会社は、過般第一回払込結了せるを以て、五月一日保険協会に創立総会を開き、創立事項一切の手続を了し、左記役員選挙の上、玆に同会社の成立を告げたる由。
  取締役尾高次郎(社長) 木村徳兵衛   辻仁作
  川田仙吉        大川平三郎   上原豊吉
  吉岡新五郎
  監査役八十島親徳    加藤由太郎   伊藤紀兵衛


竜門雑誌 第三六八号・広告大正八年一月 飯米供給の理想的新機関!(DK540020k-0010)
第54巻 p.66 ページ画像

竜門雑誌  第三六八号・広告大正八年一月
    飯米供給の理想的新機関!
当会社は青淵先生の御懇篤なる御指導と、竜門社員各位の特別なる御援助とに依り、近来予想外の急激なる発展を為し、昨今新規得意先の増加並に注文の輻輳殊更夥しく、従来の設備にては到底需要の半にも応じ難き状況と相成候に付、今般売場を増設し層一層勉励仕候間何卒倍旧の御愛顧を奉祈候

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                                  深川区石島町三番地       朝日印(無砂搗特製)                 [img図]〓共同精米株式会社       松印                            電話 本所 二四三番、       竹印                            長二八九番、一一九一番 白米卸小売 梅印                           深川売場       山桜                            電話 本所  二八九番        荷造{四斗入叺、四斗入袋を用ひて厳重なる封緘を施し          一一九二番        配達{市内は勿論市外も無料にて迅速に御届申上候    神田区佐久間町二丁目七番地                                    神田売場        御注文は電話又ははかきにて御用命願上候          電話 下谷 二二一八番                                   小石川区市兵衛河岸(飯田橋側)                                    飯田橋売場                                     電話 小石川 一一六七番                                   亀戸町字五ノ橋三十番地                                    亀戸売場                                     電話 本所 二三七六番                                   芝区浜松町四丁目七番地                                    芝売場                                     電話 芝 三七〇三番                                   本所区花町二番地                                    本所売場                                     電話 本所 一四七七番                                   横浜市福富町三丁目八十四番地                                    横浜売場                                     電話 長者町 八四五番 





〔参考〕(芝崎確次郎)日記簿 明治一七年(DK540020k-0011)
第54巻 p.66-67 ページ画像

(芝崎確次郎)日記簿  明治一七年       (芝崎猪根吉氏所蔵)
廿四日○一月
 - 第54巻 p.67 -ページ画像 
○上略
 今朝出頭之際、平岡準蔵殿宅ヘ立寄候処不在ニ付、御新造ヘ申上置候事、第一銀行ニテ君公ヘ右之よし上申候処、亦候廿六日朝来邸之事再応可申上旨被申付夫々取計候事
  ○中略。
廿日○二月 晴
○上略
 今朝ハ平岡精米店ヘ立寄、平岡君ヘ種々主君より之口上陳述致し置候
  ○平岡準蔵ニツキテハ本資料第二巻所収「静岡藩仕官時代」参照。