デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

2部 実業・経済

4章 鉱業
1節 石炭
2款 北カラフト鉱業株式会社
■綱文

第54巻 p.99(DK540030k) ページ画像

大正14年6月11日(1922[1925]年)

是日栄一、総理大臣加藤高明ヨリ、浅野総一郎外十一名ト共ニ、当会社創立実行委員ニ指名セラル。


■資料

中外商業新報 第一四一一〇号大正一四年六月一二日 北樺太利権会社創立実行委員顔触決定 十一日首相から指名;北樺太の石炭利権 翰長合同を策す(DK540030k-0001)
第54巻 p.99 ページ画像

中外商業新報  第一四一一〇号大正一四年六月一二日
    北樺太利権会社創立
      実行委員顔触決定
        十一日首相から指名
北樺太の石油・石炭経営会社創立実行委員は、十日発起人会の申合せにより加藤首相の指名に一任してあつたが、十一日更に橋本圭三郎氏と江木内閣書記官長との打合はせで左の如く決定、同日午後加藤首相の指名で石油・石炭各別に実行委員会の成立を見た
  サガレン石油株式
  会社創立実行委員
 内藤久寛・団琢磨・木村久寿弥太・久原房之助・門野重九郎・大橋新太郎・末延道成・根津嘉一郎・昆田文次郎・結城豊太郎・藤田平太郎男・松方幸次郎・原富太郎・中野貴一・橋本圭三郎・渡辺忠寿・島村金治郎(以上十七名)
  北カラフト鉱業株式会社
 浅野総一郎・奥村政雄・昆田文次郎・末延道成・渋沢栄一子・中田錦吉・原邦造・林幾太郎・藤田平太郎男・松方幸次郎・牧田環・結城豊太郎(以上十二名)
    北樺太の石炭利権
      翰長合同を策す
北樺太鉱業株式会社は発起人設立、即ち発起人を以て企業団と見做して、ソビエート政府に推薦し、細目協定の結果を待つて株式募集を講ずることゝなつたが、配当率から見ても応募者は少かるべく、結局新会社の大株主は企業組合である、然るときは例のアグネオ外四坑の鉱業会社への加入は全く望みなきところであるから、江本翰長はアグネオを中心にこれ等の炭坑を纏める心組で、アグネオに対して目論見書の提出を要求したので、アグネオは十日目論見書を提出したが、更に他の経営者にも目論見書の提出を要求し、これを参考として合同策をめぐらす方針らしいので、ホロビンクワは十一日午後翰長まで目論見書を提出した、アグネオにホロビンクワの合同は不可能とも見られてゐるけれども、他の三社は何れにか合同すべく、結局北樺太鉱業株式会社の外北アグネオ及びホロビンクワの三社が推薦されるであらうと